2012年06月03日

『ザ・ミュージック・オブ・スマッシュ』(12年)

The Music Of Smash(12年)

全米で話題のミュージカル・ドラマ『SMASH』のサントラでございます。

『glee』があれだけの成功を収めた訳ですから2匹目のどじょうを狙う者が現れるのは当然な訳で、そこに名乗りを上げたのが最近TVドラマに力を入れているスティーブン・スピルバーグ。
『glee』よりも大人向けの層を狙う方向性でドラマ部分にも重点を置いた作りになっているそうで、大ヒットとまではいかないまでも成功と呼べるには充分の視聴者を獲得。シーズン1に続いてシーズン2の製作も既に決定となった模様です。

お話はマリリン・モンローの伝記ミュージカルを上演しようとする人々を描いた業界内幕物で、主役のマリリン役をめぐってしのぎを削るのが(出ました)アメリカン・アイドル出身のキャサリン・マクフィー(カレン)と、『ウィキッド』や『9時から5時まで』等の舞台に出演していたミュージカル女優のミーガン・ヒルティ(アイヴィー)。キャサリン、正直アメリカン・アイドル後はイマイチぱっとしなかったんですけど、業界に強いコネクションを持つマクフィー家だけにただでは終わらないと思ってましたがやはりここできましたね。何が何でもスターになる!という彼女の根性、私はけっこう好きです。そういう意味でもこのお話キャサリンにぴったりかも知れませんし。

でもって彼女たちを取り巻く人間模様を軸にお話しは進行するようで、有名どころではプロデューサー役でアンジェリカ・ヒューストン、マリリンの主役を争うもう一人のライバル役でユマ・サーマン、アイヴィーのお母さん役でバーナデッド・ピータース(「エブリシング・カミング・アップ・ローゼズ」を歌唱!)なんかの名前も見受けられます。
面白そう…なんですが、今のところ日本では見るすべがなし。あちらでのDVD等の発売ももう少し先のようなので、とりあえず発売された暁には英語版からトライしてみたいと思っておりますです。

歌われた楽曲リストを見ると、グリーとの大きな違いはオリジナル曲が多いことですかね。比率としては半分が既存のヒット曲、半分がオリジナル曲という配分のよう。そしてオリジナル曲の多くを手掛けているのが『ヘアスプレー』等で著名なマーク・シャイマン。これがね、さすがに良いお仕事されてるんですよ。ザッツ・ミュージカルと呼べそうなショー・チューンからディズニー・タイプのドリーミー・バラードまで、この場面が見たい!と思わせる楽曲ばかり。やはり「見てこそ」のミュージカル・ナンバー、この音源のみの段階でそう思わせてくれるんですから、否が応でも期待が膨らんじゃうというものです。

そんな訳でシーズン1から選りすぐり(?)の曲を集めたサウンドトラック。

1曲目の「タッチ・ミー」はキャサリン・マクフィーの歌うオリジナル曲で、こちらの作者はマークではなくポップ職人のライアン・テッダー、ということでシングル・ヒットを狙った感じのライトなポップ・チューンになっています。収録されているカバー曲の選曲はやはりグリーとの差別化を図るためかジェシー・Jの「フー・ユー・アー」、キャリー・アンダーウッドの「クレイジー・ドリーム」、フローレンス・アンド・ザ・マシーンの「シェイク・イット・アウト」、コルビー・キャリーの「ブライター・ザン・ザ・サン」等若干渋め?

重要なシーンで歌われたのかグリーとのバッティングをあえて避けずに収録されたのはクリスティーナ・アギレラの「ビューティフル」。これらの曲は主にキャサリンとミーガンによって歌われています。聴き比べるとやはりミュージカル出身ということもあってミーガンのほうがパワー・ヒッターという感じ。キャサリンはそつのなさがね、相変わらずと言うか…。

またマイケル・ブーブレの「ハブン・メット・ユー・イエット」が収録されていて、なかなか渋めの声の若者…と思ったら何とこれがジョナス・ブラザースの三男坊ニック・ジョナスでした。ゲスト出演だったようですけど(共演したミーガンと恋の噂までたったりして)ちょっと聴かない間に大人になったものですねぇ。

構成的には前半にカバー曲が並んでおり、後半はオリジナル曲をメインにしたミュージカル・モードに。キャサリンとミーガンが火花を散らす「レット・ミー・ビー・ユア・スター」、華やかなステージが見えるような「20th・センチュリー・フォックス・マンボ」、ミーガンとウィル・チャズによるディズニー調デュエット・ソング「ミスター&ミセス・スミス」、『ファニーガール』の「ローラースケート・ラグ」を思わせるようなコミカル・ショー・ナンバー「レッツ・ビー・バッド」、オールディーズ調のロマンティックな「ヒストリー・イズ・メイド・アット・ナイト」等、前述したようにミュージカルとしての楽しさが感じされるナンバーが並んでいて飽きさせません。実際に映像を見てみるとさらに楽しさ満点…もう、早くドラマが見たいです。

そんな訳で、しばらくは音源やYou-Tubeの断片的な映像のみで想像を膨らませながら楽しみたいと思っている『SMASH』でございます。間違いなくハマる予感…っていうか、もうハマってる、私?

チャートデータ
アルバム Pop 9位





↑『踊るマハラジャ』風が楽しい「A Thousand And One Nights」

アデルの「ルーモア・ハズ・イット」、これもグリーとは違った楽しさ→http://youtu.be/vpP_0awEsEk



リンクはないんですけど実は5曲多いデラックス・エディションも存在…。
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2012年06月02日

ダイアナ・ロス『ライブ・イン・セントラル・パーク』(83年)

Diana Ross:Live In Central Park(83年)


興奮のあまり(?)さらにいつもよりしまりがなくなってますがお許しを…。


ダイアナ・ロスが83年7月21日と22日にニューヨークのセントラル・パークで行った歴史的な野外フリー・コンサートの模様を収めたライブ作品。

何が歴史的かというと、約80万人が集まったと言われる1日目のコンサートが暴風雨によりライブ途中で中止を余儀なくされ、翌日に振替公演を行ったといういわくつきのライブなのです。本盤には翌日の振替公演の模様をメインに、中止となった1日目のコンサートについてもフル収録するという30周年記念(…じゃないかと)に相応しい内容となっています。

当時全世界に生中継されたというお話なんですが、全米では新しく開局したばかりの有料ケーブルテレビShowtimeが新規加入者獲得のために独占中継したということで、コメントにもありましたが実際はほとんどの人が見れなかった模様。ただし生ではなかったようですが日本でも当時このライブの模様はテレビ放映されたようで、リアルタイムなファンの中にはご覧になったという方もいらっしゃるのではないかと思います。

私自身は全くのお初で。海賊盤のビデオないしDVDやYou-Tubeでも断片的に見る事は出来たようなんですが、ビデオ等には出会う機会がなく、断片に見るのは嫌だなぁと思っていたのであえて見ないようにしてきたというところもあるので、本当に全くのまっさら状態での鑑賞になりました。

オープニング、DIANAの文字がANAID(フィルム・プロダクション)に変わるアニメ(?)が懐かし過ぎ。
本編のほうは1日目の中止となったコンサートのダイジェスト映像から始まるのですがとりあえずそちらは後に回すとして、2日目は前日の暴風雨が嘘のような快晴の中ライブがスタート。セントラル・パークは前日に劣らぬ人で埋め尽くされていて、黒人、白人の比率でいうと7:3ないし6:4って感じでしょうか。やはり何だかんだ言っても彼女はアフロ・アメリカンを代表するスターなんだなぁとこういうのを見ると実感させられます。熱狂する聴衆に迎えられ、身体にぴったりとフィットした紫のレオタード・スーツに全身スパンコールをつけたスタイル抜群のダイアナじゃないと着こなせないような衣装で勢いよく舞台に飛び出すダイアナ(勢いよすぎて階段でけつまずいてます…)。



ライブは高らかに「アイム・カミング・アウト」でスタート。集まってくれた聴衆への感謝の気持ちを込めた『ウィズ』からの「ホーム」、そして私にとって特別な曲とMCを入れてから歌いだすのは何と『ドリームガールズ』の「ファミリー」!。これBOXセット『フォーエバー・ダイアナ』にも音源が収録されていましたけど、あれだけお気に召さなかった『ドリームガールズ』のナンバーをさらっと歌ってのけるんですから懐が深いですよね。さすが、ダイアナ。

