2012年11月11日

『グリー:ザ・ミュージック・プレゼンツ・グリース』(12年)

Glee:The Music Presents Glease(12年)

※グリーの話は常にネタバレ、楽しみにされている方は閲覧ご注意です。

そんな訳で、シーズン2のほうは日本でも現在Eテレで絶賛放映中ですけど、本国のほうでは現在シーズン4の放映が9月よりスタート。シーズン3で主だったキャストの半分が卒業して新たな展開を迎えたわけですが、お話のほうはニューヨークに旅立ったレイチェルが入学したNYADA(New York Academy of the Dramatic Arts)とマッキンリー高校との二元中継的に展開。

簡単にそれぞれの近況を記すと。

ニューヨーク
@レイチェル、早速ダンス担当の教師カサンドラ(ケイト・ハドソン)にイビられる日々。
Aフィンの不在を埋めるべく魅力的な上級生ブロディ(ディーン・ガイヤー)が登場
Bカートもニューヨークへやってきてレイチェルとルーム・シェア。ヴォーグの編集長イザベル(サラ・ジェシカ・パーカー)に気に入られてアルバイト中。

マッキンリー高校
@カーメル高校からウェイド(ユニーク)がマッキンリーへ転校。ティナ、ブレイン、ブリタニーとリード・ヴォーカル争いに。
A新入生としてマーリー(メリッサ・ベノワ)、パックの異母兄弟ジェイク(ジェイコブ・アーティスト)がグリーへ入部。チア部の意地悪キャラとしてキティ(ベッカ・トビン)が登場、恋の三角関係に。
B生徒会長にブレインとブリタニーが立候補。ブレインが新生徒会長に就任。
Cスー先生無事に子供を出産。

そして両方をまたいだところでは
@フィン、軍に入るも事故(…)にあってあっさり除隊。レイチェルとも別れて地元の継父バートのタイヤ店に勤務中。
Aブレイン、寂しさに耐えかねて浮気(なのかな?)、カートと別れることに。またブリタニーとサンタナ、マイクとティナ、サムとメルセデス全て破局。シュー先生とエマ子もシュー先生のワシントン行きで諍い中。

…とまぁ、色んな事が起こっているシーズン4なのでございます。


でまぁ『グリース』のお話し。

『グリース』を知らない人は少ないと思いますけど、71年に初演されたブロードウェイ・ミュージカルで、高校生ダニーとサンディと仲間たちの恋と青春模様をオールディーズ調の楽曲に乗せて描いた作品。愛する人のために私変わります!…という単純明快さはあの頃ならではでしょうか。78年にジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンで映画化され、映画自体もサントラも大ヒット。オリビアにとっては清純派からの脱却に一役買った重要作でございます。

軍も辞め、レイチェルとも別れて意気消沈のフィン。秋に上演するマッキンリー高校のミュージカルが(フィンのアイデアで)『グリース』と決まり、アーティーから一緒に舞台を監督してほしいと頼まれる事に。ここは自分の場所じゃないと一度は断るものの、ヴォーカル・コーチにメルセデスが、ダンス・コーチにマイクが招聘された事を受けて俄然やる気に。そんな中アメフト部の練習を見に行った際、かつての自分のような青年ライダー(グリー・プロジェクト2のウィナー、ブレイク・ジェナー登場!)に出会い『グリース』のオーディションを受けるように説得。ダニー役をライダーとジェイクで、サンディ役をマーリーとキティで争い、結果ライダーとマーリーが主役をゲット。それぞれの配役も決まって、いよいよ次週本番を迎える…というのが、第5話『The Role You Were Born to Play』のあらすじ。本当は来週の放映を待ってブログを書きたかったのですけど、来週は時間がとれそうもないので前倒しで書くことにしちゃいました。

本当は『Grease』なんですけど、gleeだから『Glease』。
劇中で披露され、サントラに収められたのは以下の9曲です。

1. Hopelessly Devoted To You(ブレイン)
2. Born To Hand Jive(メルセデス、ジェイク、ライダー、マーリー)
3. Greased Lightning(ライダー、サム)
4. Look At Me I'm Sandra Dee(キティ)
5. Beauty School Drop Out(ブレイン)
6. Look At Me I'm Sandra Dee (Reprise)(マーリー)
7. There Are Worse Things I Can Do(カサンドラ、サンタナ、ユニーク)
8. You're The One That I Want(フィン、レイチェル、カート、ブレイン他)
9. Summer Nighs(メルセデス、サム他)

1と2は第5話『The Role You Were Born to Play』で既に披露済み。
3から8は来週放映の第6話『Glease』にて披露予定。
9はシーズン3の第10話『Yes/No』で披露された曲がボーナストラック的に収められています。

意表をつくようなブレインの「愛すれど悲し/Hopelessly Devoted To You」ですけど、自分で原因を作っておきながらとは言え、カートへの痛いほどの思慕を込めて歌われるのでシチュエーション的にはぴったり。改めて良い曲だなぁと思いますし、ダレンって本当にオールラウンダーだなぁと感心させられます。





いわゆるコール・バック(再審査)でライダーとジェイク、マーリーとキティに与えた課題曲が「Born To Hand Jive」。メルセデスを皮切りに新人4人が入り乱れてパフォーマンスを繰り広げてくれます。マーリーはディズニー・アイドルっぽい親しみやすいルックスがグリーにはいなかった感じで、若干個性には欠けるんですけどなかなかのパワー・ヴォーカルの持ち主。キティはその独特な声がミュージカルには映えますし、フレッシュなライダー、そして歌も踊りも柔軟にこなして魅力的なジェイク。良い人材を揃えたものだなぁと思いますね。今後が楽しみです!





ジェイク、キティ、マーリーの実力は以下のほうがよくわかるのでご覧ください。

以前ウォブラーズが取り上げた「アニマル」と同じネオン・ツリーというバンドの曲「エブリバディ・トーク」です。このバンド、パンク・バンドっぽいのですが曲は凄く親しみやすいですよね。


ピンクの最新ヒット曲


アレックス(ウェイド、ユニーク)はすっかりメルセデスの抜けたブラック系パワー・ヴォーカルの位置に収まりましたよね。よかった、よかった(smile)。

そして「サマーナイト」は何度見ても楽しい。映画『グリース』のオリジナルと見比べて下さい。さらに楽しさ倍増です!




当時すでに三十路(失礼)を迎えていたオリビア…可愛すぎる!!


来週の『Glease』で放映される6曲はどんな演出がされるのか楽しみですけど、どれも聞いているだけで既にテンションはマックスの勢い。ライダーとサムが掛け合う「グリースド・ライトニング」は楽し&かっこいいですし、キティの声がはまりすぎてる「私はサンドラ・ディー」、ムード満点なブレインの「ビューティー・スクール・ドロップアウト」、カサンドラ、サンタナ、ユニークそれぞれが自分の状況を曲に重ねて熱く歌い上げる「ついてない私」。そして「愛のデュエット/You're The One That I Want」はフィン、レイチェル、カート、ブレイン、サンタナ、ブリタニー、ライダー、マーリーと総表記なんですけど、ステージに卒業生たちも上がっちゃうのでしょうか?

