2012年06月24日

ポール・ジャバラ 『ザ・サード・アルバム』(79年)

Paul Jabara:The Third Album(79年)

そんな訳でポール・ジャバラさんなんですけど。

ドナが亡くなった際アレサ・フランクリンもあの「ラスト・ダンス」を忘れられる?とコメントしているように、ドナの人気曲アンケートでもとれば必ず首位争いを繰り広げるであろう「ラスト・ダンス」。
そして前回熱語りをしてしまったバーブラ・ストライサンドとのデュエット曲「ノー・モア・ティアーズ(イナフ・イズ・イナフ)」。この2曲のコンポーザーというだけでもドナ・サマーの歴史に偉大な足跡を残したと言っていいポールさんな訳ですが、実はあまり目立ってませんけど、スタジオ録音におけるドナ・サマーとの共演曲が3曲もあるのです。

カサブランカから77年〜79年の間にリリースされた3枚のポールさんのリーダー作品に1曲ずつ収録されていて、ファースト・アルバムの『シャット・アウト』に同名タイトル曲、セカンド・アルバムの『キーピング・タイム』に「サムシングス・ミッシング」、そして『サード・アルバム』に「ネヴァー・ルーズ・ユア・センス・オブ・ユーモア」という具合。それぞれYou-Tubeに音源がアップされているので以下お聞きいただきたいと思います。



「SHUT OUT」
ドナのハイトーン・ヴォイスと得意の語りをフューチャーしたエンターテイメント型ディスコ・ナンバー。




「Something's Missing In My Life」
カレン・カーペンターやマーシャ・ハインズの歌ったバージョンでも知られるナンバーをドナがゴージャスに歌いあげたバラード。




「Never Lose Your Sense Of Humor」
冒頭に「Foggy Day」が流れますがドナが登場する部分から同曲がスタート。ほんのり哀愁系メロディーも漂わせるディスコ・ナンバー。最後にして一番デュエットらしい仕上がり。


でもってそういえば…と家に積まれてるCDを漁ったら出て来ましたポールさんの『サード・アルバム』。新古品が安かったので購入し、そのままツンドク状態だったのですけど、せっかくなので今回初めて開封してみた次第です。

タキシードでキメたポールさんの横に並ぶウェディング・ドレスの女性、ジャケットが小さいのでわかりづらいですけど、実はこれもポールさんなのです。

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レコードA面は、朝を告げる一番鶏の鳴き声からウェディング・マーチ等もモチーフに取り込んだ「ディスコ・ウェディング」、そして仲良く飛行機でプエルト・リコへ新婚旅行に出かける様子をジェット・ストリーム風に綴った「ハネムーン・イン・プエルト・リコ」、そしてプエルト・リコで熱い初夜を迎えた後、突然始まった大喧嘩で離婚に至ってしまう「ディスコ・ディポーズ」の3曲による悲喜劇メドレー。



こんな事を言っては語弊があるかもしれませんけど、ディスコならではのお馬鹿コンセプト(smile)。しかも新郎、新婦、機長、フライトアテンダント等出てくる登場人物をジャケのコスプレよろしく全てポールさん一人で演じ分けております。

B面はスタンダードとは同名異曲ながらスタンダード風の「フォギー・デイ」に始まり、ドナをフューチャーした前述の「ネヴァー・ルーズ・ユア・センス・オブ・ユーモア」、そしてAOR調のバラード「ジャスト・ユー・アンド・ミー」という3曲。AB面通しても全体では30分に満たず、このあたりもディスコ時代ならではのお手軽さと言ったらお叱りを受けるでしょうか。

ドナとのデュエット曲の題名がそのまま彼の信条と言えるかもしれませんけど、自身の作品の表現にユーモア感覚を大切にしていたというポールさん。実はこのアルバム・ジャケットも、3枚目のアルバムと言うことにかけて、大好きなバーブラ・ストライサンドの『サード・アルバム』のジャケットをそのまま再現したりしているのです。

見ても聴いても忘れられないダンス・クラシックのひとつ、ウェザー・ガールズの「ハレルヤ・ハリケーン」もそういえば彼の作品ですし、ダイアナ・ロスがワーク・アウトに興じた「ワーク・ザット・ボディ」等も個人的には忘れられない楽曲。ホイットニー・ニューストンを初めてリード・ヴォーカルに抜擢してレコーディングさせたのも実は彼なのです。

惜しくも92年にエイズで他界してしまったポールさんですが、その作品は永遠に私たちを楽しませてくれることでしょう。一昨年リイシューされたこの『サード・アルバム』のライナーに、彼を失った事はつらい出来事でしたとコメントを寄せていたドナも彼の下に旅立ってしまいました。今頃天国でドナに、君ももう来ちゃったの?早いよーなんて言いながら、ねぇ、この新曲どう?なんて、やってるかもしれませんね(smile)。

最後にライナーに載っていた、ポールさんが80年にソングライター・マガジンのインタビューに寄せた言葉を紹介させていただきます。
「僕は音楽を愛し、劇場を愛し、映画を愛している。僕の仕事は僕を最高の幸せに導いてくれるんだ。これが僕の愛、僕の人生、僕の生きる目的なんだよ。」

チャートデータ
アルバム
チャート入りなし
シングル
「Never Lose Your Sense Of Humor」:チャート入りなし
「Disco Wedding」;チャート入りなし



馬鹿値ですけど、当時19才のホイットニーが歌う「エターナル・ラブ」が収録されたアルバム。ウェザー・ガールズにリータ・ギャロウェイと好事家にはたまらない人選。

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2012年06月22日

メリッサ・モーガン『ドゥー・ミー・ベイビー』(86年)

Meli'sa Morgan:Do Me Baby -Expanded Edition-(86年)

メリッサ・モーガンが86年にリリースしたデビュー・アルバムでございます。

一時期希少盤化してましたけど数年前に一度リイシュー。今年になってチェリー・ポップ参加のSoul Comレーベルからボーナス・トラック7曲収録のリマスター仕様で再発売されました。
86年と言えばホイットニーのデビューアルバムがリリースされた翌年(実はメリッサ、ノンクレジットでこのアルバムのカシーフ・プロデュース曲に参加してるそうです)。当時ホイットニーのデビュー・アルバムは相当に聴きこんだものでしたが、それと共ににわかに自分の中でクローズ・アップされていったのが若手の女性R&Bシンガーという「ジャンル」でした。ホイットニーみたいな歌がもっと聴きたい!という思いから触手を伸ばしていったのが、ミキ・ハワードでありメリッサ・モーガンだったのですが、そんな中でもメリッサのこのアルバムは特にお気に入りでよく聴きましたし、自分の中ではホイットニーの裏ライバルとしての位置づけも勝手に確立。カシーフが参加した87年のセカンド『ラブ・チェンジズ』も愛聴盤でしたし、90年の『レディ・イン・ミー』、92年の『スティル・イン・ラブ・ウィズ・ユー』も充実した内容の好盤でございました。

ただし残念ながらこれ以降ふっつりとアルバムのリリースが途絶える事に。セールス的な伸び悩みがあったのは事実ですけど、彼女のような素晴らしいシンガーが作品を発表する場がないなんて、本当に悲劇ですよね。05年になって突如復活作『アイ・リメンバー…』を発表。当時と変わらぬ美貌と歌声を披露してくれたのは嬉しかったのですが、それだけにその失われた10数年の「もったいなさ」を痛感させられた気もいたしましたです。

