2015年01月25日

高見知佳『ペーパー・ムーンに腰かけて/高見知佳U』(79年)

Chika Takami:Paper Moon Ni Koshi Kakete(79年)

ご無沙汰のしすぎですね。

忙しさもあって、というのはどちらかというと言い訳で、短時間である程度の発信が出来るtwitterのほうが色々便利なものですから、ついついそちらに流れてしまってました。今回はもうちょっと書きたい事があるかなぁという感じなので、重すぎる腰を上げてみた次第です(…なんて、大げさですね)。

バラエティーアイドル(バラドル)という言葉がまだ生まれる前の時代にそういうポジションで活躍されていた高見知佳さん。ご多分に漏れず、と言うのは失礼な言い方ですが、歌手としてはその実力はある程度認められていながら、あまり大きなヒットには恵まれずにバラエティー番組で活躍されていらっしゃいました。「アイアイ・ゲーム」とか懐かしいですね。

78年11月に歌手デビューされた高見さん。歌手としての代表曲は84年に資生堂の化粧品のキャンペーンソングとしてヒットしたEPO作詞作曲の「くちびるヌード」。歌謡曲ファンの間ではデビュー時の筒美京平先生の作品群や、ニューウェーブ歌謡として特有筋で人気の高い加藤和彦作品「ジャングル・ラブ」や「ボーイフレンド」等も後付け評価が高かったりするようです。

長らくその作品は手に入らなかったのですが、2003年にアイドル・ミラクル・バイブル コロンビア・アイドル・アーカイブスの1枚として全シングルAB面を含む41曲が2枚組のCDとしてリイシューが実現。私も喜び勇んで購入させていただいて、今もipodに入れてたまに聴いたりするお気に入りになっています。

そのCDの中で特に気に入っていたのが、4枚目、5枚目のシングルでもある「少しはわたしを好きでしたか」「セザンヌの絵」「しのび逢い」等の、いあゆるドメスティック歌謡な作品群。もう後数ヶ月で80年代がやってくる事等どこ吹く風の70年代的な四畳半歌謡の世界がわたしの琴線に触れまくりで、これらが収録されていたセカンド・アルバムもいつか聞いてみたいなぁと当時思っておりました。

そんな記憶も片隅に追いやられていたつい先週。何気なくAmazonサーフィンしてたら高見さんのファースト・アルバムのジャケットが出てきて、リイシューされてたんだぁとクリックしたら関連商品で全アルバムがここ2〜3年で発売されていた事が判明。いわゆるオンデマンド商品というやつで、若干抵抗感は拭えないものの背に腹は変えられないと速攻注文したのが本作、『ペーパー・ムーンに腰かけて/高見知佳U』でございます。

(…相変わらずダラダラと長くてすみません…)

A面6曲は全て門谷憲二作詞、西島三重子作曲の作品群。西島三重子さんという方は歌手としても「池上線」のヒット曲を持ち、マイナー調で時にドラマティックに展開する(わたし好みの)メロディーを書かれるシンガーソングライターで、B面曲ですがわたしが大好きな研ナオコさんの「Bravo Bravo」や、石川ひとみさんの「冬のかもめ」等も彼女の作品。アルバム・タイトル曲にもなっている愛らしい「ペーパー・ムーンに腰かけて」や前述の70年代エッセンス溢れる「セザンヌの絵」「少しはわたしを好きでしたか」、しっとりとポップな「ミスター・レイン」、カクテル・ドレスの衣装合わせの間に去っていった恋人を想う「仮縫い」等、門谷さんの作詞も少女期特有の澄んだ悲しみやちょっと背伸びして見せる視線等を巧く表していて、素敵なコンビネーション振りを見せてくれています。


前半知佳さん、後半西島さんの歌声。


B面は後に柏原芳恵さんがシングル化した事で認知度の高いアルフィーの高見沢俊彦さん作「しのび逢い(Don't Leave Me Alone)」、筒美/橋本らしいキャッチーさの「プラスティック・ドール」、コロンビア繋がりで招聘されたのかな?佐藤奈々子さん作でお得意のモンロー風な「チープ・ショット」、三浦徳子/川口真コンビのアナクロ的な「あなた船を出して」、伸びやかで澄んだ歌声が美しいスロー・ナンバーの「午前0時のジェラシー」、そしてタイトル曲のリプライズでコンセプト・アルバム的に洒落た幕引きとなります。

ジャケットのポートレートがよく内容を表していると言える、シックな佇まいの繊細で美しいヴォーカル・アルバム。アイドル歌謡の奥深さ、この年代でないと表現しえないであろうクリアな情感が堪能出来る期待通りの作品でございました。

しかしこのアルバムの発売が79年の11月。後半年後には松田聖子さんがデビューする事を考えると、本当に最後の昭和アイドル歌謡が高見さんたち(他に井上望さん、倉田まり子さんetc)だったのだなぁと改めてこのアルバムを聞いて実感。そこに横たわる川は果てしなく深く広いですねぇ。まぁ個人的にはどちらも大好きなわけですけど(smile)。

高見さんやっぱりいいなー。他のも買っちゃうかな…。


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2013年01月10日

森山良子『30年を2時間半で…』(04年)