もうね、本当に楽しみでございます。


最近番組の内容の質が一時期に比べて落ちているとか言われますし、実際先行き不安な点というのも多々あるのは事実。来年なんてさらに主要キャストが卒業してしまうし、そんなに度々マッキンリーに集まるのも不自然だし…。楽曲のチャート・アクションも如実に落ちてるんですよね。今までは放映があるとそこで披露された曲は配信で売られてビルボードのHot100にほとんどランクインしてましたが、シーズン4の今までの5話でランクインしたのは実にたったの2曲だけ(しかもどちらも下位の90位台)。こういうところ、はっきりと若者たちの興味が他に移ってしまった事が表れてますです。まぁここは、プロデューサーであるライアン・マーフィーの「後5年は続けられる」発言とその手腕を信じて、gleekである私はついていきたいと思ってますけど。

でまぁ蛇足なんですが、グリーの『グリース』で盛り上がっている時に水を差すかのように、アメリカを襲った大型ハリケーンの名前を「サンディ」なんてつけてくれたものですから、レディー・ガガなんか冗談でしょうけど「もうグリースは見ない」なんてツイッターでつぶやく始末。こういうのは冗談でも影響力のある人がつなげるような発言してほしくないですね。そしてまたタイミングがいいんだか悪いんだかという感じで、映画版本家のダニー&サンディであるジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンがあれから35周年ということで共同でクリスマス・アルバムを今月リリース予定。参加者にバーブラやトニー・ベネットまで名を連ねており、いったいどんな作品になっているのかこちらも非常に楽しみです。最近色々負の話題が多かったトラボルタですが、それでもしっかり共同戦線を張るオリビア。その意志の強さ、好きだなぁ。

これ、25周年の時の映像です。こういう自分の代表作を大切にする姿勢も、いいですよね。



そんな訳で、ちょっと取り留めがなくなってしまいましたが、グリーもグリースも最高!
やはりミュージカルは素晴らしいです!!  (強引なまとめだなぁ…。)

チャートデータ
アルバム
Pop 28位/Soundtrack 1位


※11月17日追記
でまぁ『Glease』本編。凄くよかったですけど、ドラマ部分の比重も高かったので純粋に「Grease」の楽しさを満喫!って訳にはいかない感じになってました。まぁ今の状況だとこうなるかなぁという展開ではありますが。せっかくなので3曲貼っておきます。「愛のデュエット」の謎が解けましたけど、切ないです…。

「Grease Lightning」→ http://www.youtube.com/watch?v=m_I-0ft4TUk&feature=share&list=ULm_I-0ft4TUk

「Look At Me, I'm Sandra Dee」→ http://www.youtube.com/watch?v=sIv258o_Tzg&feature=share&list=ULsIv258o_Tzg

「You're The One That I Want」→ http://youtu.be/5pNSnvD1_Es








posted by Suzu at 01:45| Comment(2) | TrackBack(0) | サントラ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月25日

バーブラ・ストライサンド『リリース・ミー』(12年)

Barbra Streisand:Release Me(12年)

バーブラ・ストライサンドのニュー・アルバムは60年代後半から昨年リリースされたバーグマン夫妻集に至るまでのレコーディング作品の中より厳選した楽曲11曲を収録した未発表音源集。

…と、本題に入る前に最近のバーブラ関連のニュースの賑やかなことったら。

10月8日から始まった「バック・トゥ・ブルックリン」のツアーは大好評のようですし、映画出演が噂される『ジプシー』からの期待度マックスの選曲披露もあれば、そのライブで実現した息子ジェイソンとのデュエット。そしてまさかまさかの義妹ロスリン・カインドとのデュエット実現には目を丸くするばかり。









来月11月には昨年行われたトリビュート・ライブの模様『Musicares Tribute to Barbra Streisand 』がDVD/BDとしてリリースされますし、12月にはセズ・ローガンと共演したコメディー映画「The Guilt Trip」の公開が待機中。年明けにはこれまで度々曲が取り上げられてきた人気番組『glee』にて満を持してのトリビュート・エピソードが(噂段階ながら)計画中と、もう百花繚乱状態。





そんな話題満載なこの時期を狙ってリリースされた本作『リリース・ミー』は過去の未発表音源集というハンデを乗り越え、初登場7位とバーブラにとって32枚目のトップ10入りのアルバムとなる快挙を記録。総合でもシナトラを射程距離に収めた第3位、女性歌手ではダントツの1位で、最近のリリース・ペースを考えればマドンナもマライアもブリトニーもこれだけは彼女の記録を抜くのは難しいかなと思います。(マドンナが20枚…可能性ありか?)

未発表音源集と言えばかつて91年にリリースされ、その貴重過ぎる蔵出し音源と物量の多さに驚かされるとともに狂喜乱舞した4枚組の『ジャスト・フォー・ザ・レコード』がありましたけど、あの集大成音源としてのゴージャス感&重量感をよりコンパクトにまとめ、うまく一枚のアルバムとして構成したのが本作という感じでしょうか。

それではアルバムの収録曲を簡単にご紹介いたします。

1.Being Good Isn't Good Enough 1985
85年『追憶のブロードウェイ』セッション時の未発表曲。バーブラの出世作『ファニーガール』のジュール・スタインが手掛けたミュージカル『ハレルヤ・ベイビー』からの非常に美しくバーブラらしいスケールの大きさも兼ね備えた作品で、ブロードウェイ・アルバムのトップを飾る構想もあったらしいのですが、ご存じのようにアルバムは芸術への愛と情熱ほとばしる「プッティング・イット・トゥギャザー」がその位置をゲット。もしこちらになっていたとしても作品の素晴らしさは揺らがなかったでしょうけど、やはりインパクトという点では「プッティング」で正解だったように思います。感じとしては『バック・トゥ・ブロードウェイ』の「魅惑の宵」に近いですかね?

2.Didn't We 1970
70年に企画されたものの当時のCBSの社長であったクライブ・デイヴィスにダメだしされてお蔵入りとなったアルバム『ザ・シンガー』用に録音されたジミー・ウェッブの作品で、72年『フォーラム劇場のバーブラ』にライブ・バージョンが収録されているのでファンにとっては既にお馴染みとなっている1曲。楽曲としては小品という感じですけど、それを繊細にダイナミックに歌い上げればこれぞバーブラという世界に変身。スタジオ録音らしいより完成度の高い歌唱がこれまた魅力的です。時代遅れと判断された『ザ・シンガー』の代わりに録音されたのが当時の新進シンガーソングライターの曲を集めたロック・テイスト・アルバム『ストーニーエンド』ですね。念為。

3.Willow Weep for Me 1967
67年『シンプリー・ストライサンド』セッション時の未発表作品。本盤の他の収録曲は完成したアルバムに当てはめようとすると、どうにも収まりどころがないなぁという作品が多いのですが、この曲は『シンプリー』に入っていても全然違和感がない感じ。収録曲は10曲と決めていたのでとりあえずオミットしちゃいましたってところだったのかな?