そして本作。やっぱり何度聴いても素晴らしいですよね。

ハッシュ・プロダクションらしいNY派の華麗で洗練されたサウンドが敷き詰められた本作。プロデュースには自身もシンガーとして活動しているルセット・ウィルソンやハッシュの花形ポール・ローレンス等が参加しています。
楽曲はHIP-HOP世代にはジェイ・Z&メアリー・J・ブライジ「キャント・ノック・ザ・ハッスル」のネタ曲としても有名だといううねりのあるミディアム・グルーブ・ナンバー「フールズ・パラダイス」、アーバン・コンテンポラリーな魅力溢れる滑らかなメロディーが心地いい「ハート・ブレイキング・デシジョン」、しっとりとした哀感の漂うスロウ「ドゥー・ユー・スティル・ラブ・ミー?」、高速ビート・ナンバーの「アイル・ギブ・イット・ホエン・アイ・ウォント・イット」、プリンスの直球性愛バラードをふくよかに歌い上げたタイトル曲でR&BNo.1ヒットの「ドゥー・ミー・ベイビー」、チャカ・カーン系譜のメラメラと燃え上がるヴォーカルが堪能出来る派手目のアップ・ナンバー「ゲッティング・トゥ・ノウ・ユー・ベター」、ラウンジ・タイプの穏やかなバラード「ナウ・オア・ネバー」、細かな打ち込みビートで軽やかに駆け抜ける「ライズ」等全8曲。

昨今のR&Bは、バラードにしても何だか音数が多くてせわしない印象を受けるんですが、この頃の楽曲はゆったり構えているというか、音の密度が詰まってなくて大らかな印象。
メリッサのちょっとスモーキーで温かみのある伸びやかな歌声が、こういう空間の広いメロディの中を心地よく泳いでいく様はまさに耳の御馳走、至福の時間でございます。

ボーナス・トラックは「ドゥ・ミー・ベイビー」「フールズ・パラダイス」「ゲッティング・トゥ・ノウ・ユー・ベター」のシングル・ミックスやインスト、12インチ・バージョン等の他に、エディー・マーフィーの主演映画『ゴールデン・チャイルド』のサントラ収録曲だったダイアン・ウォーレン作の「ディーパー・ラブ」が2種のバージョンで収録。「ディーパー・ラブ」は初めて聴いたように思いますが、サントラ曲らしく明朗な印象のポップ・ナンバーになっています。

アルバムのクレジットを見ると、メリッサはカバー曲以外全曲のソングライトにも参加、シンセサイザーの演奏やプロデュースにも名を連ねており、実に才色兼備なシンガーだったんだなぁと改めて思わされました。
またあの燃えるような素晴らしい歌声が聞きたい、そう感じているのは、私だけじゃないですよね?

チャートデータ
アルバム
Pop 41位/R&B 4位
シングル
「Do Me Baby」:Pop 46位/R&B 1位
「Do You Still Love Me?」:R&B 5位
「Fool's Paradise」:R&B 24位
「Heart Breaking Decision」:チャート入りなし
「Deeper Love」:R&B 74位




メリッサの最近のライブの模様です。お姿は多少変われど歌声はパワー・アップ!

Do You Still Love Me? →http://youtu.be/4juElYdBrX4



過去のある女。メリッサはアリソン・ウィリアムズ、エリック・マクリントンと共にハイ・ファッションというグループを組んでおりました。こちらは度々リイシューされる82年発表の人気盤『フィーリン・ラッキー・レイトリー』。

posted by Suzu at 22:45| Comment(3) | TrackBack(0) | R&B系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月20日

ドナ・サマー『愛の軌跡 ドナ・サマー グレイテスト・ヒッツ』(79年)

Donna Summer:On the Radio Greatest Hits Volumes I & II

79年10月にリリースされたドナ・サマー初の公式グレイテスト・ヒッツ。

前回触れましたけど、4作品連続での2枚組LPとしてリリースされ、全米1位を獲得した大ヒット作でございます。
新曲2曲をA面1曲目とD面に配し、残りをこれまでのヒット曲のノン・ストップ・メドレーで構成した本作。

私ごとですが初めて聴いたドナの作品がこのアルバムのCD盤でしたが、CDだとさらにそれぞれの面のつなぎ目がなくなって、さながら70分の一大メドレーを聴いているような錯覚に陥るんですよね。小気味よく繰り出されるキャッチーなヒット曲の数々が楽しくないわけがなく、購入当時はしばらくこのCDばかり聴いていたように思います。その後色んなベスト盤が出ましたけど、オリジナル・アルバム・テイストで楽しめるという点でもこの作品は出色。ドナ・サマーをこれから聴いてみようなんて方がもしいらっしゃったら、私は迷わずこのCDをお薦めしたいと思います。

新曲はジョルジョ・モロダーが音楽を担当した映画「フォクシー・レディー」のサントラにも収録され、本盤のタイトルにもなっている「オン・ザ・レイディオ」と、バーブラ・ストライサンドとのデュエット作品「ノー・モア・ティアーズ(イナフ・イズ・イナフ)」の2曲。

「オン・ザ・レイディオ」は「ラスト・ダンス」や「ディム・オール・ザ・ライツ」等の系譜に属するロマンティック・タイプのディスコ・ナンバーで、恋人が自分に宛てた手紙が何故だかラジオで読まれて吃驚という可笑しなシチュエーションの曲ですけど、スローからアップにという鉄板の構成が生きたドナの忘れられない代表曲のひとつ。
本盤にはオープニングの通常バージョンとラストのロング・バージョンの2曲が収録されています。





そしてもう1曲がこの作品のハイライトと言うべきバーブラ・ストライサンドとのデュエット曲「ノー・モア・ティアーズ(イナフ・イズ・イナフ)」。
この曲は作者であるポール・ジャバラの尽力なくして生まれなかった作品といっていいかもしれません。

70年代初頭からミュージカル俳優として活躍していたポール・ジャバラはシンガーソングライターとして当時カサブランカ・レコードに籍を置き、歌手活動も行っていました。
そんな彼に舞い込んできたのが当時映画界に乗り出そうとしていたカサブランカ・レコードがモータウンと共同出資で企画した映画『サンクス・ゴッド・イッツ・フライデー』への出演と楽曲提供でした。彼の作った「ラスト・ダンス」は同じく出演者でありレーベルメイトであるドナ・サマーが歌い大ヒット。ドナ・サマーはこの曲でグラミー賞を受賞し、ポールも作者としてアカデミー賞の最優秀主題歌賞を受賞する大成功を収めます。

一躍注目のライターに躍り出たポールにさらなる大物からの楽曲提供依頼が舞い込みます。それは子供の頃からの彼のアイドルであるバーブラ・ストライサンドからのものでした。自分が主演する映画の主題歌を書いてほしいという依頼に天にも昇る気持だったというポール、バーブラの家に曲を持っていく段になってもまだ現実の事と信じられなかったそうです。彼はバーブラの気に入りそうなバラード・タイプの曲とアップ・テンポのバージョンの2つを用意して持って行ったそうですが、意外にもバーブラが選択したのはアップ・テンポのバージョン。これが件の「メーン・イベント/ファイト」で、このゴージャスなディスコ大曲は79年夏にチャートの3位まであがるヒット曲になり、ポールはバーブラの信頼を勝ち得る事にも成功します。
(ちなみにメイン採用とならなかったバラード・バージョンのほうもサントラには収録されています。)

そんな二人のディーヴァとのコネクションを持ったポールは、何とも大胆なことにこの二人をデュエットさせようという計画をぶち上げます。書き上げた曲「イナフ・イズ・イナフ」を話の流れとしてはまずドナ側に聴かせて賛同を得、さて次にバーブラへ。どういう風にバーブラに企画を持ちかけドナと引き合わせるかを思案しているところに、バーブラ主催の昼食会があることを知ったポールはここで一計を案じます。バーブラの家に電話をかけ、バーブラの息子ジェイソンに昼食会へ友人を連れて行ってもいいかお母さんに聴いてほしいと頼んだのです。もちろんその友人はドナ・サマー。
ドナの大ファンだったジェイソン(これ、きっとポールは知っていたんでしょうね)は大興奮。こうして昼食会にドナを連れていくことに成功したポールはこれをきっかけに二人のデュエット企画を推し進めていくことになります。