30年を2時間半で…

時間がある時、何となく気になったりこの人の歌声が聴きたいなぁなんて理由でYou-Tubeで検索をかけてみたりする場合があるんですけど、その日気になったのは森山良子さん。そう言えばここのところ2枚組のベストを改めて買ったり韓流ドラマの主題歌を歌ったアルバムを手に入れたりとプチ・良子さんブームだったりするのですよね。

で、割と検索画像の上位に出てきたのがこの曲「30年を2時間半で…」。

面白いよ!という脚注つきだったので何となく見始めたのですが、いやいやこれが素晴らしかった。ぴったんこカンカンに出演した時のパフォーマンスですが、新宿のデパ地下でかつての恋人に出会ってしまったアラウンド50才〜60才の女性の心模様を良子さんがコミカルに歌っていて、笑って見ている内に最後ぐぐっと胸に迫るものがあるというか、ほろりとさせされるんですよね。
これぞベテランの味というか、女優もされている良子さんのエンターテイナーぶりが遺憾なく発揮されているナンバーだと思いました。

と、いうところまでは昨年末にツイッターで簡単につぶやいてしまった訳で、最近どうしても長分を書くブログよりもお手軽なツイッターのほうで満足してしまう事が多く、この件もそのつもりだったんですけど、ちょっと追加で書きたい事が出来てしまったので急遽ブログ化する事にいたしました(…ってほど大げさな事でもないんですけど…)。

ぴったんこカンカン・バージョンがあまりに素晴らしかったもので、せっかくだからスタジオでレコーディングされたものも聴きたいと思うのは世の常人の常。この曲が収められている04年のアルバム『あなたが好きで』をお取り寄せした訳ですが、これがまたぜんっぜん違うんです。ぴったんこカンカンのものは基本コミカルで感情表現もオーバーというかわかりやすくデフォルメされている感じなのですが、スタジオ・バージョンは第一声からマダム風というか「いい女」感が漂っていて、時にコミカルにはなるものの全体的なトーンはどちらかというとシリアスにまとめられているんです。
テレビでのパフォーマンスのほうが感情のコントラストが鮮やかでより感動的になっているのは間違いないと思います。
歌詞も少し修正が入っていますし、お芝居的な要素がほとんどな歌だから、きっとお客さんの反応なんかも見て現在のかたちに作り上げていかれたのでしょうね。

そういう事が出来る良子さんだからこそ、こういう趣向に溢れた曲もレパートリーに出来るのかもしれません。

素敵な曲ですので、是非多くの皆様にお楽しみいただきたいです。

本当はスタジオ・バージョンもYou-Tubeにあるとその進化の具合がわかってよかったのですが、残念ながらアップされていないので、何かの機会にそちらはお聴きいただければと思います。

それでは、「30年を2時間半で…」







ぴったんこカンカンの放映が反響を呼んでシングル化されたというお話です。
08年のライブ盤でも披露(…あれ?このライブ盤うちにあったはず、あららら)。
posted by Suzu at 22:15| Comment(3) | TrackBack(0) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月22日

由紀さおり『う・ふ・ふ/由紀さおり 宇崎竜童を歌う』(77年)

Saori Yuki:U Fu Fu Saori Yuki Sings Ryudou Uzaki(77年)

ピンク・マルティーニとの共演アルバムの大ヒットを受けて、由紀さおりさんの旧譜8作品が紙ジャケットでのリリースとあいなりました。

同時代の歌い手さんとしては、何と言ってもBOXセット「ねぇあんた」の発売を機に火がついたちあきなおみさん再評価による怒涛のリリース・ラッシュが記憶に新しいところですけど、由紀さんの場合現役歌手として新譜を大ヒットさせての凱旋みたいなものですから、その意味合いはまたちょっと違うのかなと思います。他に与える影響と言うことを抜きに考えれば、ちあきさんの場合きっとどんなに願ってもそれは過去の偉大なる遺産の発掘にしかならないでしょうけど、由紀さんの場合はその反応が何がしか現在の活動への活力としてフィードバックされる可能性がある訳で、そういう期待が持てるだけでもこのリイシューはとても意味のあることだと思うんですよね。

そして今回ですが、ピンク・マルティーニとの作品がカバー集だったという事で、リイシューの対象に選ばれたのも全てカバー曲メインのアルバムということになってしまいました。いわゆる昨今のカバー曲ブームと由紀さんのやった事は全く別物だと思うのですが、まぁマーケティング的な事を考えても手始めとしてこういう着想になったのは致し方ないのかなと。

歌謡曲系の方のアルバムのリイシューというのは売れるか売れないかという事よりもほとんど企画者の情熱に左右されてるようなところもあるのですが、由紀さんのように明確に売れて注目度が高いという実績があればリイシューの企画も通りやすいはず。ブーム的なものが続いているうちに、出来ればほぼ聞く機会のないオリジナル作品メインのアルバムのリリースにも手を伸ばしていただきたいと(切に)思いますです。

もちろん全作品いずれは揃えたいのですけど、とりあえず最初の1枚ということでチョイスしたのがこれ『う・ふ・ふ/由紀さおり 宇崎竜童を歌う』。その名の通りタイトル曲の「う・ふ・ふ」と「ふらりふられて」という由紀さんの為に書かれたオリジナル曲の他、「横須賀ストーリー」「夢先案内人」「硝子坂」「ワン・デイ」「想いでぼろぼろ」等の宇崎竜童作品を集めたカバー曲集でございます。