4.Try to Win a Friend 1977
77年『スーパーマン』セッション時の未発表曲。こちらも落ち着いた魅力溢れる好バラードで、癖のないカントリーといった趣は『スーパーマン』よりは『ソングバード』のほうがしっくりくるかもしれませんね。

5.I Think It's Going to Rain Today 1970
70年『ストーニーエンド』セッション時の未発表曲。ランディ・ニューマン作のスタンダード化している名曲で、バーブラの言葉をぽつりぽつりとつぶやく様な抑えた表現が素晴らしく、数あるカバーの中でも今後ベスト・テイクのひとつに数えられる出来じゃないかと思います。発表されていてしかるべき、という感じですが、より現代的なポップ・ロック曲へのチャレンジをを行った『ストーニーエンド』の中にあってはスタンダード指数が高過ぎて、やはり収めどころがなかったように思います。という事でニューマン作のもう1曲でロックっぽさのある「レット・ミー・ゴー」は採用となりこちらは不採用。ピアノは作者であるランディ・ニューマン自身がひいています。

6.With One More Look at You 1977
77年映画『スター誕生』のクライマックスで「私を見つめていて」とのメドレーで披露された追慕のバラードの単独スタジオ・バージョン。切々と歌われるメドレー・バージョンが身に沁みている者にとってはやはり物足りなさを感じてしまいますし、本作で唯一完成に至る前の練習バージョンといったライト感も否めないのですが、それでもこの歌自体の持つ魅力、新鮮な空気感に満ちたバーブラの歌声は素晴らしく、「スタ誕」フリークにとってはたまらない音源になっています。





7.Lost in Wonderland 1968
68年に企画され数曲レコーディングもされたアントニオ・カルロス・ジョビン等のブラジル音楽集からの1曲。音符の上を飛び跳ねるようなバーブラの高音が美しく、リラックスした雰囲気が素敵ながらも高音部でアップダウンする音階が緊張感を生み、それが不思議な魅力になっている1曲。「イパネマの娘」や「コルコバード」等も録音されたそうで、いつか蔵出しされることを祈るばかりです。

8.How Are Things in Glocca Morra?/Heather on the Hill 1988
88年『バック・トゥ・ブロードウェイ』セッション時の未発表曲。「フェニアンの虹」と「ブリガドーン」というクラシック・ミュージカルからの選曲で、南国的な解放感が心地よくも美しい作品。こちらも楽曲としての完成度はすごぶる高いと思うんですが、結果的にシアター・ソングの持つ濃密感とはまた違うテイストに仕上がったためにオミットされたのかなと。

9.Mother and Child 1973
73年に着手しながら企画自体がお蔵入りとなってしまった女性の一生を1枚のアルバムで表現しようとした『ライフ・サイクル・オブ・ア・ウーマン』セッション時に録音された楽曲。ミシェル・ルグラン&バーグマン夫妻という黄金トリオによる作品で、屋根裏部屋で聴くオルゴールの音色…とでもいうような懐古的で滋味深い1曲。1番の歌詞(歌声)と2番の歌詞(歌声)が3番で多重録音により一緒になって一人デュエットになる構成が面白くも素敵です。個人的には本作の中で一番のお気に入り。『ジャスト・フォー・ザ・レコード』に収録された「ビトゥイーン・イエズタデイ・アンド・トゥモロウ」や「キャン・ユー・テル・ザ・モーメント」もこのセッションの作品で、完成していたらこのアルバムは傑作のひとつになっていた予感…完成させてほしかったなぁ。

10.If It's Meant to Be 2011
2011年アラン&マリリン・バーグマン夫妻作詞作品集であった最新アルバム『ホワット・マターズ・モスト』セッションからの最新未発表曲。例えばこの前の曲「マザー・アンド・チャイルド」と比べれば録音時期に40年近い隔たりがあるのですけど、こうして続けて聞いてもほとんど違和感を感じさせないというのが驚き。とはいえじっくりと聞けばその声に刻まれた年輪の深さと芳醇な味わいは隠しようもなく、その年月の流れに何とも言えない感慨を覚えてしまう1曲です。

11.Home 1985
85年『追憶のブロードウェイ』セッション時の未発表曲。言わずと知れたミュージカル『ウィズ』の代表曲で、だいぶ以前から海賊版音源が出回っており、初めて聴かせてもらった時は感動に震えたものでしたけど、正直このバージョンはあんまりよくないかも。一応本盤からのシングルに切るという事で数種類の楽器を追加録音してよりポップなアレンジを施したようですが、これが裏目に出てしまったように思います。You-Tubeにありますが、シンプルな下記バージョンのほうがお薦め。…とは言っても、希望に満ちた内容といいバーブラの歌声といい、ラストを飾るに相応しい楽曲であることに変わりはありません。元気、もらえます。





未発表集=お蔵入り音源=出来がいまひとつだったもの…というイメージがあるかもしれませんけど、本作はハイ・クオリティでありながらもあくまでアルバムのコンセプトや雰囲気に合わずに選から漏れた楽曲集、というのが正しいですかね。

純粋な新作ではないという事もありますし、まだバーブラがピチピチ(smile)としていた頃の若さ溢れる歌声ということもあって、聞き心地はとてもライト。90年代以降の作品のような重さがなく聴き疲れしないし、内容ではなく量の面でちょっと物足りなく思え、しかもバーブラの歌声が素晴らしすぎる時期のものと言う事で繰り返し繰り返し聴きたくなる(聴いてしまっている)作品集でございます。

2枚組ぐらいでこの手のは丁度いいのに…と思ったら、しっかり第二弾の企画もあるらしいです。シナトラやトニー・ベネットばりの新録音によるデュエット・アルバムの企画も進行中というのに何も小分けする事ないのにねぇ。定期的にシリーズ化してリリースするつもりなら大歓迎ですけど…。

70歳にして大車輪な活躍ぶりのバーブラ、あまり頑張りすぎてお疲れが出ないようにしてもらいたいですね。健康第一で、末永く活躍していただきたいですから。

チャートデータ
アルバム
Pop 7位


posted by Suzu at 22:45| Comment(3) | TrackBack(0) | POPS系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月13日

ご無沙汰しております。

すっかり秋ですね。

と、言うことで、大変ご無沙汰しております。
ブログの更新絶賛ほったらかし中のSuzuでございます。

私事ですが家を購入する事がバタバタと決まってその手続きや(まだ先なんですけど)引っ越しの準備に追われ、そうこうするうちに仕事のほうも体調不良者が出たために倍の忙しさ。物理的に時間が取れない事もありますが、どちらかと言うと心の余裕が失われているというのが現状でございます。

そんな訳で、色々と落ち着くまではしばらくブログの更新もままならないと思いますので、大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたしますです。

そんな中ですが最近は…

・バーブラ・ストライサンドの旧レコーディング作を集めた新作「リリース・ミー」がリリース!
・gleeの4thシーズンが始まって、相も変わらず楽しませていただいてます。
・Vampire Diariesの4thシーズンも昨日から始まったので、こちらもこれから楽しみ!
・中森明菜さんの近作を再発見・再評価中

なところが心のよりどころ(smile)。

バーブラの新作は本日届く予定なんです。
楽しみ!