続く「イッツ・マイ・ハウス」は大人モード・コーナーなんでしょうか?腰をバッコンバッコンと突き出しながら「愛を送ってるの」なんて宣まったかと思いきや、「悪い子のほうが魅力的よね?」とセクシー・ポーズで挑発しておいてからの「ポケットからピストルが出てるわよ!」なんて下ネタトークを展開。とにかく一番エンターテイナーとしてノッテいる時期ということもあるのか、想像以上にやんちゃでアグレッシブなステージを繰り広げるダイアナ。もう次は何をしてくれるのかと目が離せなくなってしまいました(smile)。



当時の新譜であった『ロス』からの嬉しい選曲「レッツ・ゴー・アップ」、恒例のコール・アンド・レスポンスで盛り上げる「リーチ・アウト・アンド・タッチ」、そしてロックンロール仕様で(いつもですけど)テンポ・アップして披露される「シュープリームス・メドレー」でひと山作った後は、じっくりと聴かせるビリー・ホリデイの「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」。静かな曲だと後ろまで聞こえてるか心配だわとしゃべってますけど、まるでビリーが降りて来たかのような神々しい歌唱に会場もじっと聴き入っています。本当にこの歌声、しびれるくらいにステキです。

長尺でたっぷりと聴かせる「ミラー・ミラー」は圧倒的なパワー・ヴォーカルで押しまくり、勢い余って最後はマイクを投げ捨てる始末(smile)。続けて同じマイケル・センベロが作ったヒット曲で『フラッシュダンス』の「マニアック」を披露。ツーコーラス目からは男性ダンサーを従えた激しいダンスを見せてくれます。
前年にフィル・コリンズがリバイバル・ヒットさせた事にも触れながら歌われる「恋はあせらず」、シックのプロデュースでソロでは最大のヒットとなった「アップサイド・ダウン」の後は、プチ・オールディーズ・コーナーって感じで「ソー・クロース」と「恋は曲者」が歌われます。「ソー・クロース」ではセットから落ちそうになってヒヤリとさせられる一幕も。



そしてここからはモータウン時代の仲間の曲をという事で、スティービー・ワンダーの「リボン・イン・ザ・スカイ」とマイケル・ジャクソンの「ビート・イット」を披露、どちらもこのライブでしか聴けない貴重なものですし、とくに「リボン・イン・ザ・スカイ」はダイアナのスウィートな歌声が映えた名唱。この「ビート・イット」を受けて、マイケルにプレゼントされた「マッスルズ」になだれ込んでいくわけですが、ここで再びの挑発タイム(smile)。「筋肉に自信のある人はシャツを脱いで見せて!」と大号令。ステージにまでシャツレスの男性を上げての筋肉自慢大会が繰り広げれらます。

そしてもう究極に美しい「エンドレス・ラブ」を涙まじりに歌い上げて会場全体を甘い空気に包んだ後は、怒涛のラスト・ナンバー「マホガニーのテーマ」から「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」で華麗に幕を下ろすダイアナ。普通だったらこのまま盛り上げて終了なんでしょうけど、やはり何十万人もの観客が興奮状態のままではまずいという配慮からか、本ライブのテレビ放映時のタイトルにもなっている『フォー・ワン・アンド・フォー・オール』の元になっている『ザ・ボス』収録の「オール・フォー・ワン」を歌いながら静かにクロージング※。ダイアナ自ら会場からの静かな退出を即するアナウンスを繰り返してエンドとなります。
※この流れは当時のライブの鉄板のようです。

で、特典映像として収録されている1日目の中止コンサートは本当にスリリングなドキュメントになっていて、ハーレム出身の少女ダンサー・チームを従えたアフリカンなオープニングから、次第に雨雲に覆われる会場。雨を止めようと観客と一緒になって祈りを捧げながら、何とかライブを決行しようとするダイアナ。そして中止を決断しなくてはいけなくなった時の彼女の対応等、とにかく見どころ満載。強風にストールをなびかせながら踊るように雨乞いをするダイアナは本当に魔法使いのようですし、「エンドレス・ラブ」を歌うダイアナの雨に濡れた美しい表情(そしてその中に垣間見えるライブの続行か中止かを決断しなくてはならない懊悩)はまさにハプニングが生んだ名シーンと言えます。



実際高圧電流を使用しているステージ周辺は命懸けでの作業だったようですし、80万人集まった観客をどう混乱なく避難させるかというのもかなり頭の痛い問題だったと思います。でまたよく映像を見ていると、雨が降ってるのはセントラル・パーク周辺の地域だけで、摩天楼の向こうのほうは晴れてたりするんですよね。
もう本当に、神様のいじわるというか、ダイアナの口惜しさははかりしれないものがあったのではないでしょうか。(若干の問題は引き起こしたようですが)翌日にリベンジが出来て本当によかったなぁと思いますです。

ダイアナのライブ映像作品っていうのは本当に少なくて、シュープリームス時代のライブをフルで収録したものは正規ではまだ発売されたことないんじゃないかと思います。ソロ時代のものでも、よく海賊版が出回っている『ザ・ボス』リリース後のラスベガスでのライブと、ジャズ・ライブを収めた『ストールン・モーメント』ぐらいしかなかった、はず。

なものですから、80年代の代表曲を含めたフル・コンサートを収録した作品は今回が本当に初めて。個人的にダイアナで一番思い入れがあるのは80年代のRCA期なので、同時代のカバー作品を含めてその時期の曲が聴けたのが本当に嬉しかったです。ライブとしての完成度はラスベガスのほうが上かもしれませんけど、野外ライブならではの開放感の心地よさ。そして何よりもノリにのってるダイアナ!オープニング映像で使われるアフリカ原住民的なコスプレ、アグレッシブなダンス、何だか「デジャブ」感がありましたけど、そうそうビヨンセがやってましたよね。でもビヨンセの20年前にもうダイアナが全部やってるじゃーん、みたいな。荒波のようなパワーで押し切るアップ・ナンバー、どこまでもスウィートに美しく歌い上げるバラード・ナンバー。ダイアナの前にダイアナなし、ダイアナの後にダイアナなし、なのです。

本当に良いもの見させていただきました。まだの方は必見です!




「Peaces Of Ice」&「I Cried For You」
You-Tubeを検索していたらDVDに収録されていない曲が…完全収録じゃなかったんですね。
そのうち完全版とか出たりして。



posted by Suzu at 00:30| Comment(6) | TrackBack(0) | R&B系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

B.ハワード『ジェネシス』(10年)

B.Howard:Genesis(10年)

小ネタですけど。

B.ハワード、マイケル・ジャクソンが亡くなった時に次世代マイケルは誰?的な特集がよく雑誌で組まれていて、その中の一人で名前が挙がってた方でございます。

名前とジャケットだけが記憶に残っていた訳ですが、ブックオフのワンコイン・コーナーに並んでいたので何気なく手に取って帯の宣伝文句を読んでたら、何と彼、あのミキ・ハワードの息子さんなんですって。80年代のR&Bシーンにとって忘れられない女性シンガーの一人であるミキ、その息子がもうデビューとかしちゃう年代なのかぁと覚えたくない感慨を覚えつつ、ひょえ〜って事でお買い上げしてまいりました。

本国ではまだアーティスト・デビューにはいたっていないのですが、一応ソングライターとしてはニーヨやマーカス・ヒューストン、ジニュワイン等に楽曲提供を行っていて、いわゆる裏方から表舞台へというニーヨ型の展開を狙っている模様。母親の仕事つながりからジャクソン一家とのコネクションもあるようで、本作にもランディ・ジャクソンの娘がバック・コーラスで参加してたりしてますし、マイケルの『デンジャラス』を手掛けたテディ・ライリーも参加。まぁ話題つくりでしょうけど、当初マイケル・ジャクソンの隠し子では?なんて噂もあったみたいですね(実際父親はキミが在籍していたR&Bグループ、サイド・エフェクトのバンマス、オーギー・ジョンソン)。

ということで、宣伝にしても解説等にしても一生懸命マイケルと絡めて売らんかなしてるのアレなんですが、容姿、声質等も確かにジャクソン家っぽいんですよね。「スペンド・ザ・ナイト」なんて「ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール」を彷彿とさせるし、「アナンダ」の平和讃歌的な世界観もまんまマイケルだし。
音の作りは流行りのエレクトロ〜シンセ系で、シングル候補の「スーパーモデル」や「ダンスフロア」等ダンス・テイストのR&B作がずららとっと並んでおります。そのスムースな歌声も含めてとても聞きやすくていいなぁとは思うのですが、逆に引っ掛かりが少なくて、つるっと行き過ぎちゃう感じもありますね。どういう風に自分らしさ、個性を出していくかが今後の鍵なのかなぁと。

ようやく全米でも「ダンスフロア」のオンエアが4月から開始になったのだとか。ここはひとつお母様にためにも(マイケル絡みでも構わないので)曲が話題となって、本国デビューにこぎ着ければいいなぁと思いますです。頑張れ、ブランドン!