三味線イメージの思いっきり演歌的な出だしからスピード感豊かな洋風メロディにスライドしていき、本編の由紀さんの歌はこぶしを回す勢いの和テイストな「う・ふ・ふ」。もう少し抑えめながら同じようなテイストで、ふられたのはあれのせい?…と理由を並べてみる歌詞がユニークな「ふらりふられて」は、もう日本でしかありえないザ・歌謡曲といった風情が満載。こういう和的なものと洋風なものとの絶妙なミクスチャー表現は、由紀さんの真骨頂ですよね。また今さら何をという感じですけど、宇崎竜童という作曲家のテリトリーの幅広さも実感出来る作品だと思いますです。





カバー曲ではちょっと泣きの入った「愛人(アマン)」が最高。「サヨナラは嫌いな言葉」「欲しいものは」「風恋歌」等のはまり具合も素晴らしいです。まぁ元も子もない事を言えば由紀さんの場合本当に何を歌っても上手いので言うことないのですけど(smile)。敢えて文句をつけるなら「横須賀ストーリー」等はさすがに百恵さんの圧倒的なヨコスカ感の前では普通の歌謡曲になってる感じですし、「硝子坂」もあのシュールな世界が妙に安定感のあるものになってしまってるのがちょっと違うかな?なんて思ったりもいたします。あくまで敢えて言うなら、ですけど。

由紀さんはこの後宇崎さんと組んで「TOKYOワルツ」という名曲を発表してます。これも本当に、良い曲なんですよねー。




少々の文句をつけながらも最近は『1969』に変わってこのアルバムばかり聞いている私でございます。由紀さんのアルバムはコスト・パフォーマンスがダントツなんですよね。はー、他のも買わなきゃ。




研ナオコさんの宇崎竜童作品集。こちらも傑作です。



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2012年04月30日

ジェロ『情熱』(12年)

Jero:Jyo-Netsu(12年)

演歌界の黒船なんてキャッチ、最初からありましたっけ?
黒人演歌歌手ジェロさんの3年ぶり2作目のオリジナル・アルバムです。

まだかまだかと石の上にも3年、ようやく出ましたねオリジナル・アルバム。演歌系なら尚の事CDが売りづらいのはわかるんですけど、カバー・アルバムの3連打はさすがにないなと。もちろんどのアルバムもジェロさんの歌心が詰まった素晴らしいものでしたが、ジェロさんにとってもこれは少々解せない展開の3年間だったのではないかと思います。

待望のアルバムはコンパクトに全10曲。前作の豪華幕の内弁当のような内容からは一歩引いた印象ながら、より噛みしめるほどに味わいが増すような楽曲が揃った好作品集になっています。

オープニングを飾っているのは『CRパチンコ必殺仕事人W』のテーマ曲として平尾昌晃大先生が書き下ろした新曲「夜明けの風」。もうどっから切っても平尾節、どっから聞いても仕事人な1曲です。親切にもオリジナルの仕事人のテーマ曲である「荒野の果てに」のカバーも後半に収録してくれてますので、その双生児ぶりを一気に楽しむことが出来ます。ま、どっちの曲も血沸き肉躍るかっこよさなのは間違いないですね。

その他は散る運命にあることがわかっていても可憐な花を咲かせたいと願う恋心が切ない「愛の花」、ブラス歌謡ならぬブラス演歌の「黄昏メトロ」、ギターの音色を擬音化して取り入れた歌詞が斬新かつ叙情的な「北へ流れる」、WINKの諸作等でお馴染みの及川眠子さんが情念的な作詞を手掛けた「火焔樹」、宇崎竜童さんが歌えばそのままブルースになるところをジェロ流演歌として聞かせる「旅の途中」、泣けないほどの悲しみを嘘泣きでつくろって男を行かせよういう女心がこれまた切ない「嘘泣き」、演歌だから和的なのは当たり前なんですけど、ジェロさんがやると「オリエンタル」という表現を使いたくなる和モダンな世界の「恋心」、常連作家である中村中さんの独特な独り泣きの世界が展開される「ただ…涙」というラインナップ。

相変わらずジェロさんは上手くていい声だし、楽曲の完成度も高いんですけど…うーん、なんだろう、もう少し遊びが欲しいというか、もっと弾けた部分があってもいいように思うんですよね。

以前ジェロさんは氷川きよし君に対する最大のカウンターだと書きましたけど、王道ゆえに思いっきり遊んでも本筋がブレない氷川君に対し、既にカウンターの位置にあるジェロさんは常に王道に近づくことを意識し過ぎて面白い事にチャレンジし難くなっている感じがしちゃうんです。存在自体が独特ゆえに、あまり斬新なことをやってキワモノに思われることをご本人、スタッフともども恐れているのかなぁと。

真面目なんですよね、きっと。演歌が大好きだからこそ、その心を大切に歌っていきたいという気持ちもよくわかるのですが、絶対ジェロさんにしか歌えない新たな「演歌」の世界というのがあるはず。既成の演歌の世界の中だけで収まるには、どうにもこうにももったいない逸材なんですもの。
最近は役者に挑戦したりミュージカルでブルースを歌ったりと活動の幅を広げているジェロさんですので、様々な経験をして今後自分のスタイルを確立していってほしいなと思いますです。生意気書きましたが、本当に応援してますので。

真の演歌界の黒船になることを、願っております。

チャートデータ
アルバム 189位
シングル
「ただ…涙」:67位
「嘘泣き」:47位
「夜明けの風」:67位

「嘘泣き」→http://youtu.be/ba9rKhVAz80





ジェロさんのフェイバリット・シンガーはルーサー・ヴァンドロス。
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2012年03月17日