短文ですが、これにて。

Suzu









何故か今更「Destination」。いいアルバムなんです。




posted by Suzu at 08:00| Comment(3) | TrackBack(0) | ご挨拶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月05日

ドナ・サマー『ミステイクン・アイデンティティー』(91年)

Donna Summer:Mistaken Identity(91年)

91年にリリースされたドナ・サマー15枚目のオリジナル・アルバム。

89年、人気プロデュース・チーム、ストック・エイトキン・ウォーターマンを迎えた『アナザー・プレイス・アンド・タイム』が主にヨーロッパを中心に大ヒット。SAWの作りだす軽やかなユーロビートとドナ固有のダイナミズムが融合した名曲が数曲生まれましたが、アルバム全体としては若干不満の残る出来であったように思います。

ヒットしたという事でこの組み合わせによる第二弾も企画されたそうですが、ドナはSAWと再び組む事をやめ、変わりに指名したのがビリー・オーシャンやジェームズ・イングラムのアルバムを手掛けていたアーバン・ポップス系のプロデューサー、キース・ダイアモンドでした。

前作の白塗りジャケもかなりのインパクトでしたけど、本作を初めて手にとった時もかなりショッキングでございました。…金髪って?しかも表ジャケはドナの顔が上半分見切れているし、更にタイトルは『ミステイクン・アイデンティティー』=人違い、誤認、直訳しても自我を見誤ると言った不穏な響き。エラいイメージ・チェンジだなぁと当時思いましたです。
後で知った事ですが、やはり前作『アナザー・プレイス・アンド・タイム』が商業的に大成功したのに反し、ドナとしては正直意に添わない部分、納得出来ない部分があったようで、例え成功するとしても、自分の信念を曲げるような事をしてはいけないという自戒が、このタイトルとアートワークに込められたと言われています。

SAWの作品も(後発とはいえ)世界的に流行していたユーロビートという新しいムーブメントを取り入れたものでしたが、ドナは本作にてさらにアグレッシブなチャレンジを、しかもかなり貪欲に行っています。

アルバムのオープニングを飾っている「ゲット・エスニック」や「ボディー・トーク」は、何と当時猛威をふるっていたニュー・ジャック・スウィング、アルバムからのファースト・シングルに選ばれた「ホエン・ラブズ・クライ」やミステリアスな雰囲気の「クライ・オブ・ア・ウェイキング・ハート」はグランド・ビート、英国でシングル化した「ワーク・ザット・マジック」や「ホワット・イズ・イット・ユー・ウォント」はハウス・ミュージック。これだけ一度に当時の流行音楽を取り入れたアルバムって、他にあったでしょうか?
しかもこういう最新モードにベテランが手を出すとどうしても私がんばってます的な感じが出てしまうものですが、本当に凄い事にドナの場合は完ぺきに自分の物として披露。その消化ぶりはまさに「人違い」レベル(?)の素晴らしさです。





アルバムはそうした流行のブラック・ミュージックを基本に、たおやかなミディアム「ヘブン・ジャスト・ア・ウィズパー・アウェイ」、美しくも力強く歌い上げるバラード「フレンズ・アンノウン」、ゴスペル的な要素の強い、というかゴスペルな「レット・ゼア・ビー・ピース」等、ヴォーカリストとしてのドナの魅力が存分に味わえる楽曲も収録。また基本はNJSながらジャージーなテイストを加えて伝説のダンサーをトリビュートする「フレッド・アステア」、洒落たエンディングを用意した「ホワット・イズ・イット・ユー・ウォント」等の味付け具合には余裕すら感じさせてくれます。「ホエン・ラブズ・クライ」は久しぶりに全編をファルセットで歌っており、これがクールなグランド・ビートと絶妙なマッチングをみせた要因のひとつ。
ウィスパー・ヴォイスから野太いシャウトまで、その変幻自在さ、フレキシブルさはやっぱりドナの魅力ですよね。ドナのヴァーサイタルな才能を改めて示した好盤でございました。





…が、世間的なリアクションは米国でシングル「ホエン・ラブズ・クライ」がR&Bチャートで18位を記録した程度で、ポップ・チャートでは77位止まり。アルバムに至ってはトップ200入りも逃すという惨敗具合。前作が大成功した英国では独自にダンス・ポップ色の強いハウス・ナンバー「ワーク・ザット・マジック」をシングル化しますが、こちらもトップ100の下位どまりで終わってしまいました。

かくいう私も、発売当時購入したもののほとんどスルーに近いぐらい本作は聞きませんでした。

何故かと言うと、確かにこうして改めてアルバムを俯瞰してみるとそのチャレンジ精神に畏怖を覚えるくらいなのですが、あの当時は巷にこういうサウンドが溢れかえっていたし、わざわざドナ・サマーでこの手の音楽を聴きたいという感じにならなかったように思います。あぁ、ドナもNJSなんかやっちゃうんだ、ぐらいだったでしょうか。当時は全くと言っていいほどピンとこないアルバムでしたが、今回新譜気分で本作に接することが出来、その素晴らしさを再確認させていただいた次第です。

こちらはさすがに手に入れやすい作品ですので、まだという方がいらっしゃったら是非お試し下さいませ。あれから20年、最新だったNJSやグランド・ビートも既に懐かしいレベルになっていますので、また違った感覚でお聞きいただけるのではないかと思います(…私のように)。

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Mistaken Identity

1. Get Ethnic
2. Body Talk
3. Work That Magic
4. When Love Cries
5. Heaven's Just a Whisper Away
6. Cry of a Waking Heart
7. Friends Unknown
8. Fred Astaire
9. Say a Little Prayer
10. Mistaken Identity
11. What Is It You Want
12. Let There Be Peace

チャートデータ
アルバム
R&B 97位
シングル
「When Love Cries」:Pop 77位/R&B 18位
「Work That Magic」:UK 74位