CBSとカサブランカという所属レーベルの違う二人、しかも両者の看板スター同士の共演ですからこの企画が正式にまとまるまでには相当の苦労があっただろう事は想像に難くないのですが、とにかくこの世紀のデュエットは実現することに決定いたしました。

GOサインが出てからの有名な逸話としては二つ。
当時バーブラは後に『ウェット』と題されて発売される水、雨、涙等の濡れ物をコンセプトにしたアルバムの制作にとりかかっており、「濡れ物」に関係ないこの楽曲はアルバムの収録を見送るという事になりそうだったらしいのですが、どうしてもアルバムに収録してもらいたかったポールは曲の題名を「イナフ・イズ・イナフ」から「ノー・モア・ティアーズ(イナフ・イズ・イナフ)」と変更し、曲の頭にバーブラ好みのバラード・パートを追加、歌詞も「雨が降ってるわ、土砂降りよ…」と「涙」と「雨」を盛り込んで見事にこの課題をクリアしてアルバム収録にこぎつけたんだそうです。

また楽曲を聴いていただければわかるように、とにかくバーブラとドナ、お互いのプライドと意地をかけたガチンコの歌合戦が繰り広げられているのですけど、リハーサルかレコーディングの時、ひとつの音をバーブラより長く保てないドナは、それでも何とかバーブラについて行こうと無理して声を出し続け、めまいを起こして腰かけていた椅子からすべり落ちてしまったらしいのです。で、それを見ていたバーブラが大丈夫?と声をかけたとかなんとか。このデュエットは別々に録音されたと言われていたのでスタジオも別かと思っていましたけど、同じブースに入って歌うということはなかったにせよ、同じスタジオで顔を合わせる機会はあったみたいですね。
お互いにそれぞれの存在に脅威を感じ、しかも何故相手が自分に脅威を感じてるのかわからないみたいだったというのが当時のスタッフの弁。





こうして完成された楽曲は、バーブラのオリジナル・アルバム『ウェット』とドナの『グレイテスト・ヒッツ』に収録され、シングルは米国では7インチ盤がCBSから、12インチ盤がカサブランカから発売され、外国ではその逆にという住み分けでリリースされることになりました。
最近では大物同士のコラボなんて珍しくもありませんけど、当時はまだそういう事が頻繁には行われていなかった時代。しかもポップスに進出していたとは言えポピュラー畑のバーブラとディスコ・クイーンのドナの共演なんて仰天もののインパクトだったのではないでしょうか。しかも出来上がってきたのはお互いの火花がスパークしあうスリリングな超ド級の一大エンターテイメント作品。

もちろんこの話題のデュエットは発売と同時に大ヒットとなり、バーブラとドナにとってそれぞれ4曲目の1位獲得曲となります。

この楽曲には大きくわけて3つ、シングル・バージョンとバーブラのアルバム『ウェット』に収録されたエクステンディッド・バージョン、そしてドナのアルバムに収録&12インチ発売された一番長尺なダンス・ミックス・バージョンが存在します。シングル・バージョンはせっかくのディーヴァ決戦を堪能するにはあまりにも短すぎ。

必然的に聴くならそれぞれのアルバムに収録されたバージョンになるのですが、素直に二人のヴォーカル対決に焦点をあてたバーブラの『ウェット』バージョンが個人的には一番のお気に入りです(↑がそれ)。

ドナのアルバム・バージョンはよりディスコのフィールドに近づけるべくビートや効果音的なものをプラス、『ウェット』バージョンにはないメロディー・パートも追加されたりとさらに派手な仕掛けが施されていて楽しいは楽しいのですが、どーも、バーブラの録音レベルを下げ気味にしてあったりと色々バランスが悪いんですよね。バーブラ・ファンの色眼鏡かもしれませんが、まっこう対決では歩が悪いと判断したカサブランカ側の差し金か?なんて事も思ったり。そんなことしなくても充分ドナが素晴らしいのは『ウェット』バージョンが証明しているところなんですけれど。

『ウェット』でしかこのバージョンを聴けないのが残念なのですが、ドナ・サマーのファンの方も一度はこちらのバージョンを聴いてみていただきたいと思います。

ディスコ・クイーンとして君臨し、数々の偉業を成し遂げたドナはこの『グレイテスト・ヒッツ』で鮮やかに70年代とディスコ時代を締めくくり、来たる80年代に乗り出していくことになります。その道のりは決して平坦なものにはならない(というか激動を極めることになる)のですが、それは次回以降で。

※文中の「ノー・モア・ティアーズ」についての逸話は「ビルボードNo.1ヒット」やバーブラの伝記等から引用しました。誇張や事実との相違等もあるのかなぁと思います。


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※2枚組で発売されたのにわざわざVol.1、Vol.2としたのはそれぞれ1枚物としてもリリースされたため。
※「ノー・モア・ティアーズ」の当時の日本盤は「30センチ(45回転)ジャンボ・シングル」という表記。まだ12インチという言葉は一般化してなかったんですね。




こちら、You-Tubeで見つけたのですが、一緒に歌ってます…かね?


On the Radio: Greatest Hits Volumes I & II

A-1 On The Radio
A-2 Love To Love You Baby
A-3 Try Me, I Know We Can Make It
A-4 I Feel Love
A-5 Our Love

B-1 I Remember Yesterday
B-2 I Love You
B-3 Heaven Knows
B-4 Last Dance

C-1 MacArthur Park
C-2 Hot Stuff
C-3 Bad Girls
C-4 Dim All The Lights
C-5 Sunset People

D-1 No More Tears (Enough Is Enough)
D-2 On The Radio (Long Version)

チャートデータ
アルバム
Pop 1位 / R&B 4位
シングル
「No More Tears (Enough Is Enough)」:Pop 1位 / R&B 20位
「On The Radio」:Pop 5位 / R&B 9位





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2012年06月17日

And I Am Telling You I'm Not Going

And I Am Telling You I'm Not Going

小ネタですけど。

毎年アメリカン・アイドルのフィナーレには豪華なゲスト・パフォーマーが出演して、ファイナリストと一緒になってパフォーマンスするのが恒例になっています。

今年もCCRのジョン・フォガッティを筆頭に、ニール・ダイアモンド、チャカ・カーン、リーバ・マッキンタイヤ、ファンテイジア、ジョーダン・スパークス等が登場してラスト・ステージを華やかに盛り上げてくれたのですけど、何といっても話題をさらったのがジェニファー・ホリデイ。準優勝になったジェシカ・サンチェスがトップ4のパフォーマンスの際「And I Am Telling You I'm Not Going」を歌ったのを受け、ラスト・ステージでご本人登場、ジェシカと共にデュエットを披露いたしました。

…が、まぁこれがもう、凄すぎて大爆笑の域(smile×4)。見ていただければわかりますけど、もう完全に主役はジェニファー・ホリデイ。確かに胸を貸してる雰囲気はありますけど、必死に食らいつくジェシカをなぎ倒してノック・ダウンしちゃっております。このパフォーマンス、アメリカン・アイドルの公式You-Tubeと言うのがあるのですが、ラスト・ステージのパフォーマンスの中ではひとつだけ桁違いのアクセス数を記録中。相当のインパクトがあった模様です。

ご存じのようにこの曲はブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』から生まれた曲で、劇中でもショー・ストッパーとなり、82年にシングル発売されてビルボードのR&Bチャートで1位を獲得。オリジナル・キャストでこの曲を歌ったジェニファー・ホリデイはトニー賞の最優秀主演女優賞を受賞するとともに、グラミー賞の最優秀女性R&B賞も獲得する等数々の栄冠に輝いております。06年に映画化された際は何の縁か同じジェニファーのジェニファー・ハドソンがこの役を引き継ぎ、アカデミー賞を呼び込んだ見事な歌声を聞かせてくれたのも記憶に新しいところ。歌唱力をアピールするには最適のマテリアルであるため、のど自慢コンテストではここぞという時に披露される人気曲でもあります。