平井堅『ジャパニーズ・シンガー』(11年)

Ken Hirai:Japanese Singer(11年)

自由だな、平井さん

昨年リリースされていた平井堅さんの7枚目のオリジナル・アルバムを超遅ればせながらゲット。

タイトルは『ジャパニーズ・シンガー』。帯のキャッチは「生まれてこのかた、純国産」。
彫の深すぎる顔で外国人に間違えられることもあるという平井さんな訳ですが、ここであえて自分は純粋な国内産=根っから日本人な歌い手ですと宣言しております。
もうこれぐらいのおとぼけは平井さんのキャラクターが浸透してきた今となっては何でもないわけですけど、それにしても今回はけっこう遊んでるというか全体的に余裕の感じられる作り。
曲タイトルからして「いとしき日々」とか「さよならマイ・ラブ」とか「Missサマータイム」とかどこかで聴いたことあるようなものが並んでますし、楽曲も何だかなーとつっこみたくなるようなもの多し。

例えば「R&B」っていう曲。「瞳をとじて」などの大泣きバラード路線であまり言われなくなってきてますけど、それでも和製R&Bの代表選手ってイメージは根強くある平井さん。そんな風に言われてしまうのが気恥ずかしいのか、いやいやフェイクだって踊りだってそんなにうまくないんですよぉ(それでもR&Bは大好きですけど…)なんて謙遜してみせる歌。
「Girls3x」は、のっけから「百戦錬磨のオレ様は抱いたオンナの数知れず」なんて超肉食系の歌詞を巻き舌で歌ってみせる。エロ系は得意な平井さんですけど、本道はもっと淫靡な爬虫類タイプ。それをこんなガオーッって襲いかかる感じなのはもうわかった上で自分のイメージを逆手にとって遊んでるとしか思えません。
平井さん王道エロ系の「CANDY」は途中で唐突に宇多田ヒカルがインサートされるし、ちらっと郷ひろみしちゃってみたり、これはユーミン?これはサザン?これはドリカム?等やりたい放題。

しかしそれでも平井堅ミュージックとして成立してるのは、元ネタへのリスペクトが相当に感じられるからですかね。完全に確信犯的にやってますし、あくまで自分の形をもった上で遊んでるのがわかるから嫌味にならない。みなさんもこいうのお好きでしょ?なんてにっこりされちゃって、はいはい確かに好きです…って感じでしょうか(smile)。このあたり、今までの活動に裏打ちされた人徳(?)なのかもしれませんね。

形を持っていると言えば、今回もあります「瞳をとじて」系のバラード。「いとしき日々よ」「僕は君に恋をする」「アイシテル」「夢のむこうで」。よく言えば型を持ってるですけど、悪く言えばどれも同じの金太郎飴状態。どの曲のサビをどの曲とシャフルしても通じちゃう感じです。そんな中でも今回頭ひとつ抜けてるのは「僕は君に恋をする」かなぁ。「さよなら、また会おう、ごめんね、好きだよ」…丁度時期が311の待っただ中だった事もあって、もうシンクロしまくりで泣かされちゃいました。質の高い金太郎飴ですからね、何だかんだ言って、どれも美味しゅうございますです。

あっけらかんと浮気な恋を歌うポップな「お願いジュリー☆」、ちょっと懐かしい香りのする歌謡R&B系の「BLIND」、優しすぎて悲しい歌詞がメロウなメロディと相乗する「さよならマイ・ラブ」、ピアノ伴奏一本で語られる希求と救済のバラード「あなたと」等、キメ曲以外も好曲揃い。個人的には「Love Love Love」系列の高らかな人生応援歌である「Sing Forever」みたいな曲はストレートすぎてちょっと苦手なんですけど、こういうのを正面切って歌える平井さんは、素敵だなぁと思いますです。

プロデューサーに旧知の松尾潔さんが復帰してるのも今回のポイント。雑多なマテリアルがきちんと一本の作品にまとまっているのは彼の力に負うところが大きいと思います。
振り幅の大きさが平井さんならではの大エンターテイメント作。
あれこれいちゃもんつけられるのも楽しい良盤です。

チャートデータ
アルバム 3位
シングル
「CANDY」:7位
「僕は君に恋をする」:3位
「Sing Forever」:7位
「アイシテル」:9位
「いとしき日々よ」:7位





需要に応じてって事なんでしょうけど、やはりこういうのはファン泣かせ。
posted by Suzu at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月11日

ピンク・マルティーニ&由紀さおり『1969』(11年)

Pink Martini & Saori Yuki:1969(11年)

あの震災から一年が経ちましたね。

43年生きて来ましたけど、世界が一変するという経験をしたのはあの時が初めてかもしれません。
2万人に近い人の命を奪った未曾有の大災害。地震に始まり、津波、原発事故。スーパーからは物が無くなり、電気がいつ来なくなるかと心配するなんて、正直考えた事もありませんでした。
我々が日々築いているものなんて、ある時一瞬で崩れ去ってしまう。それでも、だからこそ日々悔いのないように一生懸命生きる事の大切さも改めて教えられた気がします。
あの日亡くなられた全ての方に、心からの祈りを捧げます。
どうか、どうか安らかに。生かされた僕たちは精いっぱい頑張って生きていきますので。