キース・ダイアモンドのお仕事。

posted by Suzu at 17:45| Comment(5) | TrackBack(0) | ドナ・サマー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月01日

ドナ・サマー『アナザー・プレイス・アンド・タイム』(89年)

Donna Summer:Another Place and Time(89年)

89年にリリースされたドナ・サマー14枚目のオリジナル・アルバム。

前作の失敗を受けて(…って80年代はこんな事ばかり書いてますけど…)ゲフィン・レコードはドナによりコマーシャルな成功が期待できる作品を要求。ゲフィン側が白羽の矢を立てたのが、当時カイリー・ミノーグを始め、リック・アシュトリーやバナナラマ等でワールドワイドなヒットを量産していた英国のプロデュース・チーム、ストック・エイトキン・ウォーターマンでした。

ドナはレーベルの指示通りSAWと共に曲作りを開始しアルバムを完成させます。が、またしてもゲフィンはアルバムの発売を拒否。それどころか8年の在籍期間中とうとうレーベルが期待するだけの成果を出せなかったドナに対し、レコード契約を打ち切る決定を下すに至ってしまったのです。
アルバム1枚が何百万枚と売れ、シングル・ヒットも量産されるようなミュージック・ビジネスの更なる大型化が進んでいた時代とはいえ、ドナにとってはそれはあまりにも屈辱的な決定だったと思います。

宙に浮いてしまったリリースでしたが、UKでは権利を持つワーナー・ブラザーズからアルバムが発売される事が決定。まずはファースト・シングルとして「ディス・タイム・アイ・ノウ・イッツ・フォー・リアル」をリリースしますが、UKではこれが78年「ノー・モア・ティアーズ」以来のトップ10ヒットとなり、最終的にトップ3入りする大ヒットを記録。続くセカンド・シングルの「アイ・ドント・ワナ・ゲット・ハート」もトップ10入りし、サード・カットの「ラブズ・アバウト・トゥ・チェンジ・マイ・ハート」も20位にチャートイン。その他にもトップ100に入るシングルが2曲、アルバムもトップ20入りと70年代を彷彿とさせる大成功を収めます。







追ってアメリカでもアトランティック・レコードからのリリースが決定。こちらも「ディス・タイム・アイ・ノウ・イッツ・フォー・リアル」が83年の「情熱物語」以来となるシングルのトップ10ヒットとなり、またその他の国でもヒットを記録。何とも皮肉な事にまたしてもゲフィンは自社での大ヒットを目前のところで逃す結果となってしまった訳です。

元々ドナはヨーロッパのディスコ・ミュージックであるミュンヘン・ディスコでチャンスをつかんだ訳であり、同じくヨーロッパから興ったダンス・ミュージックの最新型であるユーロ・ビートとの融合は期待が大きかったはず。ゲフィンも当然そこを見込んでの人選だったはずですが…何ともうまくいかないものですね。

アルバムは典型的なPWLサウンドを擁したユーロビート・ソング「ラブ・テイクス・オーバー・ユー」「センチメンタル」「ブレイクアウェイ」等を基調に、ドナらしいダイナミズム溢れる「アイ・ドント・ワナ・ゲット・ハート」、大空を舞う鳥のように雄大で軽やかな「ディス・タイム・アイ・ノウ・イッツ・フォー・リアル」、70年代の名曲群を彷彿とさせるスケールの大きな名曲「ラブズ・アバウト・トゥ・チェンジ・マイ・ハート」、日本ではCMソングとしてオンエアされた爽快なダンス・ナンバー「オンリー・ワン」、違う場所と時間の中で出会えたなら…という切ない恋心を歌うアルバム中唯一のスロウ・ナンバー「アナザー・プレイス・アンド・タイム」等のキー曲を要所に配した構成。





ヒットしたシングル3曲の出来が飛びぬけている以外、あまり聴くべき曲がない…とまで言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、やはり単調なリズムの繰り返しがメインとなるユーロビート作品ではなかなかに創造的曲作りを行うのは難しいようで、発売当時それなりにヘビー・ローテーションした割には心に止まる曲が少なく、アルバムを通して聴くとどうにも平凡な印象を受けてしまう作品になってしまったように思います。

ゲフィンが発売を見送ったというのも、正直ちょっとわかるなぁという感じ。

コマーシャルな面では大成功を収めた本作ですから、当然SAWプロデュースによる第二弾のアルバムも企画されたのですが、これはドナの意向によりキャンセルされた模様。次作を、髪を金髪に染めて『ミステイクン・アイデンティティ』=人違い=自分ではないというタイトルにしたのは、このアルバムで商業的な成功を収めたとはいえ納得のいかない作品をリリースしてしまった事への自戒を込めたものだと言われています。
確かに気持ちはわかりますけど、それでも名曲と思える作品が3曲もあるんですから、これは痛し痒しでしたかね。これが最後の大ヒット作になった訳ですし…。

最後になりますが。このインパクトの大きすぎるジャケ。「もうひとつの時間と場所」という事で、京劇風の白塗りメイクにトライしてしまったドナさまなのです。衣装も遠目に見ると唐草模様風に見えちゃいますしね。いったいどの時間と場所に紛れ込んだのやら…もうっ。

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Another Place And Time

1. I Don't Wanna Get Hurt
2. When Love Takes Over You
3. This Time I Know It's For Real
4. The Only One
5. In Another Place And Time
6. Sentimental
7. Whatever Your Heart Desires
8. Breakaway
9. If It Makes You Feel Good
10. Love's About To Change My Heart

チャートデータ
アルバム
Pop 53位/R&B 71位/UK 17位
シングル
「This Time I Know It's For Real」:Pop 7位/UK 3位
「Love's About To Change My Heart」:Pop 85位/UK 20位
「I Don't Wanna Get Hurt」:UK 7位
「When Love Takes Over You」:UK 72位
「Breakaway」:UK 49位



ドナとのセカンド・プロジェクト用に制作された曲の一部はこのロニー・ゴードンのアルバムに収録されたそうです。

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2012年07月29日

『黒蜥蜴』(68年)

Black Lizard(68年)

唐突ですけど『黒蜥蜴』。

私、ポプラ社の少年探偵団シリーズを手始めに江戸川乱歩作品を読み漁った口で、初期の巧妙な短編作品から後期の猟奇通俗小説まで、本当に大好きでございました。

最近はさすがに少なくなりましたけど、映像化作品も目にする機会が多かった昭和の時代を過ごしているので、土曜ワイド劇場での天地茂さん主演の明智小五郎シリーズとかも思い入れがたっぷり。見たのは割と最近ですけど、カルト映画の代表とも言える「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」とか船越英二さんと緑魔子さんが倒錯の限りをつくす「盲獣」なんかも忘れられない作品だったりします。