前にもお話しましたけど、私がこの曲を聴いたのは、90年に行われたアリスタ・レコードの15周年イベント、エイズのチャリティーも兼ねた記念コンサートが最初でした。これ地上波のテレビでも放映されたのですけど、巨体のジェニファー・ホリデイが出てきて、当時亡くなったばかりの『コーラスライン』や『ドリームガールズ』の演出兼振付師だったマイケル・ベネットに捧げますといってこの曲を大熱唱。もうめちゃくちゃ感動して、翌日キャスト盤を買いに走った思い出があります。本当にこの時の歌には亡くなったマイケルへの思いと魂が込められていて、私の中ではベスト・パフォーマンスのまま。比較としてのこれがあるからか、最近のジェニファーの歌はさらにパワー・アップして凄いけど、何だかちょっと違わない?って思たりもしちゃうんですよね。

ま、そんな訳ですが、今までで印象に残っているジェニファーのパフォーマンスを、自分自身の忘備録を兼ねて4つ載せておこうと思います。どれもモノ凄いのは間違いなし。どうかお楽しみ下さいませです。



82年のトニー賞受賞式でのパフォーマンス。これが原型ですね。




私が感動に打ち震えた90年のアリスタ・イベントでのパフォーマンス。鳥肌ものです。




06年か07年、新旧ジェニファーのデュエット。先輩に花を持たせるハドソンが素敵。




そしてこれが2012年5月に行われたアメリカン・アイドルでのジェシカ・サンチェスとのデュエット。もうこうなると…笑えます。
吠えるジェニファーと何とも言えない表情のジェシカの図。




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2012年06月16日

アメリカン・アイドル シーズン11終了によせて…

American Idol Season11 Final !

雑記ですけど。日本でのファイナルの放映が先週行われたので解禁ということで。

アメリカン・アイドルの今年の優勝者が決まりましたね。

若干盛り上がりに欠けているような印象も受け、視聴率的にも苦戦していたはずなんですが、最終的な投票数は1億3200万票と過去最高を記録したんだそうです。

今年の優勝者は21才の男性ロック・シンガー、フィリップ・フィリップス

フィリップはとても良い歌い手ですし彼が優勝したことに私も異論はないのですが、最近の傾向からすれば彼も苦労しそうだなぁというのが正直なところなんですよねぇ。

過去の優勝者やデビュー出来たファイナリストたちの場合、カントリーやR&B等確固たるフィールドのある歌い手はそこそこ活躍出来ているのですが、いわゆるポップ・ロック系はほとんどが伸び悩んでいる感じ。さすがに初代優勝者のケリー・クラークソンと(準優勝ですけど)圧倒的な歌唱力を誇るアダム・ランバートだけは別格という活躍ぶりですが、リー・デワイズ、クリス・アレン、デビッド・クック、テイラー・ヒックス等のロック系優勝者はメジャー・レーベルとのディールを既に失ったり失いそうだったりという状態。

アメリカン・アイドルの視聴者はティーンの女の子が多いため、投票等はどうしても見栄えのいい若い男性出場者(=ポップ・ロック系多し)に偏る傾向にあるようで、このところ男性の優勝者が続いているのにもそういった面が影響しているという噂があったりするんですね。これはWデビッド対決で沸いたシーズン7からさらに加速していったという話。

一番流動的な層に支えられて優勝したはいいものの、結局その後が続かず人気が低迷していく…という感じなのでしょうか。例に挙げるのも申し訳ないですけど、見るからに好青年で爽やかな歌声を聴かせたクリス・アレンと、「神の声域を持つ男」なんて後にキャッチ・コピーがついたほど圧倒的な歌唱力を誇りながらスキャンダラスな要素が多かったアダム・ランバート。
お茶の間の評価は当然のことながらクリスに傾きましたけど、実際は一芸に秀でているアダムのほうがその後華々しく活躍してますから、やはりこれは視聴者の人気投票のみで決まるアメアイの審査システムに問題があるのかなと思いますね。
(あ、ちなみに私クリス・アレン好きですから、念の為。)

そんな中今年は番組的にも久しぶりに女性の優勝者を!…と目論んでいたらしいのですが、蓋をあけて見れば5大会連続の男性優勝者の誕生とあいなりました。

そしてフィリップ・フィリップス。

デイブ・マシューズそっくりなんて意見もありますけど、味のある歌を聴かせてくれるシンガーなので、何とか先輩たちの轍を踏まずに大成してほしいなぁと思いますです。
デビュー曲の「ホーム」、フォーク色の強いコールドプレイみたいな曲ですが評判も上々で、アメリカン・アイドル優勝者のデビュー曲としては久しぶりにトップ10ヒットを記録。2週目あっという間にトップ40圏外に下がってしまいましたけど、がんばっていただきたいです。

その他のファイナリストたちですけど、トップ5のスカイラー・レインとトップ3のジョシュア・レデットはそれぞれカントリー、R&Bというフィールドがあり、個性のあるシンガーですので充分活躍が期待できそうですよね。そしてトップ4のホリー・キャバナもそのバービー人形のようなルックスとパワーのある歌唱スタイルを武器に活躍する可能性はあるのかなと。準優勝のジェシカ・サンチェスはやっぱりR&Bになるんでしょうか?色んな面でまだまだ未熟だなぁと思いますが、何しろ16才ですし歌唱力は今大会随一であったので、プロデュース次第でこちらも大化けする可能性は大きいように思います。
まぁ自分が見ていたシーズンの出演者はどうしても思いれが強くなるので、皆に活躍してほしいというのが本音なんですけど。

とりあえずはトップ10で回る夏のアイドル・ツアーが終わってから、各人のプロジェクトに入るのが通例。
本当にみんな、頑張ってもらいたいです。



優勝:フィリップ・フィリップス
番組出演中に8回も手術をし、途中棄権も危ぶまれたフィリップ。終了後再び手術を受けて無事快方に向かっているようです。よかった。



準優勝:ジェシカ・サンチェス
16才のジェシカ。この地味な曲が私の中ではベスト・パフォーマンスでした。
※6月22日追記:なんとジェシカ、グリーのシーズン4への出演が決定したそうです。やったね、ジェシカ!



3位:ジョシュア・レディット
この歌を聴いてると彼が優勝でもよかったかかなと…。



4位:ホリー・キャヴァナ
キャリーはこの曲。勢いがあって好きでした。



5位:スカイラー・レイン
大御所リーバに引けをとらないリトル・ダイアナマイトぶりのスカイラー!