チャートデータ
チャート入りなし



色んなマイケル的要素が楽しめます。

「Super Model」→http://youtu.be/KElmIkmwlWo

こちらも盛りだくさんです(smile)。



アマゾン、プライスダウン中…。
お母様のベストと近作です。可愛い……。
posted by Suzu at 22:30| Comment(3) | TrackBack(0) | R&B系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月26日

ゴティエ『メイキング・ミラーズ』(11年)

Gotye:Making Mirrors(11年)

さてさて、現在シングル「サンバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウ」が大ヒット中のゴティエさんのアルバム『メイキング・ミラーズ』をご紹介いたします。

ちょっと前からそのアートなPVを含めて話題になっていた曲ではありますが、最近のわたくしの傾向として新しいものはここからという事で、やはりグリー絡み。あちらでは4月に放映されたエピソード「ビッグ・ブラザー」の中で、ブレイン役のダレン・クリスとゲスト出演だったブレインの兄クーパー役のマット・ボマーが熱唱。その後にゴティエ自身が人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演したことも手伝って全米では一気に火が付き、5月最終週現在6週目の1位を記録と爆発的なヒットになっています。
グリー版は失恋歌だった元歌を兄弟の確執に置き換えて披露され、場面としてはなかなか優れたものになっていましたけど、とうのゴティエ自身はそのアレンジ等がお気に召さなかったようで取材等で不満を表明、後に若干擁護発言に切り替えたりもしましたけど、本心的にはやはりイマイチだなぁと思ってそうな気配です。

で、ゴティエさん(あぁゴリエが頭に浮かんで…)ですが、ベルギー出身でオーストラリア在住のシンガーソングライター。ゴティエというのはアーティスト名で、この方クレジット等はウォーリーさんとなっています(あぁさらにウォーリーを探せが…)。06年にメジャー・デビューし、07年のオーストラリアのグラミー賞にあたるARIAで6部門を受賞する等の成功を国内では既に収めており、オーストラリアのBECK、最近では男性版アデル等の形容詞がついたりするマルチ・タイプで天才肌のミュージシャンでいらっしゃいます。

6年ぶり、通算では3作目となる本作ですが…何だかちょっと予想通りではありますけど、一筋縄ではいきません感が溢れた非常に面白いアルバムです。

朝もやが立ち込める向こう岸から聞こえてくるようなオープニングの「メイキング・ミラーズ」に始まり、ノイジーなビートが効いた小品「アイズ・ウェイ・アウト」を挟んでヒット中の「サンバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウ」。この曲の耽美的というかバロック的?なメロディいいんですよねぇ。別れた恋人同士が届かないとわかっていながらお互いの気持ちをぶつけ合うような構成も面白いですし。ちょっと昔の華美になりすぎない頃のニュー・ウェーブを思い出させるような「アイズ・ワイド・オープン」、ジャズからアフリカン・ミュージック的な要素を含んで展開していくドラマティックな「スモーク・アンド・ミラーズ」、思いっきりノーザン・ソウルな「アイ・フィール・ベター」、やけにキラキラと爽やかなメロディーを奏でる「イン・ユア・ライト」、レコード屋で見つけた台湾産のレコードからサンプリングした音源を使い、ヴォコーダー等も使用してコラージュしまくる無国籍ミュージック「ステート・オブ・ジ・アート」、怪しい音が乱れ飛ぶ(smile)「ドント・ウォーリー,ウィル・ビー・ウォッチング・ユー」、この流れからくると箸休め的にほっとする穏やかさの「ギビング・ミー・ア・チャンス」、オートハープをサンプリングした音色が美しい「セイブ・ミー」、そして民族的なリズムをベースにしながら作り上げた癒し系のクロージング・ナンバー「ブロント」という全12曲。

何でしょう。自由でいて緻密に作り上げられた寄木細工の民族工芸品みたいな(?)。何が出てくるかわからないし、何が出てきちゃってもいいような、凡人には思いつきませんけど何だかその異質っぷりを堪能させていただきましたっ…って感じの面白盤でございます。

オフィシャル・サイトでレコーディング風景が見れますが、実家の納屋に機材を持ち込んでほぼ一人の多重録音で完成。音楽を作っているというよりは、本当に職人さんが楽器やパソコンを使って「アート作品」を作り上げてる風でございます。PVなんかもそれぞれに凝った出来で一見の価値あり。ジャケットの表紙の絵はゴティエのお父さんが昔書いたものなんですって。アートな家なんですねぇ。

私は知らずに輸入盤を買ってしまいましたが、日本盤は10曲のボーナス・トラックを収めた特別ディスク付の2枚組です。うーん、何だよぉ…。

チャートデータ
アルバム
Pop 7位(UK 4位)
シングル
「Somebody That I Used To Know」:Pop 1位(UK 1位)




オフィシャル・サイトでも色々見れるのでどうぞ→http://hostess.co.jp/gotye/
こちらだとPVも字幕付です。


posted by Suzu at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | POPS系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月25日

ケイティー・ペリー『ティーンエイジ・ドリーム:コンプリート・コンフェクション』(12年)

Katy Perry:Teenage Dream: Complete Confection(12年)

結局買ってしまったわけですけど、ケイティ・ペリーの大ヒット・セカンド・アルバム『ティーンエイジ・ドリーム』のデラックス盤にあたる『コンプリート・コンフェクション』。

日本では断然ガガ様のほうが人気者ですけど、あちらでのヒット状況で言えばケイティのほうに軍配が上がる感じ。
何しろ「カリフォルニア・ガールズ」を皮切りに、「ティーンエイジ・ドリーム」「ファイヤーワークス」「E.T.」「ラスト・フライディ・ナイト」とNo.1ヒットを連発。惜しくも「ワン・ザット・ゴット・アウェイ」が3位に終わってしまったのでマイケル・ジャクソンの『BAD』が持っていた同一アルバムからの1位獲得5曲という記録を抜くことは出来ませんでしたが、堂々と同記録に並ぶ偉業を達成。デラックス盤収録の「パート・オブ・ミー」も初登場で1位を獲得するなど、相変わらずその勢いは止まるところを知らない状況です。
(「パート・オブ・ミー」は追加収録であるためビルボードでは同一アルバムからの1位にカウントしないと当初アナウンスされましたが、その後の紹介記事等では6曲の1位を出した初のアルバムという記述が散見されるようになりました。認められるようになったとか?)

デビュー作では「ユーアー・ソー・ゲイ」や「キス・ア・ガール」等センセーショナルな歌詞が話題となるお騒がせシンガー的な立ち位置でもありましたけど、セカンドではスターゲイト等R&B系のプロデューサー等も導入してよりカラフルな印象のあるパワー・ポップ路線を展開。あまりのポップさとそれが売れまくっている状況に対し、クリスティーナ・アギレラやピンク等の楽曲のクリエイターとして知られるリンダ・ペリーからはクズ呼ばわりされる始末ですが、別にメッセージを含んだ作品だけが素晴らしいわけじゃないですし、楽しさを追求した音楽だってその存在価値は大きいはず。ニュースのかいつまんだ記事なのでリンダの真意はわかりませんけど、そういう発言が出てくるほど、本作がシーンに与えた影響というのは大きかったのだなぁと思います。

後、ケイティの成功を後押ししたという意味で、gleeの存在も見逃せませんね。
大人気となったダレン・クリス演じるブレイン=ウォブラーズの衝撃的なデビュー・ナンバーとなった「ティーンエイジ・ドリーム」に始まり、チア部全員がケイティのコスプレ(青いカツラ装着)で踊った「カリフォルニア・ガールズ」、レイチェルが熱唱した「ファイアー・ワーク」、ケイティのPVにダレンとケヴィン・マクヘイル(アーティー)が出演し、その後gleeの劇中でもダレンが歌った「ラスト・フライディ・ナイト」とほぼ定期的にパフォーマンスされ、お互いの相乗効果により話題と人気を高めていったといっても過言ではないと思います。