そんな映像化作品の中でも一番のお気に入りが62年(昭和37年)に大映で撮られた京マチ子さん主演の『黒蜥蜴』。『黒蜥蜴』は女盗賊黒蜥蜴と名探偵明智小五郎のダイヤと美女を巡る攻防と悲恋を描いた変則型ラブ・ストーリーともいえる作品で、最初に見たのはテレ東のお昼の映画劇場だったと思いますけど、そのミュージカル・タッチのモダンな演出と乱歩独特の猟奇的世界の融合っぷりの素晴らしさにノック・ダウンされました。黒蜥蜴=京マチ子さんが犯行現場から男装して踊りながら逃亡をはかるシーンなんて、本当に最高。大木実さんの颯爽とした明智小五郎も素敵でしたし、どんなに3丁目の夕日が素晴らしくても再現出来えない本物だけが持つあの時代のパッケージというのも、今となってはとても貴重な素晴らしい作品でございました。(手持ちのVHSは永久保存…ただし機械が壊れないうちにデータ化したいところです。)

でもって『黒蜥蜴』と言って忘れちゃならないのが丸山明宏さん=美輪明宏さん主演版のもうひとつの『黒蜥蜴』。





乱歩が『黒蜥蜴』を執筆したのは34年(昭和9年)ですが、61年(昭和36年)に三島由紀夫氏が戯曲化した事で視覚的なエンターテイメントとしてコンバートされ、まず62年、初代水谷八重子さんの舞台と京マチ子さんの映画版がほぼ同時に上演。続いて68年に美輪さん主演で舞台版と映画版が制作され、以降美輪さんの当たり役として度々舞台版のほうは上演されています。(知りませんでしたけど、つい先月まで明治座創業140周年記念作品として、浅野ゆう子さん主演の『黒蜥蜴』が上演されていたらしいです。)

一度こちらの作品も見たいと思っていたのですが、残念ながらレンタルやセルでもソフト化された事があるのかないのか定かでなく、私の中では幻の一編となっておりました。しかし、ひょんな事からYou-Tubeで『黒蜥蜴』と検索したら、あれま吃驚、美輪さん主演の『黒蜥蜴』がまるまるアップされてるじゃありませんか!本当に最近のYou-Tubeは凄いですね(って3年前からアップされてたみたいですけど)。早速(消えないうちに)拝見させていただいた次第です。

正直明智小五郎役の木村功さんにあまり魅力がないのと作品全体の作りも京マチ子さん版のほうに色々軍配があがるところですが、やはり美輪さんの独特な雰囲気、そしてより三島さんの戯曲に近いんじゃないかと思う芝居がかった詩的な台詞の数々(京さん版も原作は三島さんの戯曲)等、抗いようのない魅力に溢れた作品でございました。三島由紀夫さんも特別出演していてその肉体美を披露してたりするのも貴重ですよね。英語の字幕がついてるし、最後のクレジットを見るとどうやら英国でソフト化されたものをアップしくれた模様。残念ながら英国amazonで検索しても商品自体はヒットしなかったので、今はやはり幻の作品であることに違いはないみたいです。

しかし、68年にいわゆるマイノリティの方の主演映画がこうして堂々と作られている訳ですから、日本ってある意味進んだ国だったんですかね。芸能の世界に関しては、歌舞伎の女形とか宝塚とか、ある種認められる下地というのがあったから実現足りえたのでしょうか?

未見の方は、消えないうちにどうぞご覧くださいませです。
その妖艶優美の世界、必見です。




全部で9分割されています。



あのピンク・マルティーニが「黒蜥蜴」の主題歌をレコーディングしてます。さすがトーマスさん!


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やはりこの作品はソフト化されてないのかな?美輪さんのCDもこんなに高値でやだやだ。03年の舞台版ポスター。



乱歩の原作も超面白いです。そして京さんのはVHSやレーザー・ディスクになってますのでハードがある方は是非。天地さん版では小川真由美さんが黒蜥蜴に。他に岩下志麻さんも演じています。
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2012年07月28日

ドナ・サマー『オール・システムズ・ゴー』(87年)

All Systems Go(87年)

87年にリリースされたドナ・サマー13枚目のオリジナル・アルバムです。

前作『キャッツ・ウィズアウト・クロウズ』から3年のインターバルを空けてリリースされた作品で、私個人としては初めてリアル・タイムで手に入れたドナのアルバムになります。

メイン・プロデューサーはカサブランカ後期にドナ・チームの一員となり、『トップ・ガン』のサントラ・ヒット等で80年代も活躍していたハロルド・フォルターマイヤーが担当。本作からのリード・シングルとなった「ディナー・ウィズ・ガーシュイン」は売れっ子プロデューサーのリチャード・ペリーが手掛けている他、アーバン・コンテンポラリー系のヴォーカル・グループ、クラッキンのメンバーだったピーター・バネッタ等が参加しています。





ミドル・テンポで解放感のあるサウンドが心地よく、再始動にかけるドナの気持ちが込められたような「オール・システムズ・ゴー」からアルバムはスタート、ポップ・ロック・アプローチのスピード感豊かな「バッド・レピュテーション」と「ラブ・ショック」、オリエンタル調の温かみのあるメロディが美しいヴォーカル・ナンバー「ジェレミー」、スターシップのミッキー・トーマスを迎えたAOR調バラード「オンリー・ザ・フール・サバイブ」、重量感たっぷりのサウンドに軽快なメロディー、ファンタジックな歌詞とユニークな構成をもつブレンダ・ラッセル作の「ディナー・ウィズ・ガーシュウィン」、そしてどことなくミステリアスな雰囲気を漂わせ、個人的にはリータ・ギャロウェイのバージョン等も思い出深い「ファシネイション」、清涼感のある流れる様なメロディが印象的な「ヴォイシズ・クライン・アウト」、メランコリックかつダルなヴォーカルがドナの新たな一面を見せる「マイ・ベイビー」というスロウ・ナンバー3連打でしっとりと幕が引かれる全9曲構成。





CD時代に入った事もあってか抜けのいいサウンドが特徴、久しぶりの作品という事もあってアルバムにリフレッシュしたような新鮮な空気感があるのが本作の魅力になっています。

3年振りのリリースに味わい豊かなファースト・シングル、日本では来日公演も行い「夜のヒットスタジオ」に出演したりとメディア的な露出や話題性はそこそこ高かったのですが、残念ながら米国でのチャート成績的にはシングルもトップ40入りせず(R&Bではかろうじてトップ10入り)、アルバムに至ってはトップ100入りも逃すという惨敗を期してしまいました。

やはり一度ヒット・チャートの一線から外れたベテランが再びヒットをものにするには、よほど時流に乗った展開をしないと難しいでしょうし、ホイットニーやジャネット等の次世代のスター達が70年代後半のドナばりに大ヒットを連発していた時代ですから、同じ土俵で勝負するには正直歩が悪い状況だったように思います。