前回優勝のスコッティ・マクリーリー、カントリーの歌い手で男性版キャリー・アンダーウッドになりそうな勢い。クリスも頑張って! そしてアーチー…。


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2012年06月14日

ドナ・サマー『華麗なる誘惑』(79年)

Donna Summer:Bad Girls(79年)

79年4月にリリースされたドナ・サマー7枚目のオリジナル・アルバム

ドナの作った記録で今後誰も超えられないだろうというものがひとつありまして、それはWアルバムのリリースに関するもの。
77年の『ワンス・アポン・ア・タイム』から79年の『オン・ザ・レイディオ〜グレイテスト・ヒッツ』まで4作連続でLPレコード2枚組による作品をリリース。しかも『ライブ・アンド・モア』『華麗なる誘惑』『グレイテスト・ヒッツ』に至っては3作連続でチャート1位を獲得するという華々しい成績を残しています。いかに当時ドナのチームがアグレッシブな活動を行い、勢いに乗っていたかがわかる事象ですよね。

前年グラミー賞の最優秀女性R&B歌手賞を受賞し、『ライブ・アンド・モア』と「マッカーサー・パーク」でアルバム・シングル共にチャート制覇を成し遂げたドナ。その勢いに乗って更なる攻勢を仕掛けたのが本日ご紹介の『華麗なる誘惑/Bad Girls』でございます。

アルバムのA、B面は従来のディスコ/ダンス路線をベースにしながらも、そこにロック、ポップ、ファンク、カントリー等の要素を盛り込んでミクスチャーに仕上げた作品集。

A面の巻頭を飾っているのは近年CM等にも使われて日本では最もポピュラリティーが高いんじゃないかと思われる「ホット・スタッフ」。下世話感満載にして大胆にロック・ビートを取り入れたワイルドな本作は、日本で言ったらアン・ルイスさんの「六本木心中」等の「踊れるロック」の源流ともいうべき1曲で、ドナに新設されたばかりのグラミー賞ロック部門の栄えある第一回の最優秀女性歌手賞を受賞させることになりました。



この受賞に関してはグラミー受賞という栄誉以上に、ロック部門でドナぁ?という当時の混迷ぶりを伝える珍エピソードとして語られる事のほうが残念ながら多いですよね。

ちなみにこの第一回のロック部門のノミネート者は他にシンディー・バーレンズ、リッキー・リー・ジョーンズ、ボニー・レイット、カーリー・サイモン、タニヤ・タッカーというSSW系やらカントリーやらとヴァラエティに富んだ面々。純粋にロックだなぁというのはボニー・レイットぐらいでしょうか。2回目からはパット・ベネターという大本命が現れるので表面的にはそれらしくなってきますけど、ノミネート者を見ると80年代中ごろまではそんなに第一回と大差はない感じ。ドナも第2回、第4回とその後もノミネートを受けていたりしています。

そしてビートを途切れさせる事なく続くのがドナの最大ヒット曲「バッド・ガールズ」。この曲は彼女のスタッフが「街の警官はドナを娼婦と同じだと言っているらしい」という噂話をドナにしたのをきっかけに生まれた曲だそうで、憤慨したドナはバッド・ガールズ、悲しい女たち、でも(それを買う)あたなたちといったいどこが違うっていうの?という痛烈な皮肉をこめて歌にしたんだそうです。
印象的なツーツー、ヘイ、ピーピーという掛け声は、クラクションを鳴らして娼婦を呼びとめる擬音をモチーフにしたもの。



でまたこの曲、発表前に当時のカサブランカ・レコードの社長ニール・ボガードが聴いて、同時期に同社に所属してディスコ路線を歩んでいたシェールに歌わせようという案もあったらしいんです。確かにシェールにもぴったりと言えばぴったりな曲。当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったドナにとっては必要がなかったかもしれませんが、いっその事デュエットなんていうのもありだったかな?なんて今の時点で想像するのは楽しかったりいたします(smile)。

ファンキーな「愛のゆくえ」、翌年リリースされたベスト盤のタイトルにもなり本作からの最後のシングルとなったマイナー調ポップスの「ウォーク・アウェイ」でA面終了。

B面は上記2曲の大ヒットに続いてチャート2位まで上った「ディム・オール・ザ・ライツ」からスタート。実はこの曲と同時期にリリースされて爆発的なヒットとなったのが件のバーブラとのデュエット「ノー・モア・ティアーズ」。同時にトップ3入りのヒットになっていましたので、もしもう少しデュエット曲のリリースが遅ければ、勢い的には充分1位も狙えていたのかなと思います。ロマンティックで少々カントリー風味もあるこの曲、もとはロッド・スチュワートのために書かれたものだそうですが、諸般の事情で見送られた模様。ドナ・バージョンは途中からディスコ・ビートが入ってきますけど、ロッドならそのままスロー・テンポをキープしての素敵なロッカ・バラードに仕上げていたでしょうかね。



余談ですがシェール、ロッドと引く手あまたなドナですけど、実際にドナの書いた曲を歌ってヒットさせたのは意外にもポップ・カントリーの第一人者であるドリー・パートン。その提供曲「スターティング・オーバー・アゲイン」はこの『華麗なる誘惑』と同じ80年にカントリー・チャートで1位を、ポップ・チャートでも36位を記録するヒット曲になっています(これも当時のドナの勢いを物語っていますね)。
「愛の旅路」「ワン・ナイト・イン・ア・ライフタイム」「今宵をともに」とA面の「愛のゆくえ」と同じくグルーヴィーなファンク・タイプの曲を並べてB面は終了

続くC面は当時のイメージからすれば驚きを持って迎えられたであろうダンスなしのバラード4連打。ピアノによる美しいイントロのメロディが印象的な「オン・マイ・オナー」に始まり、真摯に切々と歌い上げる「永遠の愛」や「オール・スルー・ザ・ナイト」、アーシーに盛り上げていく「愛しのベイビー」という美しい歌声とその実力のほどを十二分に生かした作品群を堪能することが出来ます。

そしてラストのD面は従来のディスコ・ファンの期待を裏切らないように用意されたダンス・フロア・サイド。エレクトロなビートが縦横に駆け巡る「アワー・ラブ」、全編ファルセットで歌われ「アイ・フィール・ラブ」を髣髴とさせる「ラッキー」、軽快なリズムにどこかしらチャイニーズなメロディを絡めた「サンセット・ピープル」という正にフロア・モード全開な3曲。オープニングの「ホット・スタッフ」も何となく東洋的な音使いがされていますけど、「サンセット」は舞台設定としての「バッド・ガールズ」等と併せて同一の世界観を感じさせる1曲になっています。



従来のファンも満足させ、新しい層へもアピールを行う。1枚のアルバムの中でそれをやろうとするのはなかなか難しいものですが、ダブル・アルバムという大容量収録の特性を生かし、しかもアナログ・レコードならではのセパレートされた4つの空間を使い分けることで、過去、現在、未来を違和感なく鮮やかに繋げてみせる構成が見事な本作。
手軽にCDでずらっと聴いてしまうのは、本当はイケない、と言うか勿体ないのかもしれませんね。

ちなみに03年にリリースされたデラックス・エディション盤は、『華麗なる誘惑』+12インチコレクションとしてリリースされていたアルバム『ダンス・コレクション』+αという仕様。
リリース当時、せっかくのデラックス盤なのにほとんど既発のバージョンばかりだったのでなんだよーって感じでしたが、唯一目玉トラックだったのが「バッド・ガールズ」のデモ・バージョン。ただし、多くのデモ・バージョンがそうであるように、これも珍しくて貴重だなぁという意外、あまり聞くところがないんですよね。完成バージョンと比較するとどうしても間延びした印象は否めませんから…。

R-224935-1150747540.jpgR-224935-1155954433.jpgimg1521.jpgimg1531.jpgimg1541.jpgimg1561.jpgimg1571.jpg 自前なんですよこのシングルたち…。

Bad Girls

A-1 Hot Stuff
A-2 Bad Girls
A-3 Love Will Always Find You
A-4 Walk Away

B-1 Dim All The Lights
B-2 Journey To The Center Of Your Heart
B-3 One Night In A Lifetime
B-4 Can't Get To Sleep At Night

C-1 On My Honour
C-2 There Will Always Be A You
C-3 All Through The Night
C-4 My Baby Understands

D-1 Our Love
D-2 Lucky
D-3 Sunset People

Deluxe Edition
E-1 Bad Girls(Demo Version)

チャートデータ
アルバム
Pop 1位 / R&B 1位
シングル
「Hot Stuff」:Pop 1位 / R&B 3位
「Bad Girls」:Pop 1位 / R&B 1位
「Dim All The Lights」:Pop 2位 / R&B 13位
「Walk Away」:Pop 36位 / R&B 35位


posted by Suzu at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | ドナ・サマー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月12日