震災からの数日間、自宅の駅の3駅手前で電車が折り返し運転することになってしまったため、毎朝1時間歩いて駅まで通っていたのですけど、その時よく聴いていたのが由紀さおりさんが09年にリリースした『いきる』というアルバムでした。以前から大好きだった由紀さんですが、丁度この時期にこの象徴的なタイトルのアルバムに出会っていたというのも、何となく偶然以上のものを勝手に感じてしまっております。
そしてその8月、由紀さんが震災のチャリティー・コンサートを東京国際フォーラムで開く事が決定し、何とも幸運な事にチケットを入手した友人からお誘いいただいて、そのコンサートを見る事が出来ました。
チャリティー・コンサートということで曲数なども少ないのかな?等という危惧をよそに、ボリューム満点のセット・リスト。自身の歌謡ヒット・メドレーからスタンダード、ジャズ、童謡まで本当に圧巻のステージを楽しませていただきました。その中で、今度ピンク・マルティーニという楽団と共演して、世界で発売されることが決まりましたといって披露されたのが黛じゅんさんのカバーである「夕月」。また凄い歌を世界に向けて発売するんだなぁとその時は思いましたけど…もう皆様ご存じのように、これがとんでもない事になってしまったんですね。

同曲を含んだアルバム『1969』が10月に発売されるや世界中のItuneチャートで大ヒット。米国のItuneチャートで1位!と言っても正直最初はピンと来なかったのですけど、あのビルボードのジャズ・チャートのアルバム部門で5位を獲得した時は、こりゃぁ本物だ〜と小躍りしちゃいましたよ。まさかあの由紀さんがよもや世界的なヒットを飛ばすことになるなんて、一体どれだけの人が予想出来たでしょうか。

日本の歌謡曲が世界に認められた!といった紹介もよく見受けられますけど、正直なところ日本ではそれほど知名度が高くなかったものの、あちらではラウンジ的なポップ・オーケストラとして人気の高い楽団ピンク・マルティーニと組んだというところがまずは成功の要因であったと思います。そして選んだマテリアルが1969年当時に流行った歌謡曲が主体。もともと歌謡曲って洋的なものと和的なものが巧みに融合したハイセンスな音楽だった訳で、しかもその歌謡曲が最も才気走っていた黄金時代の名曲たちが選ばれているのですから悪いはずがないですよ。そしてそれを歌っているのが日本を代表する名シンガー由紀さおりさんな訳ですから、もう成功は約束されていたようなものです!

…なんて、嘘。
結果的には確かにそう言う事なんですけど、実際にこうして我らが由紀さんと我らが歌謡曲(しかも大半が日本語で歌われたもの)が、堂々と世界の市場で通用するなんて、先に「スキヤキ」なんて成功例はあるものの、やはり私には予想出来ませんでした。だからね、やっぱりピンク・マルティーニの人気って凄いんだなぁなんて思ったりするわけです(smile)。
ただし、そうだとしても、その楽団の人気を落とさないだけのクオリティをきちんと由紀さん側(日本側)が提示出来ているというのは、やっぱり凄いことなんですよね。ニューヨークでの公演の模様がテレビで放映されましたけど、あそこで見る事が出来た「パフ」のパフォーマンス。曲が始まった時の拍手は、あれはきっと懐かしい曲を演奏してくれる事への拍手だったと思いますが、曲の後半や、曲の終わりに自然と湧き上がったあの拍手は、あきらかに由紀さんの歌声に対して贈られたものだと思います。曲の情感が、言葉を超えてしっかりと伝わった証しに違いありません。

楽団のバンドマスターであるトーマス・ローダーデールさんが地元のレコード屋で偶然見つけた由紀さんのデビュー・アルバムをジャケ買い(smile)し、そこに収められていた「タ・ヤ・タン」をバンドで演奏した事がきっかけで始まった今回のコラボレーション。見過ごしてしまえばそれだけの事を、ここまでしっかりと結果に結実させた由紀さんとそのスタッフは、本当に凄いですよね。アメリカの楽団に歌謡曲を日本語で歌った作品を録音させてしまうなんて、伊達や酔狂で出来るはずありませんもの。そしてこの企画に乗ったトーマスさんの度量というのも、やっぱり凄い。由紀さんの才能に惚れこむと同時に、あの天使のようでいて妖艶な歌声が、世界の市場でも充分通用することを見抜いた訳ですから。…あぁ、ってことは、やっぱりトーマスさまさまな訳ですね。本当に有難う、トーマス!!

そんな訳で、素晴らしき才能が結集して作られた本当に素晴らしいアルバム。

一気に「和」の世界に誘うオープニングの「夕月」に始まり、本当に洒落ている「真夜中のボサ・ノバ」、どこまでも美しい「さらば夏の日」、情感の込め方が素晴らしくて泣ける「パフ」、まさに歌謡曲といった風情の湿度を湛えた「いいじゃないの幸せならば」や「私もあなたと泣いていい?」、オリジナルを尊重して幻想的に奏でられる「夜明けのスキャット」、ラテンに衣替えした「ブルー・ライト・ヨコハマ」に、あえて日本語で歌われるラテンの名曲「マシュ・ケ・ナダ」、女優魂炸裂のファニーで愛らしい「イズ・ザット・オール・ゼア・イズ?」、静かなたたずまいが味わい深く語りも効果的な「わすれたいのに…」、そして唯一の新曲である穏やかに降り注ぐ日差しのような「季節の足音」。
(※私が購入したのは輸入盤なので「夕月」で始まりますが、日本盤は「ブルー・ライト・ヨコハマ」がオープニングを飾っています。マーケティング的に、これは正解だったと思いますね。)