でまぁ本盤なんですけど、中途半端なデラックス盤にはなるだけ手を出さないようにしてるんですが、7曲も追加になったので買わずにはいられなくて。
グラミー賞で披露後早々にNo.1ヒットとなった新曲「パート・オブ・ミー」。楽曲としてはストレートなポップ・ロック曲であまり面白みはないのですけど、私生活のほうで同時期に起こった離婚の気持ちを率直に歌ったような歌詞が共感を呼んで支持を集めたようです。その他2曲の新曲も同工異曲なテイストですが、PVのセンチメントな世界を改めて音で表現したような「ワン・ザット・ゴット・アウェイ」のアコースティック・バージョン、HIP-HOPの「革命児」と「女帝」を招きよりエッジィに仕上げた「E.T.feat カニエ・ウェスト」「ラスト・フライディ・ナイト feat ミッシー・エリオット」、そしてシングル6曲を繋げたお祭りメガミックス「トミー・サンシャイン・メガシックス・スマッシュアップ」等、全体的には楽しめる追加となっています。

本体のほうもそういえばレビューしたことありませんでしたけど、ヒットした曲の他にもチア・ソング的な「ピーコック」、ドライブ感溢れる「サークル・ザ・ドレイン」、ポップな「ハミングバード・ハートビート」、センチメントな「ノット・ライク・ザ・ムービーズ」等まだまだシングル・カット出来そうな曲が揃ったもちろんの強力盤。
お持ちでない方はお手を出されるのに丁度よい機会かと思います。

そういえばこの夏にはケイティを追ったドキュメンタリー3D映画『パート・オブ・ミー』も公開されるんです。日本公開はされるのかな? 楽しみですね。



チャートデータ
アルバム
Pop 1位
シングル
「 California Gurls 」:Pop 1位
「 Teenage Dream 」:Pop 1位
「 Firework 」:Pop 1位
「 E.T. 」:Pop 1位
「 Last Friday Night (T.G.I.F.)」:Pop 1位
「 The One That Got Away 」:Pop 3位
「 Part Of Me 」:Pop 1位





豪華スター勢揃いの「ラスト・フライデイ・ナイト」は文句なしの楽しさ。
ちょっとだけ気持ち悪いキャラの「E.T.」もお気に入り(smile)。
そしてウォブラーズ!


posted by Suzu at 22:45| Comment(4) | TrackBack(0) | POPS系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月22日

グリー:シーズン3のおさらい〜お気に入りソング20選+α

※相変わらずのネタばれご注意です!
※お話の解説に間違いがありましたら是非ご一報を!

さてさて、グリーですけどもとうとうシーズン3もあちらでは明日で最終回を迎えてしまいます。
あー悲しいあーつまんない。
既にシーズン4の話題などもちらほら出始めてますけど、相変わらずハイ・クオリティなパフォーマンスが続出したシーズン3をちょっとおさらいしておきたいと思います。
っていうか、前にも書きましたけど、とにかくシーズン3はサントラの発売が前2シーズンの半分に留まると言う暴挙。背に腹は代えられずituneから購入いたしましたけど、やっぱりちょっと、納得いかないのです。
という事で、前夜祭を兼ねてサントラに収録されなかったものをメインに、今までご紹介したもの(「マイケル」「ホイットニー」「グリーバー」等)は割愛するかたちで、その他お気に入りの楽曲をご紹介させていただきます。

1.Anything Goes/Anything You Can Do

進路を模索中のレイチェルとカートがニューヨーク・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツへの入学を目指す学生の集まりを見学しにきてそのパフォーマンスのレベルの高さに愕然となるシーンで歌われたナンバー。グリー・プロジェクトの出身者で先陣を切って登場したリンジー・ピアース(ハーモニー役)がその歌唱力を活かして歌い切るのはコール・ポーターの名曲「エニシング・ゴーズ」とミュージカル『アニーよ銃をとれ』の代表曲のマッシュアップ。この二人を愕然とさせる役なんておいそれとは務まりませんが、リンジー大熱唱でその期待にしっかり応えてくれてます。




2.I'm The Greatest Star

マッキンリー高校で『ウェストサイド物語』を上演することになり、その学内オーディションでカートが歌うナンバー。言わずと知れたバーブラ・ストライサンドの主演ミュージカル『ファニーガール』からの楽曲で、カートが舞台せましと駆けずり回りながら披露。こういう時レイチェルと違って真っ向対決しなくてもいいカートは得かな。カートのお茶目さんな魅力が良く出た楽しい1曲になっています。
シーズン3は相変わらずバーブラ贔屓で、(バーブラの曲と言っては若干語弊がありますが)「ディンドン・ウィッチ・イズ・デッド」「サムシング・カミング」「サムホエア」等もお目見え。随所にバーブラ・ネタが散りばめられていました。




3.Cool

『ウェストサイド物語』からはサントラVol.7に収録された「サムウェア」と「トゥナイト」の他、「サムシング・カミング」「アメリカ」「ボーイズ・ライク・ザット」「ワン・ハンド・ワン・ハート」「アイ・ハブ・ア・ラブ」等もパフォーマンスされました(これだけあれば『ロッキー・ホラー・グリー・ショー』よろしく『ウェスト・サイド・グリー・ストーリー』だって出来たのに…)
そんな中から記念すべきマイク・チャン(ハリー・シャムJr)の初ソロ・ナンバーとしてお目見えしたのが「クール」。これ以降度々歌声も披露するようになったハリー、いやー、頑張りました。




4.It's All Over

いつもレイチェルにリード・ヴォーカルを奪われてきたメルセデスがとうとう反旗を翻してニュー・ディレクションズを退部。その言い争いがそのままミュージカル『ドリームガールズ』の同様の場面で歌われた「イッツ・オール・オーヴァー」に移行していきます。メンバー全員がきちんと『ドリームガールズ』の扮装をしての歌唱で思わず笑みのこぼれる展開。このまま「アンド・アイム・テリング・ユー」に行かないのが玉に疵ですが、私は自分でこの流れに編集して楽しんでます(smile)。




5.Candyman

ニュー・ディレクションズを離脱したメルセデスはサンタナとブリタニーを取り込んで女性だけのヴォーカル・グループ、トラブルトーンズを結成。代理教師としてマッキンリー高校に赴任していた元ボーカル・アドレナリンのコーチでレイチェルの母親シェルビーに師事を仰ぎます。そんなトラブルトーンズが披露するうちの1曲がこれで、クリスティーナ・アギレラのキャバレー風ショー・ナンバーをアンドリュー・シスターズがカバーしたらというコンセプトに基づいてステージングされました。ベットのステージ等も髣髴とさせ、これがもうノリノリで最高、悶絶、大好きです、これ。




6.I Can Go For That/You Make My Dream

いがみ合うニュー・ディレクションズとトラブルトーンズを見かねたシュー先生がマッシュ・アップ曲での対決を提案。ニュー・ディレクションズが選んだのがホール・アンド・オーツのこの2曲でした。
フィンの声ってこういう80年代のポップ・ロック・ナンバーにバチはまりなんですよね。2コーラス目を歌ってるのはグリー・プロジェクト出身のダミアン・マクギンティ、彼も頑張ってます。「ユー・メイク・マイ・ドリーム」は映画「(500日)のサマー」でも使われてましたけど、ウキウキ・ソングとして最強。




7.Jolene

フットボールの男性コーチに恋をしたビーストですけど、何とその恋のライバルに名乗りを上げてきたのがスー・シルベスター!ということで、私の彼を奪わないでとまんまの気持ちで歌われるのがドリー・パートン&オリビア・ニュートン・ジョンの名曲「ジョリーン」。抑えめなビーストの歌声は恋に自信のない乙女の叫びですね。




8.Survivor/I Will Survive

州の予選会に出場したトラブルトーンズが歌うナンバー。私たちは負けない!という強い意志を、グロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル」とデステニーズ・チャイルドの「サバイバー」という新旧の生き残りソングのマッシュアップで表現。メルセデスとサンタナの力強い歌声、華やかなステージングも素晴らしかった1曲。




9.Summer Night

家の事情で学校に来れなかったサムが再びマッキンリーに戻ってくることに。そこで既に彼氏のいるメルセデスに再びの猛アタックを開始。そんな二人に今どうなってるの?と皆がガールズ・トーク、ボーイズ・トークを繰り広げるシチュエーションで歌われるのはミュージカル『グリース』のヒット・ナンバー「サマーナイト」。どーなのよどーなんだよという会話が聞こえてきそうな実に楽しい場面。メルセデスがオリビア?ってのも、何だか楽しいんです(smile)。