ドナ・サマー『ライブ・アンド・モア』(78年)

Donna Summer:Live And More(78年)

やりかけだったドナ・サマーのオリジナル・アルバム・レビュー、少しずつ完成させていきたいと思います。

77年から78年にかけて行われた『ワンス・アポン・ア・タイム・ツアー』から、78年6月に行われたロサンジェルス、ユニバーサル・アンフィシアターでの公演を収録したライブ作品。

セクシー・ディスコ路線からより本来の姿であるエンターテイナー路線に切り替えを行っていた時期の作品で、転機となったのは自身も出演した映画『サンクス・ゴット・イッツ・フライデー』からの「ラスト・ダンス」の大ヒット。従来の浮遊感のあるウィスパー・ヴォイスから一転、野太さも感じさせる歌声で力強く歌い上げたスケールの大きなこのディスコ・ポップ作品は今まで以上の支持を集め、ドナをもう一段階上のスーパースターへ押し上げるきっかけとなります。

そしてさらなる決定打となったのが本作。アナログ・レコード2枚組、『ライブ・アンド・モア』という名前のとおりA〜C面までにライブ音源を、D面にスタジオ録音の新曲を収めると言う斬新な構成で、このスタジオ録音の部分からドナ初のポップ・チャート1位となる「マッカーサー・パーク」、続いて4位まで上がった「ヘブン・ノウズ」というヒットが生まれ、ドナ黄金時代の幕開けとなります。
ピーター・フランプトンの『カムズ・アライブ』等という例外はありますが、通常グレイテスト・ヒッツ的な選曲となるライブ盤からはヒット曲が出にくいもの。シングル・ヒットが出る事で連動してアルバムが長く売れるという傾向を持つあちらのマーケットとしては若干効率が悪いわけですが、そこで1面を削って新曲を収めればシングル・ヒットも狙いやすくなるというのは、非常によく出来たマーケティング戦略だったと思います、

まぁこの形式でヒットを放ったのは実際ドナしかいないのですけど(smile)、ディオンヌ・ワーウィックは全く同じ形式の2枚組ライブ・アルバム『ライブ・アンド・アザワイズ』をリリースしてますし、我が日本では岩崎宏美さんがその名もズバリ『ライブ・アンド・モア』をリリース、内外に影響を与えたのは間違いありませんです。

さてその中身ですけど、A面はニュー・アルバム・サイドと言うことで、リリースしたての『ワンス・アポン・ア・タイム』からノン・ストップで6曲を披露(1曲だけサードから「スプリング・アフェア」が選曲)。レコードよりもさらにテンポ・アップして語りもライブらしくヴォルテージが高め。一気にドナの世界に引き込まれます。
そしてB面はオールド・デイズ・サイド。冒頭からオリジナルのスタンダード風ナンバー「オンリー・ワン・マン」をブルース歌手よろしく熱唱するドナ。続く「アイ・リメンバー・イエスタデイ」「ラブズ・アンカインド」で聴かせるファニーなお子様声との落差は相当なものです。そしてガーシュイン等のスタンダードをメドレーで聴かせ、バーブラの「追憶」、一人娘のミミに捧げた「ミミの歌」と展開していきますが、このパートは完全に「ディスコ歌手」から「エンターテイナー」へと変貌を遂げたドナの姿を印象づけるのに成功しています。ユニセフのチャリティー・イベントでも歌われた「ミミの歌」の最後にはそのご本人ミミちゃんが登場。おやすみなさいの挨拶が、とっても可愛らしいのです。
そしてC面はヒット・シングル・サイド、「愛のたわむれ」〜「愛の誘惑」〜「アイ・フィール・ラブ」、ラスト高らかに「ラスト・ダンス」と鉄板の構成。会場大熱狂のうちに幕となります。






ライブとして非常に流れのよい構成なので聴いている分には全く違和感がないのですが、当時のセット・リストを見るとオープニングのニュー・アルバム部分はライブ後半の出だしだったり、オールド・デイズ部分は前半の最初のほうだったりと実際の曲順とはかなりバラバラ。レコード用にライブ音源を再構築した感じになっています。収録されなかった曲もけっこうあるようで、実際はLP4面ライブ音源収録でもぜんぜんイケた模様。マスターが残っていれば、ライブ部分の完全版なんてのも望んでみたいところですけど…どうですかね?

さてモアの部分は「マッカーサー・パーク組曲」と題された20分近くに及ぶノン・ストップ・メドレー作品。リチャード・ハリスの代表曲を大胆にもスケールの大きなダンス・ポップへとアレンジした「マッカーサー・パーク」、典型的なマイナー・ディスコ・タイプの「ワン・オブ・ア・カインド」、レーベルメイトのブルックリン・ドリームスと共演した「ヘブン・ノウズ」、そしてサークルを描く様にまた「マッカーサー・パーク」へと舞い戻る構成。澱みがなくスリリングでスケール感もたっぷり。これを超えるオリジナルのディスコ・メドレーがあれば教えて頂きたいというぐらい屈指の完成度を誇る組曲でございます。

ただし、この『ライブ・アンド・モア』、面白いことに一度もオリジナルのライブとモアが一緒になったCDって発売されたことがないんですよね。
CD1枚に収めるには原盤のままでは尺が足りず、下記にリンクを張っている『ライブ・アンド・モア』のモアは、「マッカーサー・パーク組曲」の代わりに海洋サスペンス映画『ザ・ディープ』の主題歌だった「ザ・ディープのテーマ」に差替えられています。CDの解説には時間の関係で収録出来なかったので、同時リリースした12インチ曲集である『ダンス・コレクション』を参照してほしい旨の注意書きが書かれていたりしました。今となってはジョン・バリー作曲の「ザ・ディープのテーマ」も貴重な音源だったりするのですけど、いつの日にか(先のライブの未収録部分も含め)『ライブ・アンド・モア』完全版をリリースしてもらいたいなぁと思いますです。

同年「ラスト・ダンス」でグラミーの最優秀女性R&B歌手賞を受賞し、名実ともにトップに立ったドナ。ドナの黄金時代の幕開けを告げる記念碑的作品であると共に、エンターテイナー、ドナの魅力を堪能出来る作品としてお薦めでございます。

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LPの邦題は『ベスト・オブ・ドナ・サマー〜ライブ・アンド・モア』

Live And More

A-1 Once Upon A Time
A-2. Fairy Tale High
A-3. Faster And Faster To Nowhere
A-4. Spring Affair
A-5. Rumour Has It
A-6. I Love You

B-1 Only One Man
B-2 I Remember Yesterday
B-3 Love's Unkind
B-4 My Man Medley: The Man I Love/I Got It Bad And That Ain't Good/Some Of These Days
B-5 The Way We Were
B-6 Mimi's Song

C-1 Try Me, I Know We Can Make It
C-2 Love To Love You Baby
C-3 I Feel Love
C-4 Last Dance

LP Version
D-1 Mac Arthur Park Suite:Mac Arthur Park/One Of A Kind/Heaven Knows/Mac Arthur Park(Reprise)

CD Version
D-1 Theme From The Deep (Down, Deep Inside)

実際のセット・リストはこちら↓

Act I
1.Overture Medley / Once Upon A Time Introduction
2.Could It Be Magic
3.Try Me, I Know We Can Make It
4.Only One Man
5.I Remember Yesterday
6.Love's Unkind
7.My Man Medley :The Man I Love /I Got It Bad (and That Ain't Good)/Some of These Days
8.The Way We Were"
9.If You Got It, Flaunt It"
10.A Man Like You
11.Mimi's Song

Act II
1.Once Upon a Time
2.Fairy Tale High
3.Faster And Faster To Nowhere
4.Spring Affair
5.Winter Melody
6.I Love You
7.Happily Ever After
8.One Of A Kind" (Performed on selected dates)
9.Love to Love You Baby
10.I Feel Love
11.Summer Fever (Performed on selected dates)
12.Last Dance
13.Rumour Has It
14.A Song For You