そんな訳で大きなリアクションもなくひっそりと見送られたような感じでしたが、最近になって意外とこの作品、あちこちで好きだったという人が現れて隠れ人気が高いことが判明。主に玄人受けするシンガーソングライターであるブレンダ・ラッセルの「ディナー・ウィズ・ガーシュイン」人気に起因している面もありますが、後半のミスティーなバラード3連打部分も「新境地」として評価する向きがあるみたいです。

ヴォーカル・アルバムとしての純度はホリデイ作品を除くと一番高いかもしれませんね。
今後更に再評価が期待できる佳盤でございます。

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当時はCDとアナログのまだまだ共存時代。私もアルバムはCDで、シングルは7インチ・レコードで買ったりしていました。


All Systems Go

1. All Systems Go
2. Bad Reputation
3. Love Shock
4. Jeremy
5. Only the Fool Survives
6. Dinner With Gershwin
7. Fascination
8. Voices Cryin' Out
9. Thinkin' Bout My Baby

チャートデータ
アルバム
Pop 122位/R&B 53位
シングル
「Dinner With Gershwin」: Pop 48位/R&B 10位
「Only the Fool Survives」:AC 14位



「ディナー・ウィズ・ガーシュウィン」のセルフ・カバー収録。ブレンダの作品中最もライト・テイストなアルバム。

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2012年07月25日

『ロック・オブ・エイジズ』(12年)

Rock Of Ages(12年)

話題の映画『ロック・オブ・エイジズ』のサントラ盤でございます。

06年ロサンジェルスで初演され、その後オフ・ブロードウェイからブロードウェイに進出した人気ミュージカルの映画化作品。日本でもTMレボリューションの西川貴教さんや島谷ひとみさん等の出演で昨年舞台が上演されたばかりです。

お話はサンセット大通りのライブ・ハウスで働きながらロック歌手を目指す青年ドリューと同じく歌手を目指すシェリーの恋物語を軸に、荒れた生活を送る人気ロック・スターのステイシーとの関係や、サンセット大通りからロックを追放しようとする市長の妻と地域住民の対立等を描く青春サクセス・ストーリー。

主人公のドリューにはラテン・アメリカ等で人気のシンガーだという新人のディエゴ・ボネータ、シェリーには『バーレスク』にダンサー役で出ていたジュリアン・ハフを抜擢。ライブ・ハウスの店長にアレック・ボールドウィン、ロック弾圧の急先鋒となるロサンゼルス市長の妻役にキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、他にもメアリー・J・ブライジや(ケイティ・ペリーと離婚したばかりの)ラッセル・ブランド等が出演者として名を連ねています。しかし何と言っても話題は人気ロック・スター役で出演のトム・クルーズと言うことになるでしょうか。

上半身ムキムキの裸でロン毛のステージ写真が早々にメディアに流れましたけど、この写真が娘スリちゃんの教育上よろしくないとかで離婚の引き金になったなんて報道もありましたね。あくまで役だからしょうがないじゃん!って話ですが、まぁこれはもう坊主憎けりゃ袈裟までも的なお話でしょうか(smile)。

でまぁ、トム・クルーズが歌うわけですよ。トムの歌唱シーンと言えば(歌ってないけど)『卒業白書』でのボブ・シ-ガー「オールド・タイム・ロックンロール」のアテぶりや、『トップ・ガン』での酒場でケリー・マクギリスをナンパする時に歌う調子っぱずれな「ふられた気持ち」等がすぐ思い浮かび、決して歌える印象はなかった訳です。だからこの役をやると聞いた時、正直「・・・」って感じだったのですが、サントラの冒頭からためらいもせずのトム登場。歌うはガンズ・アンド・ローゼズの「パラダイス・シティ」。

・・・・・・変じゃない!
てかけっこう上手い!





グリーの音楽プロデューサーでもあるアダム・サンダースとヴォーカルの猛特訓をしたらしいのですけど、ハイ・トーン系ってことでアクセルの歌声とダブルところもあり、全然違和感なく歌の世界に入っていく事が出来ました。やっぱり世界のトップ俳優はそう簡単には馬脚を現しませんね。いやいや、お見逸れいたしました。

舞台となっているのが1987年と言うことで、本作を彩るミュージカル・ナンバーはガンズを筆頭に、ボンジョヴィ、デブ・レパード、ホワイト・スネーク、ポイゾン、パット・ベネター、ジャーニー、REOスピードワゴン、エクストリーム、クオーター・フラッシュ、ツイステッド・シスター等全てキラ星のような80年代のロック・ソングばかり。決してロックに明るくない私ですけど、どれも大ヒット曲なのでサビなんか一緒に口ずさめてしまうし、とにかく懐かしさも手伝って楽しさ満点!

キャサリン・ゼタ・ジョーンズやメアリー・J等さすがに良いお仕事してくれてますし、とにかく80年代のロック・コンピレーションを聴いてるような感覚でアルバムを楽しむ事が出来ます。





惜しむらくは歌唱力的には全然問題ないのですけど。若手の主人公二人が何故かあまりロック向きの声をしてない事でしょうか。ジュリアン・ハフはロック・シンガー役じゃないのでこれでいいのかもしれませんが、ディネゴ・ボネータのほうもロック志望って割には若干荒々しさが足りない感じなんですよね。舞台版ではアイドル(ボーイズ・バンド)として売り出されそうになる設定だそうなので、そのあたりも考慮しての人選なのかもしれませんけど。

後、曲があちこちグリーと被るので若干新鮮味に欠けるきらいがあったりするんです。作品としてはこちらのほうが早いのでどちらかというとグリーが被せてる訳ですが、やっぱりラストの「ドント・ストップ・ビリービン」は、どうにもニュー・ディレクションズの歌の印象が強すぎて損しちゃってる感じでございます。
まぁこの辺りの不満は、映画を見る事で解消してくれたらいいなぁと思っておりますが。

映画自体、残念ながら興行的にはコケてしまった模様ですが、サントラはビルボード・アルバム・チャート最高5位のヒットを記録。前述したように80年代ロック・コンピとして映画と切り離しても楽しめるのが勝因かと思います。
映画がコケたのは、トム・クルーズのロック・スター役が見たいかそうでもないかって事のような気がするのですが…どうでしょう?
日本公開は9月、個人的には楽しみにしたい作品です。

本当のロック・ファンの方にはお薦め出来ないかもしれませんが、80年代組にはたまらない内容ですので是非お試しくださいませです。





チャートデータ
アルバム
Pop 5位/Soundtrack 1位



意外と好きだったPoison。


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2012年07月22日

由紀さおり『う・ふ・ふ/由紀さおり 宇崎竜童を歌う』(77年)

Saori Yuki:U Fu Fu Saori Yuki Sings Ryudou Uzaki(77年)