10.Wedding Bell Blues

シーズン3では潔癖症のほうも何とか克服し、シュー先生との同棲生活に踏み切っていたエマ子。そんな彼女の結婚願望を妄想いっぱいに表現したのがフィフス・ディメンションのNo.1ヒット「ウェディング・ベル・ブルーズ」。エマの清らかさいいっぱいの歌声もステキですが、何と言ってもこればバック・コーラスを務めるスーとビーストが最高です。もうロイヤル・ウェディングも吃驚、大爆笑です。




11.Moves Like Jagger/Jumpin Jack Flash

シューとエマ、メルセデスとサムの恋模様が描かれる中でなんどベッキーに惚れられてしまうアーティー!そんな状況でアーティーが披露したのはマルーン5の最新ヒット「ムーブス・ライク・ジャガー」とストーンズの代表曲「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」のマッシュアップ。こういう曲を歌う時のアーティーは本当にセクシーでかっこいいんですよね。ダンス巧者のマイクとシュー先生を従えたパフォーマンスもかっこよかったです。本当は負けずにダンスの上手いアーティー(ケヴィン)、こういう時はうずうずしちゃうんじゃないのかなぁ。




12.Sexy And I Know It & La Isla Bonita

スペイン語の教師であるシュー先生ですが、生徒からの苦情や諸々の事情でスペイン語の夜間教室に参加することに。そこの講師を務めていたのがデビッドことリッキー・マーティン!
という事でリッキーが歌うのがこの2曲。LMFOの最新ヒットは教室でニュー・ディレクションのメンバーと共に、マドンナの「ラ・イスラ・ボニータ」はサンタナと共にステージで披露されました。「セクシー〜」のほうは原曲のおとぼけ具合をタイトルどおりのセクシー&かっこいいバージョンに変換、「ラ・イスラ」のほうはラテン色を抑えめにした今風のアップ・ナンバーにアレンジされました。
ちょっとラテンおやじ入ってきましたけど、まだまだリッキーかっこいいです。






13.Love Shack

ウォブラーズとの抗争(?)で怪我をしたブレインでしたが、バレンタインのパーティーでサプライズ復活、カートを驚かせます。そこで披露させるのがTheB-52'sが80年代に放った復活ヒットの「ラブ・シャック」。ブレインをリードにレイチェルとメルセデスとブリタニーがバック・コーラス、途中からカートが加わって(ひとり多いけど)TheB-52'sのフォーマットが再現されます。
これぞ最高のパーティー・ソング!この歌大好きだったもので、思わず画面に向かってキター!と叫んでしまいました(smile)。




14.Cough Syrup

自分がゲイであることを隠していたカロフスキーでしたが、バレンタインデーでのカートに対する行動がきっかけで皆にバレてしまいます。学校から逃げ帰るカロフスキーのバックで流れるのがブレインの歌うこのナンバー。お恥ずかしながら初めて聴いたのですが、ヤング・ザ・ジャイアントというグループの作品で、タイトルの「コフ・シロップ」は「咳どめ薬」のこと。人生には辛い時もあるけど何とか乗り切ろうと歌うこの切なくて優しい曲は場面とのマッチングも素晴らしく、とても胸を打つ1曲になっています。ヤング・ザ・ジャイアントのメンバーもこの場面はお気に入りとか。




15.Hungry Like The Wolf/Rio & Somebody That I Used To Know

ブレインのお兄さんで役者をしているクーパーが登場、演じるのは『ホワイトカラー』でイケメン詐欺師を演じて人気のマット・ボマー!
どちらもブレインとのデュエットで、満を持して初登場したデュラン・デュランのナンバーは「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」と「リオ」のノリノリなマッシュアップ。このデュエットで兄弟の関係性(力関係)を見せておいて後半兄への複雑な思いをブレインがぶつけるように歌うのがゴティエの最新ヒット「サンバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウ」。ゴティエのオリジナルのもつ耽美的なところはなくなってしまいましたけど、それでも二人の熱い歌声はまた違った魅力を曲に付加しています。






16.Big Girl Don't Cry

ウーピー・ゴールドバーグ演じるニューヨークの演劇学校の面接官の前でパフォーマンスを失敗してしまったレイチェル。そんなレイチェルが歌うのがファーギ―のNo.1ヒット「ビッグ・ガール・ドント・クライ」。コーラスからはカートが加わってデュエットに。その優しい歌声にレイチェルでなくても癒されること必至のナンバー。




17.Love You Like A Love Song & What Makes You Beautifl

卒業パーティーで歌われるアイドル・ソング2曲。サンタナをリードにブリタニーとティナがコーラスを務めるのはセレーナ・ゴメスの「ラブ・ユー・ライク・ア・ラブ・ソング」。サム、マイク、アーティー、ローリー、ジョーの男子5人組で歌われるのは現在大ブレイク中のワン・ダイレクションの「ホワット・メイクス・ユー・ビューティフル」。さすがにサンタナらのセクシー・パフォーマンスは振りも含めてそつのない出来。男子チームも果敢に1Dに挑みましたけど、さすがに平均年齢で5才は若い1Dのフレッシュさには勝てなかったかなぁ。グリーではかえって珍しいパターンです。






18.Flashdance - what a feeling -

州大会直前になって今度はティナのレイチェルに対する不満が爆発。勢い余って転倒したティナは頭を強打、妄想の中でレイチェルと入れ替わる体験をすることになります(この妄想の中ではレイチェル⇔ティナの他にも様々な組み合わせで役の入替えが起こり、シリーズ中屈指の珍場面が展開、大爆笑です)。結局レイチェルの気持ちを理解したティナは彼女を応援することに。で、州大会に出発するシーンで歌われるのがティナとレイチェルによるデュエット「フラッシュダンス」。シーズン3には「ウィ・アー・ヤング」や「ヒアーズ・トゥ・アス」等ザ・青春、ザ・友情って名場面がありますが、これもそんな感動を覚える1曲です。




19.Paradise By The Dashboard Light

州大会の決勝戦でニューディレクションズが披露した1曲。ニュー・ディレクションズに組み込まれたトラブルトーンズの「エッジ・オブ・グローリー」、レイチェルのソロ「イッツ・オール・カミング・バック・トゥ・ミー・ナウ」に続いてラストを駆け抜けたのは名盤『地獄のロックライダー』に収録されていたミートローフの暴走ロック・ナンバー「パラダイス・バイ・ザ・ダッシュボード・ライト」。フィンのロック魂大爆発。どこまでキーが上がるの?ってぐらい高らかなハイトーン・シャウトが凄すぎです。フィン最高。




20.Starship & Pinball Wizard

同じく決勝戦でウェイド(アレックス・ニューウェル)をリード・ヴォーカルにすえたボーカル・アドレナリンが披露したのはニッキー・ミナージュの最新ヒット「スターシップ」とロック・ミュージカル『トミー』の代表曲「ピンボールの魔術師」。インパクトでは初登場だった「ブギー・シューズ」のほうが上ですけど、思わず目を見張るアクロバティックなステージングを含めてパフォーマンス自体はさすがのハイ・クオリティ。ステージ慣れしていないということで未熟な面もあるアレックスですけど、このまま切磋琢磨されて自信を得た時のパフォーマンスが是非見てみたいです。番組にも出続けてほしいなぁ。






そんな訳で、シーズン4はマッキンリー高校とニューヨークの演劇学校を舞台にした2元中継的になる模様。高校を卒業したメンバーを含め、基本的に全てのキャストがシーズン4に再び登場することが発表されました。またゲストとしてサラ・ジェシカ・ハーパー、ケイト・ハドソンの出演も予定されています。
卒業したメンバーがどうなるのか、メイン・キャストの抜けたニュー・ディレクションズはどうなるのか、舞台が広がることで番組的にはどうなるのか、いろいろ気になることが盛りだくさんのシーズン4。
開始は秋か…楽しみにしたいと思います!