チャートデータ
アルバム
Pop 1位 / R&B 4位
シングル
「MacArthur Park」: Pop 1位 / R&B 8位
「Heaven Knows」: Pop 4位 / R&B 10位
「Theme From the Deep (Down, Deep Inside)」:Club Play 3位



8月8日にカサブランカ時代の作品が紙ジャケットにてリイシューされることが決定いたしました。

posted by Suzu at 21:30| Comment(3) | TrackBack(0) | ドナ・サマー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月09日

ワン・ダイレクション『アップ・オール・ナイト ザ・ライブ・ツアー』(12年)

One Dirction:Up All Night The Live Tour(12年)

世界的に人気爆発中の英国のボーイズバンド、ワン・ダイレクションのライブを収めた初の映像作品。

相変わらず全米でもシングル、アルバムともトップ10入りしたままですし、日本盤もようやく8月にリリースが決定。アイドル・グループ好きな日本ですから、間違いなく人気でますわねこれは。
彼らのライブは相当なプラチナム・チケットになっていて、もういっそスタジアム・ツアーとかやってあげたら?って感じなのですが、そんなライブに来れないファンのために英国で行われたコンサートの模様をメインに収録した作品がこちらの『アップ・オール・ナイト ザ・ライブ・ツアー』でございます。

スクリーンに車で海に向かう1Dのメンバーが映し出され、海に着く=1Dステージに登場というオープニング。会場はガールズ・ガールズ・ガールズ…ティーンの女の子で埋め尽くされておりまして、1Dメンバーが登場した時の黄色い声援ときたらそれはもう大変なもの。泣いてる子多数、きっと失神しちゃってる子もいるんじゃないでしょうか?(スポンジで出来た人差し指立ての大きな手のグローブをはめてる子がいるんですけど…グリーの使い回し??)

ステージ・コンセプトは1Dと楽しむ春夏秋冬って感じでしょうか、夏に海で遊んでキャンプファイヤーして花火を見て、秋は学園で戯れ、冬はロッジでくつろいじゃいます…みたいな。メンバーがステージから引っ込むとスクリーンにつぎの舞台となる映像が流れ、セットもこれにともなってチェンジ。メイン映像の横には舞台裏で着替えをするメンバーのパンツ1丁姿を映しだす等サービス満点です(smile)。

こういうグループのライブだと、CDで誰がどのパートを歌ってるのかわからなかったのを解消出来るという楽しみがあるのですが、1Dのヴォーカルのキーパーソンはリアムなんですね。そういえばXファクターのオーディションでも、彼だけスタンダードの「クライ・ミー・ア・リバー」を熱唱したりしてましたっけ。リアムで安定感を出して、サビは1番人気のあるハリー、そして2番の歌いだしはざらっと男っぽい声のゼインが務めるというのが王道パターンのよう。ルイの清涼感のある歌声もなかなかですけど、ナイルだけはちょっとヴォーカルが弱いかな?ただし彼はギターが弾けるのでその辺りプラスアルファって感じのようです。

セット・リストは当然ながらファースト・アルバムからの曲がメインですが、キャンプ・ファイヤー・シークエンスではブラック・アイド・ピース、ジム・クラス・ヒーローズ、エイミー・ワインハウスのカバー曲等もさらっと披露したりしています。彼らは踊らないので躍動感という点では若干マイナスなのですけど、まぁそこは新鮮さと勢いでカバー(smile)。今はこれで十分かなというレベルの楽しめるステージになっています。

曲もそれぞれいいですしね。ラストを飾る英国伝統系のちょっとひねくれたポップ感覚がある「アイ・ウォント」、やっぱり好きだなぁー。
「今が旬」を味わいたい方にお薦めの1枚でございます。

8月に本ライブDVDも日本盤が出るのですが、そちらは輸入盤よりライブの曲が1曲多くて、PVのメイキング等も日本独自で収録する模様。アルバムとのセット盤も発売されるそうなので、一気に1Dを手中に!という方は、もう少しお待ちくださいませです。






ちなみにCDジャケで言うと左からハリー、ゼイン、ルイ、リアム、ナイル。

以前書いたファースト・アルバムの記事はこちら→http://suzuenta-etc.seesaa.net/article/259723589.html
posted by Suzu at 17:00| Comment(5) | TrackBack(0) | POPS系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月07日

ドナ・サマー『ア・ホット・サマー・ナイト、ウィズ・ドナ』(83年)

Donna Summer:A Hot Summer Night, With Donna(83年)

またしても思い出話から入りますけど、その昔輸入ビデオって凄く安くて魅力的だったんですよね。日本版だとまぁ安くても5,000円とかしましたけど、タワーレコードなんかに並んでるのは千円台。
ほとんどレコードを買うのと同じ感覚でPV集やライブ等の映像作品を手に入れられるというのは、何だかとってもお得感があったのです。だものでうちにはけっこうな数の輸入ビデオがあるのですが、そんな中から本日は懐かしい1本をご紹介させていただきます。先日亡くなられたドナ・サマーの83年に行われたハード・フォー・ザ・マネー・ツアー、ロサンジェルス公演の模様を収録した『ア・ホット・サマー・ナイト、ウィズ・ドナ』です。

80年代に入るとジョルジョ・モロダー・チームからの離脱やレコード会社との契約トラブル等様々なゴタゴタに見舞われ始めてしまったドナなのですが、この頃は「情熱物語/She Works Hard For The Money」の大ヒットにより再び勢いを取り戻しかけた時期でした(結局そうはなりませんでしたけど…。)

パネルを並べただけのシンプルなセットにベンチ3脚と1本の街灯、警官姿のダンサーが出てきますから世界観は『華麗なる誘惑』のジャケットですよね。真ん中のベンチに掛けられた布をめくると主役ドナ・サマーの登場。拍手喝采の中歌い出すのがNo.1ヒット曲「マッカーサー・パーク」。いきなりこれか!ってオープニングです。

セット・リストは「ラスト・ダンス」以降『情熱物語』までという選曲で、「愛の誘惑」や「アイ・フィール・ラブ」等の初期セクシー系ヒットはなし。従来のオールディーズ・コーナーやセクシー・コーナーを80年代のポップ・ロック系のヒット群に入れ替えた形になって展開されます。

「マッカーサー・パーク」の後は小気味よく「恋の魔法使い」、レコードで共演したミュージカル・ユースをそのまま舞台に登場させたトロピカルな「アンコンディショナル・ラブ」、そして『フラッシュダンス』のサントラに収録されていた「ロミオ」とゴージャスに都度衣装チェンジしながらの進行。「ロミオ」はばっちりとカット割り等もされていて、単体でミュージック・ビデオとしてこの映像が使われていたような記憶あり。アップ等シーンのいくつかは別撮りで差し込まれてますよねきっと。



ちょっとお話が逸れますけど、この「ロミオ」。先にも触れましたけど同年の『フラッシュダンス』のサントラに収録されていたナンバーなのですが、どうして既に袂を分かっていたこの時期にジョルジョ・モロダー・プロデュースのサントラでドナがまた歌ってるの?と購入当時疑問に思っていたのですが、何のことはない、これお蔵入りとなった81年のアルバム『アイム・ア・レインボウ』のために録音された曲で、それの二次使用だったんですね。そういえば96年に日の目をみた同作にも収録されてましたっけ…うーん、繋がってなかった。