もう、本当に言う事ありません。素晴らしすぎ。
発売以来4カ月が経過しますけど、いまだに中2日ぐらいで通勤時に聞いちゃったりしてますからね。いくら聞いても飽きがこないというか、また聴きたくなっちゃう。歌声、演奏、楽曲、どれをとっても最高なんですもん。いい意味でのイージーリスニングになるところが、この作品の強みだと思います。重すぎず、軽すぎず。何もかも本当に丁度良い頃合い(バランス)。なかなかないんですよね、こういう作品って。

ちなみに、今回選ばれた激動の年1969年は、私が生まれた年でもあるんです。由紀さんが歌謡曲歌手としてデビューされたのが69年なのでそんな事もあってのチョイスだと思いますが、やっぱり何か、縁を感じちゃわない訳にはいきません(smile)。自分が生まれた時はこんな曲が流行ってたのかと別の感慨もあったり、何だか本当、個人的に贈り物をもらったような、気分です。

有難う由紀さん。
一生大切に、聴き続けますので。
そして全ての方に、この素晴らしき歌声を捧げさせていただきます。
こんな凄いこと、我らが由紀さんがやってくれたんですよ!

アルバム
オリコン:4位
ビルボード・ジャズ・チャート:5位



本当に素晴らしい表現力。そして「真夜中のボザ・ノバ」、なんて洒落た曲なんだろう!



トーマスさんが見つけたのはこのファースト・アルバム。
『いきる』も、歌謡曲をワールドワイドな視点から捉えた素晴らしいアルバムです。

どちらも以前記事を書いておりますので、よろしければご覧ください。
『夜明けのスキャット』→http://suzuenta-etc.seesaa.net/article/117328521.html
『いきる』→http://suzuenta-etc.seesaa.net/article/191369725.html
posted by Suzu at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月01日

矢島美容室『おかゆいところはございませんか?』(10年)

Yajima Beauty Salon:Does It Itch Anywhere?(10年)

とんねるずのみなさんのおかげでしたに出演した際のDJオズマさんの発言に端を発して結成されることになった矢島美容室。

マーガレット(母:憲さん)、ナオミ(長女:DJオズマ)、ストロベリー(次女:貴さん)の3人からなる少し前に流行ったドリームガールズを大いに参考にしたと思われる黒人ガールズグループの呈で、フィリーソウルを下敷きにした「ニホンノミカターネバダカラキマシター」でCDデビュー。2009年の年末あたりはテレビにも出たおしてそれなりの注目を集めていました。
そのコンセプト、楽曲の完成度の高さ、そして楽しさにおいてかなり個人的にはポイント高かったのですけど、正直世間的にはプチ・ブレイクの範囲内で、その後次々リリースしたシングルも右肩下がりで順位・売上を下げ、コンベアに乗った形で映画まで作ってしまったのには、さすがに引っ張りすぎというか悪乗りがすぎるなーという感じがいたしました。

それでもお安くなったら是非欲しいと思っていたアルバムを先ごろようやくゲット。そしてこれがね…本当に最高なんです。

デビュー曲になった「ニホンノミカターネバダカラキマシター」は先ほども触れましたけどフィリーソウルを下敷きしたノリのいいアップ・ナンバーで、日本の実情を知らない外国人がイメージする誠実で勤勉で礼儀正しい日本、そんな日本を応援します、そんな国のはずですよね日本は、という皮肉とエールを込めた作品。煌びやかで楽しすぎるパフォーマンスと楽曲の持つメッセージ性の高さ、絶妙なポニョ(smile)も含めてこんなに志のあるエンターテイメント作品って日本にはなかなかなかったような気がします。このあたりは長年お笑い界で一線を張り続けてきたとんねるずとそのブレーンの皆様の経験がものをいっているように思いますね。
そしてこの「ニホンノミカタ」と対をなしているのが4thシングルとなった「メガミノチカラ」。こちらもソウル・テイストのパンチが利いた楽曲ですけど、「ニホンノミカタ」でよくわからずも日本を信じてエールを送っていた彼女(?)たち。しかし日本語が少しわかってきたら、テレビから聞こえてくるニュースは暗いものばかり、それなら女性たちが立ちあがってこの国をよくしましょう、何があっても自分たちはエールを送り続けるから、という内容のポジティブな応援ソング。楽曲のかっこよさ、言葉の刺さり具合はこの曲がベストかな。

とにかくシングル曲はこの他も秀作揃い。セカンドの「SAKURA-ハルヲウタワネバダ-」は70年代のアイドル歌謡(主にキャンディーズ的なテイスト)をオールディーズ・テイストを散りばめて再現したポップ・ソングで途中ビッグ・バンド的なアレンジを施したりと遊び心満載。サードの「はまぐりボンバー」はサザンオールスターズを完コピした夏ソングで、楽曲の構成の仕方、歌詞の猥雑さ等実に秀逸なパロディ作品になっています。このアルバムには残念ながら収録されていませんけど、プリンセス・セイコ(松田聖子)を迎えた5thシングル「アイドルみたいに歌わせて」もモータウン調に無敵の聖子ちゃんパワーを取り入れた完ぺきすぎるアイドル・ソングで、全曲のソングライトを担当したDJオズマ(詞はおかげでしたの放送作家を務める遠藤察男さん)の才能の豊かさには唸らされました。