※2012/11/11 You-Tubeの映像の多くが無効となってしまったので張り直しました。一部音声だけのもあります。



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2012年05月20日

カーリー・レイ・ジェプセン『キュリオシティ』(12年)

Carly Rae Jepsen:Curiosity(12年)

今世界各国で「コール・ミー・メイビー」が大ヒット中のシンガーソングライター、カーリー・レイ・ジェプセンのミニ・アルバムでございます。

この方、アメリカン・アイドルのカナダ版「カナディアン・アイドル」の07年度(シーズン3)のファイナリストで、08年にアルバム『タッグ・オブ・ウォー』でデビュー、アルバムは日本盤もリリースされております。当然に期待の新人ではありましたけど正直デビュー盤の成果はそこそこって感じだったようですが、昨年9月に本作『コール・ミー・メイビー』をリリース。タイトル曲がカナダで大ヒットになったところでさらなる運が彼女に転がり込んでくるんです。同時期にカナダを訪れていたジャスティン・ビーバーがこの曲を気に入ってツイッターで紹介、そればかりか彼女であるセレーナ・ゴメスや「ハイスクール・ミュージカル」のアシュリー・テスデイル、現在米国で人気上昇中のボーイバンド、ビッグ・タイム・ラッシュのメンバーを集めて、「コール・ミー・ベイビー」に合わせて戯れるビデオを作成してYou-Tubeに投稿したもんですから当然の如く大反響を呼び、英国を含む7か国でNo.1、米国でも現在4位上昇中と大ブレイクを果たしたのでした。

めでたしめでたし、…みたいな状況なわけです。

その後ジャスティン・ビーバーの所属事務所と契約したりしてますし、デュエット曲も発表されるそうで、こうなってくるとこのYou-Tube騒動は綿密な策略か?…なんていたいけないおじさんは勘ぐってしまう訳ですが、まぁ良い曲であるのは間違いないので、それならそれでいいかなと思っております(smile)。

ミニ・アルバム(EP扱い)ですので収録されているのは6曲。大ヒット中の「コール・ミー・メイビー」の他にも、ヒット感度の高そうな「キュリオシティ」やキュートな「トーク・トゥ・ミー」、カナダの大大先輩シンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルの代表曲「青春の光と影」の甘酸っぱいカバー等、アコースティックな肌触りを残しながらもほどよくポップアップされた楽曲が並んだ好盤。清涼飲料的(カナダドライですね)な爽やかさのあるカーリーの歌声が何より素敵ですね。

「コール・ミー・メイビー」はジャスティンのビデオのおかげで曲に合わせて歌い踊る動画を投稿するのが大流行してます。なかにはケイティ・ペリーとズーイ・デシャネルらが作ったビデオなんてまたまたゴージャスなものも存在してますので要チェック。投稿ビデオばかりが有名になってますが、カーリー自身のオリジナルPVもキュートで笑えるオチのある可愛らしいものですので是非ご覧になってみて下さい。

チャートデータ
アルバム
canada 6位
シングル
「Call Me Maybe」:CA 1位/UK 1位/US 4位↑
「Curiosity」:CA 30位





最後のはハーバード大学の野球部員による投稿作品。

ちなみにケイティ・ペリー版はこちら→http://youtu.be/luR4BnfM9vw


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2012年05月19日

ドナ・サマー逝く…

思い出話をさせて下さい。


朝電車の中でツイッターを見るのが習慣的になっちゃてるのですけど、今朝いつものようにツイートを見始めたら「追悼ドナ・サマー」の文字。何それ?と思ってどんどん画面をスクロールさせれば次々と出てくるドナへの追悼コメント。ホイットニーを失って3ヵ月、またしてもこんな予想外で悲しすぎる訃報に接するなんて思いもしませんでした。

私がドナを最初に聴いたのは80年代の初めごろ、バーブラ・ストライサンドのアルバム『ウェット』に収録されたデュエット曲「ノー・モア・ティアーズ(イナフ・イズ・イナフ)」によってでした。
当時はまだバーブラ以外の洋楽アーティストは門外漢で、ドナが何者かというのもよく知らなかったように思いますが、その緊迫感に溢れ、お互いのプライドをかけた火花飛び散るデュエットには非常に興奮させられました。仲間内的なデュエットでも、商業性が優先されたようなただの異色の組み合わせというのでもない、慣れ合い皆無の真剣勝負。未だに、これ以上のガチンコ勝負が聴けるデュエット作品というのを私は聞いたことがありませんです。

こうして一応ドナとの邂逅はなされたのですが、アナログ時代にドナのオリジナル作品に手を出すことはありませんでした。本格的に聞き始めたのはCD時代以降、その長時間収録という特性を活かしてカサブランカ時代の2枚組アルバムが続々と1枚のディスクに収める形でCD化されてから。今見るとわざわざブックレットの前面に「Over 70Minuts Music」と謳われているのも時代を感じさせますね。
ここで初めて聴いたのがドナの(元は)2枚組LPのベスト盤『愛の軌跡:オン・ザ・レイディオ〜グレイテスト・ヒッツ』。発売当時新曲だった「オン・ザ・レイディオ」と先のバーブラとのデュエット「ノー・モア・ティアーズ」に挟まれたヒット曲はすべてディスコ仕様らしくノン・ストップのメドレーになっていて、一聴してその楽しさの虜に。購入当時はしばらくこればっかり聴いていたように思います。

リアル・タイムでの最初の作品と言えるのは87年にリリースされた『オール・システムズ・ゴー』。ブレンダ・ラッセル作のファンタジックなリード曲「ディナー・ウィズ・ガーシュイン」を始め、お得意のポップ・ロック系からムーディーなバラードまでバラエティ豊かな内容でしたがチャート・アクション的にはいまひとつ。本格的に再びシーンを沸かせたのは89年、当時世界的にブレイク中だったプロデュース・チーム、ストック・エイトキン・ウォーターマンのPWLと組んだアルバム『アナザー・プレイス・アンド・タイム』とシングルで大ヒットした「ディス・タイム・アイ・ノウ・イッツ・フォー・リアル」でした。このヒット以降は若干マイ・ペースな活動になっていきましたけど、それでもその歌声の輝きは衰える事がなく、昨年開催されたデビッド・フォスターのヒットマン・リターンズのコンサートでも堂々のトリを飾っての熱唱を披露。
新作のレコーディングなんて話もちらほら聞こえてきた矢先の訃報でございました。

グラミー賞5回(しかもR&B、ロック、ダンス、ゴスペルというジャンルレスぶり)、ポップで4曲、R&Bで2曲、クラブ・プレイ・チャートでは何と13曲のNo.1ヒットを放ち、普通に考えても破格の成功を収めたアーティストの一人でありますが、「ディスコの女王」という称号が何故かレッテルのように付きまとい、例えばR&B/ソウルの名盤ガイド等では完全に蚊帳の外にされるか、取り上げられても揶揄まじりの記述ばかりでおよそまともに彼女を論じているものには出会ったことがありません。…というのが一昔前の状況でしたが、ここ最近は以前のようなブラック系アーティストに対する極端なディープ・ソウル偏重主義というのもだいぶ意識改革されつつあるので、クラブ系ディーヴァの元祖として多大なリスペクトを受け始めていたのが現状。今回の訃報に際しても、多くのアーティストから彼女の死を惜しむ声が寄せられていたのが印象的でした。

吐息まじりのセクシー・シンガーとして頭角を現したドナでしたが、やはり彼女の魅力はそのレンジの広い野性的でダイナミックな歌声。
「マッカーサー・パーク」「ホット・スタッフ」「バッド・ガールズ」「オン・ザ・レイディオ」「情熱物語」「イッツ・フォー・リアル」等のシングル群は、そんなドナの魅力を端的に表した楽曲でした。
今さら彼女の作品を聴いたことがないなんて方はいらっしゃらないでしょうけど、私なりのお薦め作品をいくつかあげさせていただこうと思います。

初期カサブランカ時代の作品ではバラエティに富んだ内容が楽しい『アイ・リメンバー・イエスタデイ』、エンターテイナーとしての魅力と実力が存分に味わえる『ライブ・アンド・モア』、大ヒット曲を連発したゴージャスな『華麗なる誘惑』。レーベルを移籍した80年代以降では、クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えた高品質なブラック・コンテンポラリー作品『恋の魔法使い』、PWLとのタッグで軽やかに時代を飛び越えて見せた『アナザー・プレイス・アンド・タイム』、ヴォーカリストとしての実力を遺憾なく発揮した『クリスマス・スピリット』等々。
またシングル・ヒットの多いドナですのでベスト盤も必需品な訳ですが、オリジナル・テイストで楽しむなら前述のノン・ストップ・メドレーが楽しめる『愛の軌跡:オン・ザ・レイディオ〜グレイテスト・ヒッツ』。大容量のベストならそれぞれ2枚組の『アンソロジー』か『ゴールド』がお薦めでございます。