ピンク・マルティーニとの共演アルバムの大ヒットを受けて、由紀さおりさんの旧譜8作品が紙ジャケットでのリリースとあいなりました。

同時代の歌い手さんとしては、何と言ってもBOXセット「ねぇあんた」の発売を機に火がついたちあきなおみさん再評価による怒涛のリリース・ラッシュが記憶に新しいところですけど、由紀さんの場合現役歌手として新譜を大ヒットさせての凱旋みたいなものですから、その意味合いはまたちょっと違うのかなと思います。他に与える影響と言うことを抜きに考えれば、ちあきさんの場合きっとどんなに願ってもそれは過去の偉大なる遺産の発掘にしかならないでしょうけど、由紀さんの場合はその反応が何がしか現在の活動への活力としてフィードバックされる可能性がある訳で、そういう期待が持てるだけでもこのリイシューはとても意味のあることだと思うんですよね。

そして今回ですが、ピンク・マルティーニとの作品がカバー集だったという事で、リイシューの対象に選ばれたのも全てカバー曲メインのアルバムということになってしまいました。いわゆる昨今のカバー曲ブームと由紀さんのやった事は全く別物だと思うのですが、まぁマーケティング的な事を考えても手始めとしてこういう着想になったのは致し方ないのかなと。

歌謡曲系の方のアルバムのリイシューというのは売れるか売れないかという事よりもほとんど企画者の情熱に左右されてるようなところもあるのですが、由紀さんのように明確に売れて注目度が高いという実績があればリイシューの企画も通りやすいはず。ブーム的なものが続いているうちに、出来ればほぼ聞く機会のないオリジナル作品メインのアルバムのリリースにも手を伸ばしていただきたいと(切に)思いますです。

もちろん全作品いずれは揃えたいのですけど、とりあえず最初の1枚ということでチョイスしたのがこれ『う・ふ・ふ/由紀さおり 宇崎竜童を歌う』。その名の通りタイトル曲の「う・ふ・ふ」と「ふらりふられて」という由紀さんの為に書かれたオリジナル曲の他、「横須賀ストーリー」「夢先案内人」「硝子坂」「ワン・デイ」「想いでぼろぼろ」等の宇崎竜童作品を集めたカバー曲集でございます。

三味線イメージの思いっきり演歌的な出だしからスピード感豊かな洋風メロディにスライドしていき、本編の由紀さんの歌はこぶしを回す勢いの和テイストな「う・ふ・ふ」。もう少し抑えめながら同じようなテイストで、ふられたのはあれのせい?…と理由を並べてみる歌詞がユニークな「ふらりふられて」は、もう日本でしかありえないザ・歌謡曲といった風情が満載。こういう和的なものと洋風なものとの絶妙なミクスチャー表現は、由紀さんの真骨頂ですよね。また今さら何をという感じですけど、宇崎竜童という作曲家のテリトリーの幅広さも実感出来る作品だと思いますです。





カバー曲ではちょっと泣きの入った「愛人(アマン)」が最高。「サヨナラは嫌いな言葉」「欲しいものは」「風恋歌」等のはまり具合も素晴らしいです。まぁ元も子もない事を言えば由紀さんの場合本当に何を歌っても上手いので言うことないのですけど(smile)。敢えて文句をつけるなら「横須賀ストーリー」等はさすがに百恵さんの圧倒的なヨコスカ感の前では普通の歌謡曲になってる感じですし、「硝子坂」もあのシュールな世界が妙に安定感のあるものになってしまってるのがちょっと違うかな?なんて思ったりもいたします。あくまで敢えて言うなら、ですけど。

由紀さんはこの後宇崎さんと組んで「TOKYOワルツ」という名曲を発表してます。これも本当に、良い曲なんですよねー。




少々の文句をつけながらも最近は『1969』に変わってこのアルバムばかり聞いている私でございます。由紀さんのアルバムはコスト・パフォーマンスがダントツなんですよね。はー、他のも買わなきゃ。




研ナオコさんの宇崎竜童作品集。こちらも傑作です。



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2012年07月21日

シェール・ロイド『スティックス+ストーンズ』(11年)

Cher Lloyd:Sticks + Stones(11年)

現在ビルボードのシングル・チャートで「ウォント・ユー・バック」が16位上昇中と大ヒットになりそうな気配を見せているのがシェール・ロイド。英国出身の現在18才のシンガーです。

何を隠そう(?)彼女もUKの人気オーディション番組「Xファクター」の出身者でして、2010年の出場ですから現在人気大爆発中のワン・ダイレクションと同期なんですね。「女子」の代表選手でしたがトータル順位は1Dに次ぐ4位。それでも早々にレコード契約が決まってデビュー曲の「スワガー・ジャガー」は1位獲得となかなか順調な滑り出しを見せ、UK→USという最近の輸出ラインにも上手く乗ってアメリカでも成功しそうな勢いでございます。

ファッションは完全に日本の「カワイイ」文化が入っており、ジャケ写を遠目から見るとスザンヌか若槻千夏かと空目可能なぐらい。歌の他にラップもこなるのが彼女の特徴で、ニッキー・ミナージュほど本格的ではないにしろ、オーディションの時からこれをセールス・ポイントにしてきた模様です。あまりうまい例えじゃありませんけど、ケイティー・ペリーとニッキー・ミナージュを足して割ってガーリーに仕上げましたって感じでしょうか。

アルバム制作にはエイコン一派の売れっ子プロデューサーであるレッドワンを中心に、シェルバック、マイク・ポンスナー、マックス・マーティン等が参加。大御所バスタ・ライムスをフューチャーした「グロウン・アップ」から勢い溢れる高速系ラップを披露してお転婆カワイイぶりを発揮。全米ヒット中の「ウォント・ユー・バック」等も強気に攻める部分とキュートなポップ・プリンセス部分とが上手く融合して、いかにも今の時代らしいカラフルでちょっぴり尖がったポップスになっています。
コールドプレイ?な「スーパーヒーロー」とかモータウン調+ハワイアン+Hip-Hopってもう何だかわかんないじゃん的な面白さの「オーバー・ザ・ムーン」、ニッキー・ミナージュの「スターシップ」を先取り(?)したような「スワガー・ジャガー」等、今時珍しく3分前後の曲を畳みかけるように10曲収録したコンパクトさもお手軽感があっていいですね。

今時のポップスとは何ぞ?という方にお薦めしてみたいアルバムでございます。

Xファクターに出場した時が16才であれから2年、下の動画を順番にご覧いただければ一目ですが、いやいや本当に垢抜けてきれいになってきてます!一番変わるお年頃ですからね、ご覧あれ〜。








チャートデータ(UK)
アルバム 4位
シングル
「Swagger Jagger」:1位
「With Ur LOVE」:4位
「Want U Back」:25位(US 16位↑)


posted by Suzu at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | POPS系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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