アルバム曲も貴さんキャラまんまのストロベリーが歌う「いちごつぶつぶロックンロール」や、役名からインスピレーションを受けたと思われるナオミのソロでヘドバとダビデのカバー「ナオミの夢」、マーガレットが和田アキ子さん張りに歌い上げるバラードの「爪の先まであなたでした」等それぞれのソロでの変化球の他、60年代ポップ・ソウル調の「mamaに絶対恋してる」、ラウンジ・ミュージック〜AORテイストの「ニホンジンニナリタイ」、HipHopノリな「MURI-ジツハエイゴガハナセナイ-」等楽しい楽曲が盛りだくさん。

業界ネタ、楽屋落ち、時にナンセンスが過ぎる歌詞等そこがとんねるず風にしてもあんまり好みじゃないなーという部分も散見されるんですけど、それを補って余りある総合的なパフォーマンス力の高さと楽曲の楽しさかっこよさ。女性を演じさせたらそれこそ爪の先まで天下一品になりきる憲さん、驚くほどに可愛いDJオズマ、そしていつものキャラで5才の次女に扮した貴さん…何をしても器用さという点では憲さんのほうに軍配があがるんですけど、今回じっくり矢島を聴いていて認識させられた貴さんの不器用さと圧倒的な押し出しの強さから生まれるおかしみ&何故だか感じる温かみ。やっぱりとんねるずは二人のバランスの良さから成り立っているんだなぁと再認識いたしました。
そして何より矢島の楽曲を聴いていると元気になってくるんですよね。どの楽曲にも共通しているポジティブなメッセージとエールは、今こそ日本に必要なものだと思うんです。
フレフレジャパニーズ、腰振れジャパニーズ、矢島はそうやって明るく私たちを応援してくれてますから。

褒めすぎと思うでしょ?
いやいや、もう一度PVを見て、歌詞や曲をじっくりと味わってみて下さい。
マジ最高ですから。
ちなみにジャケットはローリングストーンズの『女たち』のパロディらしいです。
(言われなきゃわかんねー)

チャートデータ(オリコン)
アルバム 12位
シングル
「ニホンノミカターネバダカラキマシター」:3位
「SAKURA-ハルヲウタワネバダ-」:5位
「はまぐりボンバー」:9位
「メガミノチカラ」」:12位




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2011年07月08日

小泉今日子『ナイス・ミドル』(08年)

Kyoko Koizumi:Nice Middle(08年)

KYON×2、です。

我らが世代の代表的アイドルな訳ですけど、基本リアルタイムではアイドルにあんまり興味がなかった私。とくにキョンキョンの場合は聖子&明菜様のように後追いでアルバムを集めたりがっつりはまったという事はなく、今までに聴いてきたのもベストや『KOIZUMI IN THE HOUSE』、『ナツメロ』など企画性の強い作品が主でございました。
実はこの『ナイス・ミドル』も発売当時さかんにテレビでプロモーション出演していた際に小耳に挟んだ感じではそれほど惹かれずだったのですが、近所の図書館にストックされてるのを借りて聞いたらとても良くって、先日DVD付のCDがお手頃な値段で売っていたので改めて購入した次第です。

現在40才前後をさす言葉としては「アラフォー」が代表的ですが、キョンキョンとしてはこの言葉に抵抗感があったんだそうな。そして自身とその年代をさす言葉として「ナイス・ミドル」を選んだ感覚は、どこか昭和的というかより洒落た大人を連想させていい感じ。昔自分がイメージしていた大人世代への憧れと同年代へのエールも含みながら、今の等身大なあたしはこんな風ですという小泉流宣言にもなっているのが、らしいなぁと思いますね。

アルバムのお気に入りはオープニングの「イノセント・ラブ」とラストの「今日の約束」。「イノセント・ラブ」は今回プロデュース等で参加しているTOKYO No.1 Soul Setのカバーで、クラシカルで疾走感のあるメロディーと手離してしまった恋を後悔する臨場感のある歌詞があいまって、とても切ない気持を掻き立ててくれる名曲。
「今日の約束」はどこの家でも交わされていそうな親子の会話がモチーフになっていて、3〜5才の男の子ってこんな感じだよなーというほのぼの感とあるある感がまた絶妙。こちらもTOKYO No.1 Soul Setの書き下ろしプロデュース曲で、このSoul Setというグループも今度ぜひ聞いてみなきゃと思いました。
他にも情緒的で瑞々しさ溢れる「SAMIDA-Rain」や、可愛らしい酔いどれおちゃらけソングの「小泉今日子はブギウブウギ」、官能的な「秘密の森」、バンド系ロックの「スリーピー」、3丁目の夕日的な世界の「君の住む街へ」等さらっと良い曲が揃っていて、幕の内的ながらもとっ散らかった印象のない好アルバムに仕上がっております。

付属のDVDは08年のサマーソニックに出演した際の映像で、「艶姿ナミダ娘」や「月ひとしずく」等5曲が収録。現在歌手メインの活動ではないですし、昔から若干生歌唱では音程などふらふらしやすかったので、久しぶりならまーこんな感じかなーという出来栄え(smile)のステージ。それでもラストの「なんてったってアイドル」では喉も温まったのかやはり歌い慣れているのか、ノリの良い歌声を聴かせてくれております(イエイ!の連発はキツそうですけど…)。