敬虔なクリスチャンとしても知られるドナでしたので、今は神様の身許に招かれ、安らかな眠りについていることでしょう。素敵な作品をたくさん残してくれた事にただただ感謝です。有難う、ドナ。
ご冥福を深くお祈り申し上げます。









「ノー・モア・ティアーズ」にはシングル・バージョンやダンス・ミックス等いくつかのバージョンがありますが、『ウェット』に収録されているバージョンが一番二人のヴォーカル対決に焦点を当てた作りでお気に入りです。

その昔HP時代に最初にドナについて書いた記事です。
記事というより、シングル・ジャケット等多数載せてますのでそちらをお楽しみ下さい→http://www1.ocn.ne.jp/~suzuenta/donna.htm
posted by Suzu at 00:30| Comment(4) | TrackBack(0) | ドナ・サマー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月13日

ゴールデンウィークは映画を…。

お天気の悪かったゴールデン・ウィーク、何だかんだと映画ばかり見て過ごしてしまいました。せっかくなのでおまとめ〜。

『ソーシャル・ネットワーク/The Social Network(10年)』

ジェシー・アイゼンバーグ主演、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク共演、フェイスブック創立者のマーク・ザッカーバーグがフェイスブックを立ち上げた経緯とその後の過程を描く実話ベースのドラマ。ハーバード大学在籍中のマークは彼女に振られた腹いせに女子学生を評価するサイトを作成するがこれが大問題に。その技術力に目を付けた上級生から学内の出会い系サイトの製作を依頼されるが、マークはこれに想を得て学生の交流サイトを立ち上げる…というお話。
フェイスブックという時代のイコンがどのように生まれたかという過程を興味深くスリリングに見る事が出来ました。実際の成り行きはこれほどセンチメンタルな物語ではないようですけど、映画としてはこのほうが登場人物に感情移入しやすいんですよね。ジャスティンを初めて「俳優」として見れたのもの収穫(smile)。面白かったので後でDVDを買ったのですけど、双子のウィンクルボス兄弟が一人の俳優の顔を別の俳優の顔に合成して作られている事に吃驚!こういう映画でそんな技術が使われているとは。




『シャッター・アイランド/Shutter Island(10年)』

レオナルド・ディカプリオ主演、ベン・キングズレー、マーク・ラファロ共演のミステリー大作。精神異常の犯罪者ばかりを収容するシャッター・アイランドのアッシュクリフ病院(刑務所)で受刑者の女性が密室から忽然と消える事件が発生、家族の間で起こった悲劇のトラウマを抱えるテディ連邦保安官は島の異常な状況に翻弄されながら真相にたどり着こうとするが…というお話。
こういうの意外と冴えてる私なんですけど(smile)、最近こっち方面から遠のいていたのですっかり頭がサビつき謎解き出来ず。真相が明かされてあぁそっち系の話だったのかぁという白旗状態でした。常時ミステリーに接してる方なら、もう冒頭からおかしいと思うはずです…ってこれもヒントになっちゃうのかな。日本が誇る幻想小説の古典のプロットにツイストが利かせてある展開。二度見てあちこちに散りばめられた伏線を探すのも楽しい作業かもしれません。レオ様も額にしわを寄せての大熱演です。




『ザ・ファイター/The Fighter(10年)』

マーク・ウォールバーグ主演、クリスチャン・ベール、メリッサ・レオ共演、プロボクサーであるミッキー・ウォードが世界タイトルに挑戦することになる顛末を兄ディッキーや家族との関係を軸に描く実話ベースのボクシング・ドラマ。プロボクサーのミッキーはトレーナーを務める自堕落な兄ディッキーと母の組んだ無理な試合で負傷。ボクシングを止める決意をするが、兄を麻薬中毒者として扱った屈辱的なドキュメンタリーTVを見たことで一念発起、再びグローブをはめる決意をする…というお話。
ミッキー・ウォードの大ファンであるというマークが製作も務めて完成させた渾身の一作。マークの役作りも相当なものだと思うんですけど、もう全てを持っていっちゃたのが自堕落な兄を演じたクリスチャン・ベール。実在のディッキーも見ましたけどもう乗り移ったかのようななりきり演技。とてもバットマンと同じ人とは思えません。この人もカメレオン俳優の一人ですよね。メリッサ・レオ、エイミー・アダムスも好演するなかで、賞レースではマークだけ蚊帳の外に…無念。




『マイ・ブラザー/Brothers(09年)』

トビー・マクガイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマン出演、戦争の起こした悲劇に翻弄される家族の絆を描く人間ドラマ。海兵隊員のサムは妻グレースと娘2人を残してアフガニスタンへ出兵するが、そこで囚われの身に。家族には戦死と伝えられ、残された家族を献身的に支えたのがやっかいものだった弟トミー。トミーとグレースらに家族としての絆が生まれた頃、戦地から心に大きな傷を抱え別人のようになったサムが戻ってきて…というお話。
…つらい話です。亡くなったと思えば尽くしてくれるトミーに心が揺らぐグレースの気持ちもわかるし、兄の代わりに家族を守らなきゃと思うトミーの気持ちもそりゃそうだし。家族のために辛すぎる選択をして生きる道を選んだサム、帰ってきてみたら妻と弟に不貞の匂い…それは心も壊れますよね。そのあたりの心情をトビー、ジェイク、ナタリーが上手く演じています。結局家族が再び絆を取り戻すことが暗示されるラストですが、それでも待っているのはいばらの道…つらい話です。




『世界侵略:ロサンゼルス決戦/World Invasion: Battle LA(11年)』

アーロン・エッカート、ラモン・ロドリゲスら出演のSFアクション映画。宇宙より隕石状の飛来物が次々と地球上へ落下。これは地球の資源を求めた異星人の侵略で、その強大な戦闘能力で各都市を壊滅状態へ追い込んでいく。海兵隊の小隊がサンタモニカの警察署に孤立した民間人を救出する作成を命じられて現地へ。そこからの脱出する道程で、敵の中枢となる母船を発見する…というお話。
感動のSFアクション超大作!なんて決まり文句の宣伝がされたようですが、ようは相手が異星人というだけの戦争映画。空爆に地上戦と確かに破壊力は凄いけどこちらの想像を超えるような未知の能力と言うわけではなく、イラクやアフガニスタンで繰り広げたであろう米軍の戦いの姿を延々と描いています。確かに国(世界)のために戦う姿には共感出来るし休む間もなく次の戦いの準備を始める兵士の姿に感じるものはあるけど、これって何かの宣伝映画?って思っちゃう。何だか、後味よろしくないんです。兵士役で歌手のニーヨが出演してました。




『ゴースト もう一度抱きしめたい/Ghost(10年)』

松嶋菜々子主演、ソン・スンホン、樹木希林共演、言わずと知れた80年代の大ヒット映画『ゴースト〜ニューヨークの幻』のリメイク作品。会社社長の星野七海は韓国人の陶芸家キム・ジュノと恋に落ちる。幸せな生活も束の間、七海は事件に巻き込まれて帰らぬ人となるがゴーストとなって地上に留まり、危険が迫るジュノを助けながら、事件の真相にせまっていく…という男女逆転ながらお馴染みのお話。
もうね、これはある意味凄い映画です。ここまでヒドいと逆に一見の価値はあるかも。誰一人、あの希林さんでさえこの作品の大いなるマイナスの力に飲み込まれちゃってる感じ。原作をなぞるだけのうすい脚本に学芸会レベルにも達してない演技…みんなどうしちゃったんでしょう?ろくろを回す松嶋さんの後から抱きしめるように手をそえるソン・スンホン、バックに流れるのは平井堅さんの歌う「アンチェインド・メロディー」…もうそのヤスさ大爆笑です。最後まさかまさかの!?って展開を匂わせるんですが、どうせだったらそのまま突き抜けてほしかったかな。稀代の迷画に花を添えられたのに…。