さらに逸れついでに言うと、既に「フェーム」というダンス絡みのヒットを放った実績のあるアイリーン・キャラが歌ったのであまり比較されることはありませんでしたけど、「フラッシュダンス−ホワット・ア・フィーリング−」ってまんまドナが歌ってはまる曲ですよね。ジョルジョ+相方+歌唱歌手っていうトリオ体制の楽曲製作も全く一緒ですし、もし3年映画の企画が早いかトリオの解消が遅ければ、この曲もドナの代表曲になっていたのだろうなぁと思わずにいられません。
最近この曲聴くと勝手にドナの声に脳内変換されちゃって困ってるんです、私(smile)。

閑話休題。

パネルの移動と共に白いバルコニーのセットがせり出してきて歌われるのは同じく『アイム・ア・レインボウ』に収録されていた『エビ―タ』の「ドント・クライ・フォー・ミー・アルジェンティーナ」。
この曲、カレン・カーペンターやオリビア・ニュートン・ジョン等も歌ってますし、バーブラが『エビ―タ』を映画化したがっていたのも有名。こういうホワイト・ディーヴァたちが好むミュージカル・ナンバーを堂々と歌い上げるドナが素敵です。ガラッとまたセット・チェンジして鏡台のセットの前で歌うのがロマンティックな大ヒット・ダンス・ナンバー「オン・ザ・レイディオ」、そして翌年リリースの『キャッツ・ウィズアウト・クロウズ』に収録してグラミーのベスト・インスピレーションという賞を受賞することになるバラードの「フォーギブ・ミー」へと続いて行きます。



女性コーラス2名との寸劇を挟んだ『情熱物語』収録の「ウーマン」では曲にちなんで観客の女性のみとサビ・パートをコール・アンド・レスポンス。そして「ディム・オール・ザ・ライツ」〜「サンセット・ピープル」〜「バッド・ガールズ」〜「ホット・スタッフ」という怒涛のヒット・メドレーを披露。この流れのまま「ラスト・ダンス」に突入ですから観客の盛り上がりも沸点に達します。

本来だとこれでエンドですけど、アンコール・ナンバーとして用意されたのは大ヒットしたての「情熱物語」。ドナもばっちりウェイトレスの扮装で登場、ダンサーも含めPVの世界をステージで再現します。そしオーラスはクインシー・ジョーンズ・プロデュースの「ステイト・オブ・インディペンデンス」。(イメージですけど)一大ネイチャー絵巻ってタイプの総大・荘厳な本作、最初に出てきて歌う可愛い女の子はドナの娘ミミちゃんですね。いつものアゲアゲな雰囲気とは一味違ったエンディングになっているのが、この時期ならではと言えるかもしれません。



当時の資料によれば、ビデオからはオミットされてしまいましたがバーブラとのデュエット「ノー・モア・ティアーズ」なんかも歌われた模様。マスター・テープがあればきっと映像も残ってるでしょうし、DVD/ブレーレイ化の暁には、ぜひ収録してほしいなぁと思いますです。

(女性に失礼ですけど)年のころ女盛りの30代半ば、まだまだスリムで美しさも全開、歌唱も(いつの時期もですけど)絶好調のドナを是非多くの方にご堪能いただきたいと思いますので、是非ともDVD/ブルーレイ化の早期実現をお願いしたいものでございます。



しかしどれもこれも馬鹿みたいな値段ですね…。


おまけ、ですけど、当時テレビ放映された『オール・システムズ・ゴー』リリース後の日本でのライブです。放映されたままフルで見れますのでお時間のある方は是非!懐かしい〜。
※6/17日追記:残念ながら削除されてしまったようです…もったいない。



そしてせっかくなので99年のVH1のライブも。こちらもフルで見れます。83年のライブと比べてもこっちのほうが声出てる?

posted by Suzu at 21:00| Comment(5) | TrackBack(0) | ドナ・サマー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月06日

ブルックリン・ドリームス『スリープレス・ナイト』(78年)

Brooklyn Dreams:Sleepless Nights(78年)

AOR系のブルー・アイド・ソウル・グループとしてその筋では人気の高い男性3人によるトリオ、ブルックリン・ドリームスの78年リリースのセカンド・アルバムでございます。

一般的にはドナ・サマーのヒット曲「ヘブン・ノウズ」をデュエットしたグループとしての認知度しかない…と言ったら失礼かもしれませんが、正直私自身はそういう認識しかなくって、その名前等もドナのアルバム以外では見かけたことがありませんでした。大きなヒットがドナとのデュエットしかなかったのでリイシューの機会にもなかなか恵まれなかったようですが、実際は77年から80年まで、年1作のペースでアルバムをリリースしており、冒頭にも触れましたけどAORファンの間では1作目、2作目等の評価も高く、密かな人気盤として語られてきた模様。
そんな日の当らない状況を一転させたのが昨今のリイシュー・ブーム。一昨年お馴染みBig Breakからファースト・アルバムが発売されたのを皮切りに、日本で紙ジャケットにてセカンド・アルバムが発売、直ぐ後を追いかけるようにBig Breakからもセカンドが2曲のボーナス・トラック入りでリリースされました。

ブルックリン・ドリームスはその名のとおりブルックリンのご近所さん同士で結成されたグループで、ブルース・スーダノ、エディ・ホーケンソン、ジョー・ビーン・エスポジットの3人組。ブルースが単独で音楽活動を始めた後、他の2人を誘って活動を開始、カサブランカ・レコードと契約してメジャー・デビューを果たします。そこで出会ったのがレーベル・メイトであるドナ・サマー。ファースト・アルバムにも1曲コーラスで参加してもらったのを手始めに、セカンド収録の「ヘブン・ノウズ」で再共演。ドナのツアーにもバック・バンドの一員として参加するようになり、ドナの代表作「バッド・ガールズ」は彼ら3人とドナとの共作なんですね。そしてブルースはドナと結婚、先日ドナが亡くなるまで、30年以上に亘って添い遂げた仲のいいご夫婦だったようです。

でもって本作。
やっぱり最大の売りはドナとのデュエット「ヘブン・ノウズ」の収録ですけど、その他にも心地よいグルーブ感のある「メイク・イット・ラスト」や「スリープレス・ナイツ/センド・ア・ドリーム」、スリリングなメロディーとハーモニーの妙が楽しめる「ザッツ・ノット・ザ・ウェイ・ザット・ユア・ママ・トート・ユー・トゥ・ビー」、ジェントルなバラードの「ファッション・フォー・ミー」や「ロング・ディスタンス」、ライブ音源で臨場感に溢れた「ファースト・ラブ」、ドナをバック・コーラスに配したグルーヴィーでスタイリッシュなミドル・ナンバー「ストリート・マン」、ハートウォーミーな「タッチング・イン・ザ・ダーク」、キラキラしたナイト・クルージング・タイプの「カミング・アップ・ザ・ハード・ウェイ」等好曲揃い。

トリを飾っている「ヘブン・ノウズ」はメイン・ヴォーカルをジョーが歌い、セカンド・ヴォーカルをドナが務めたブルックリン・ドリームス・バージョン。またボーナス・トラックで収められた「12インチ・プロモ・ディスコ・リミックス」も、1番はドナが単独で歌い、2番からブルックリンのヴォーカルが入ってくるという初CD化(?)のバージョンですのでお聴き逃しなく。

ここまで来たら、残り2作、79年の『ジョイライド』、80年の『ウォント・レット・ゴー』もリイシューしていただきたいですね。ジョーにはジョルジョ・モロダーと組んだ2人名義のアルバムもある模様(こちらはCD化されていたので…注文しちゃった)。

チャートデータ
アルバム Pop 151位
シングル
「Heaven Knows」:Pop 4位
「Make It Last」:Pop 69位 / R&B 10位




↑音は悪いですがブルックリン・ドリームス・メイン・バージョンです。





『華麗なる誘惑』では「バッド・ガールズ」の他にも数曲でソングライトを担当。このデラックス盤には「ヘブン・ノウズ」が組み込まれた「マッカーサー・パーク組曲」も収録されています。
posted by Suzu at 20:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ドナ・サマー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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