『借りぐらしのアリエッティ/The Borrower Arrietty(10年)』

ジブリのアニメ、でございます。小人族の少女アリエッティは父親と母親の3人で人家の軒下に住み、その家から食料や生活必需品を「借りて」て暮らす生活。人間に見られてはいけない掟のアリエッティでしたが、ある日その家に静養にやってきた病弱な少年翔に姿を見られてしまい、住みなれた家を出ていかねばならないことに…というお話。
ストーリー展開も緩やかで、いつものような環境破壊への警鐘等声高なところもなく、あぁもう終わりなの?ってぐらいあっさりと幕引きする印象。もうちょっと面白く出来たのかもなぁとは思いつつ、それでもそのゆったりとした世界感は嫌いじゃないです。これは声優陣の好演に起因するものが大きいのかも。アリエッティの志田未来を始め、大竹しのぶ、三浦友和、神木隆之介、竹下景子、樹木希林、藤原竜也等、当然の如くな声の名演をそれぞれが披露。っていうか、これアニメじゃなくてCGでも駆使してこのメンバーでの実写版を作ってよ、って感じです。役者陣の好演にアニメ本体が喰われてしまった感拭えず。希林ちゃん面白すぎだし。



予告→http://youtu.be/BZqVL8ryhJQ


『嘘つきは恋の始まり/The Last Word(08年)』

ウェス・ベントリー主演、ウィノナ・ライダー、レイ・ロマノ共演のヒューマン・コメディ。エヴァンは自殺願望のある人から要望を聴いて代わりに遺書を執筆する「遺書代筆業」を生業とする青年。亡くなった顧客の葬儀に立ち会った際、ひょんな事からその妹のシャーロットと知り合いになり惹かれ合う二人。兄の遺書を代筆したことを言い出せないエヴァンはシャーロットに嘘を重ねることになるが、いつしかその嘘がほころび始め…というお話。
邦題にしても宣伝文句にしてもラブ・コメディ扱いですが、どちらかと言えば死に向き合わねばならない人々の苦しみや懊悩を描いたヒューマン・コメディといった感じです。困惑しながら彼女の魅力に惹かれ、また彼女や新たな顧客アベルとの関係から自身の仕事の是非を問うことになる主人公をウェス・ベントリーが飄々とした雰囲気で好演。安易なハッピー・エンドに収めず、あぁそこに落とすのね、といったラストもなかなか味わいが合っていいかも。お久しぶりウィノナも一筋縄ではいかなそうなヒロイン(?)にぴったりです。




『サンクタム/Sanctum(11年)』

リチャード・ロクスバーグ、ヨアン・グリフィズら出演の洞窟サバイバル・アドベンチャー。パプアニューギニアの密林地帯の奥にあるエサ・アラ洞窟を調査している探検家のフランクとそのグループ。スポンサーである富豪のカールが合流した後、巨大サイクロンに見舞われた影響で洞窟入り口が塞がれて通行不能に、一行は別の出口を求めて洞窟内と地下水路を探索することに…というお話。
洞窟物っていうと思い浮かぶのはホラーですけど『ディセント』と『地獄の変異』でしょうか。3作品に共通するのは天変地異や事故で出口が塞がれて帰り道を断たれた一行を襲う悪夢ってことですけど、前2者で襲ってくるのはモンスターに対し、こちらは自然の脅威。といっても最終的には3つ並べても違和感のないお馴染みの展開になだれ込んでしまうのですが…。結局この映画、ジャームズ・キャメロンが改良したというフュージョン・カメラ・システムというのを使って水中3D映像を撮りたかっただけなのかも。アトラクション気分で映画館で見たらもっと楽しめたのかなと。若干閉所恐怖症気味の私としては嫌な映画でした。



予告→http://youtu.be/YrM443OhCho


『シャーロック・ホームズ/Sherlock Holmes(09年)』

ロバート・ダウニーJr主演、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス共演のアクション冒険談。19世紀のロンドン、黒魔術の儀式のために次々と若い娘を犠牲にするブラックウッド卿がホームズの活躍により逮捕され絞首刑に。しかし死亡が確認され墓に葬られたはずの卿が蘇り、再び殺人を犯しある計画を遂行し始める。ホームズとワトソンはその計画を阻止出来るか…というお話。
直接の原作がドイルの小説ではなくコミックスであるため、ここでのホームズは賭けボクシングに出場してしまうような粗野で武術に長けた奇人として登場。ワトソンもジュード・ロウがやってるくらいですから切れ者医師にコンバートされています。アクション・シーン満載でアメコミ・ヒーロー物なみの単純な冒険活劇にも出来たところを、ホームズの看板を掲げているだけにきちっと謎を謎のままにせず、すべてが科学的な裏付けに基づいたトリックであることを示して見せる展開が好きかも。あまりにも鮮やかに解いて見せるのでミステリーとしての印象が薄くなってるのが難かな?



予告→http://youtu.be/eIyr3EoLhaY
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2012年05月12日

オリー・マーズ『イン・ケース・ユー・ディドント・ノウ』(11年)

Olly Murs:In Case You Didn't Know(11年)

私、ポップスが好きなんです。

何て書き出しにしてみましたけど、なかなか純粋な「ポップス」というジャンルで良質なものを聴きたいと思っても難しい世の中で。
アメリカの音楽は今やたいていHIP-HOPかR&Bの影響を受けてますし、じゃなければカントリー。
ポップスって日本の歌謡曲みたいなもので色んなジャンルを吸収して成り立っていますから、例えばカーペンターズだってアバだって単なるポップスの括りでは収まらない訳ですけど、「イエスタデイ・ワンス・モア」や「ママ・ミア」みたいな王道ポップスをたまには聴きたいなぁなんて思ったりするわけです。
そんな時によりどころとするのが英国。今までも色々取り上げてますけど、この国には独自のポップス文化というのが根付いていて、いつの世にも「ポップ」であることを至上とするスターが生まれてるんですよね。

でまぁ、オリー・マーズ。

2010年の英国版「Xファクター」に出場して準優勝に輝いた男性ソロ歌手でございます。
(同じマーズですけどブルーノ・マーズとは一切関係ありません、念為。)
日本だと正直Xファクター自体が放映されていませんので、そこから生まれたスターたちも馴染みが薄ければ知名度も低いのは当然のこと。レオナ・ルイスやワン・ダイレクションのように米国でブレイクしたりすれば話は違ってきますが、人気が欧州に留まっているとどんな音楽をやっているのかさえわからなかったりしますよね。
このオリーさんもちらちら見かけていましたがなかなか音を聴く機会がなく、お取り寄せしてみようかなーと思ってた矢先に折よく中古を見つけたのでゲット。

これがなかなかいいんですよー。

冒頭を飾るNo.1ヒットの「ハート・スッキプス・ア・ビート」。
レゲエっぽいリズムのポップ・ソングですけど、サビ前のスクラッチからテイストを変えてそこにそんなマイナーな良いメロディー持ってきちゃうんだ〜っていう意外性のある構成。
あちらで人気があるというラップ・デュオのリズル・キックスをフューチャーしてHIP-HOP色もプラスされており、そのゴタ混ぜ感がカラフルな印象を与える楽しい1曲になっています。
セカンド・カットでこちらもNo.1になった「ダンス・ウィズ・ミー・トゥナイト」は、変則的なモータウン風ビートにショウビズ調を加えたこちらも楽しい作品。落ちのあるPVも面白いですけど、Xファクターのステージでミス・ピギーと共演したテイストのほうがこの曲の持ち味に近いような気がしますね。
メランコリックなバラード「ディス・ソング・イズ・アバウト・ユー」、マイナー&シリアス系の「オン・マイ・クラウド」等もありますけど、全体的にはどこかのどかで無邪気な空気感のあるハッピー・ソングが並んでいて、オリーの近所の気のいいお兄ちゃん的なキャラクターも併せ、癖になる楽しさのある1枚になっています。

米国ではまだブレイクに至っていないんですが、何とこの5月からワン・ダイレクションと一緒に全米ツアーを行ってしまうんですって。ぜひぜひ黄色い声援部隊の一部をもぎ取って、自身の糧にしてもらいたいなぁと思いますです。

チャートデータ(UK)
アルバム 1位
シングル
「Heart Skips a Beat」:1位
「Dance With Me Tonight」:1位
「Oh My Goodness」:13位



「Heart Skips a Beat」→http://youtu.be/PkGUHgdaRq4

サービス・ショット…にはならないかな?(smile)。デビュー時に自分の楽曲が1位になったら脱ぐ!とたいして有難くない宣言をしたオリー。で見事デビュー・シングルが1位獲得で披露した姿です。
olly naked.jpg
ま、お茶目さんですよね。
わかりにくいですけど引っかかってるのは帽子です(smile)。


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