聖子様がセルフ・プロデュース街道を能天気にひた走り、明菜様があぁいった状況にある中、こんな素敵な作品を作ってくれるキョンキョンには何だか感謝したい気分でございます。
キョンキョンも手元にあるのから少しずつ探訪していこうかなぁ、
なんて。

チャートデータ
アルバム 48位




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2011年06月23日

東方神起『キープ・ユア・ヘッド・ダウン』(11年)

Toho-Shinki:Keep Your Head Down(11年)

隣国の方には東日本大震災での温かいご支援と大変なご迷惑、感謝とお詫びを申し上げます。

しかしながら、あくまで日本がそれだけの消えない遺恨を残したんだ、というのは前提にしなければいけませんけど、どうもここ最近韓国や中国での対日本という動きには感情的に敏感になってしまって。

もうけっこう前になりますが、サッカーのアジア杯で韓国の選手が日本を揶揄するパフォーマンスをして問題になりましたけど、本来ピッチに立った以上当然第一にスポーツマンでなくてはならないはずなのに、自分はサッカー選手である前に韓国人だ、的な発言がすらっと出てきてしまうのって、やっぱりなんか変な気が。
言われ放題、やられ放題なのも、経済、スポーツ、文化などで既に日本が優位国でなくなっている影響も大きいのでしょう。色んな面で我々はもっとハングリーに行動しなきゃダメなような気がしています。

そんな中で、韓流ドラマからK-POPへともう日本に完全に根付いてしまった感のある韓国からの芸能の波。
K-POPでは特に昨年は少女時代、KARAと女性グループが大躍進し、男性グループもBIGBANGの安定した人気に加え、今年は野獣アイドルという凄いキャッチの2PMが本格デビュー、他にもMBLAQ、SHINee、Beastと次々に矢は放たれる勢い。ブームうんぬんよりも、客観的に見て見栄えも良く歌も踊りもいけるんですから、それは人気も出ますよね。ジャニーズやAKBに興味を持てない層にアピールするところも大きいと思いますし。

そこで、の、東方神起。

いわゆるK-POPブームの立役者である彼らですが、地道な活動から人気を獲得していったイノベーターである彼らだけは、K-POPという流行り言葉の中では語りたくない感じがあります。
本格的なブレイクを果たしてさぁこれから!という時期に(きっと起こるべくして起こったのでしょうけど…)起こってしまった分裂騒動。ジェジュン、ジュンス、ユチョンが抜け、ユンホとチャンミンだけになってしまった東方神起。活動の継続が危ぶまれましたが、結局今年デュオとして2年3ヵ月ぶりに活動を再開することになりました。
グループの中でも一番フレキシブルなオールラウンド・プレイヤーであったリーダーのユンホと、最年少ながら一番のヴォーカルの爆発力で「聴かせる」要の役を担っていたチャンミン。
正直3人が抜けたとしてもこの2人なら充分やっていけるはず、と思っていましたけど、やはり何の心配もいりませんでした。

ファースト・シングルで日本でも1位を獲得した「ホワイ?(キープ・ユア・ヘッド・ダウン)」はユンホの軽妙なラップとチャンミンの熱い歌声が相乗するメタリックでアッパーなダンス・チューン。同傾向で大陸的というよりはジャパン?なオープニングを持つ「マキシマム」も実にキャッチーな1曲で、ハナモゲラで口ずさんでしまいます。インシンクの「ガールフレンド」を翻案しちゃったような「クレイジー」も元ネタ踏まえて良い曲だし、二人それぞれに想いを込めてジェントルに歌い上げるバラードの「ハウ」や「告白」、ミディアムなリズムが心地よくてセクシーな「ルーモア」や「ハニー・ファニー・バニー」、ドラマティックな「Athena」等、ユンホとチャンミンの再出発へ賭ける思いがひしひしと伝わってくる入魂で捨て曲なしの全11曲。
もちろん韓国語ですけど、このクオリティの前では一切気になりませんよ。

ユンホはこんな新作の忙しいプロモーションの合間にキム・ヨナ選手主催の芸能人フィギュア王的番組に出演、3カ月の特訓で華麗にマイケル・ジャクソンへのトリビュートを氷上で舞って絶賛されてました。お願いだから事務所さん、彼らにあまり無理させないでね。

チャートデータ
アルバム
日本未発売
シングル
Why?(Keep Your Head Down):1位


日本語訳がついてます → http://youtu.be/JhHbaOcwA0g


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2011年06月19日

斉藤由貴『ガラスの鼓動』(86年)

Yuki Saito:Garasu No Kodo(86年)

NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」にはまってます。
(普通連続テレビ小説って朝見るものじゃありません?昼専門の妻…。)

戦中から戦後〜現代にかけて明るく懸命に生きた陽子という女性の物語。朝ドラが得意としてきた設定ですけど、とにかく泣ける。素敵な登場人物たちが、戦争という抗いようのない暗い影にどんどん飲み込まれていく様に泣ける。家族を思い、友人を思い、恋する人を思う姿に、泣ける。もう本当に辛くて切なくてよい話の連べ打ちです。まだ見てない方は今からでも遅くない、ぜひ録画でもしてご覧下さいませ。

物語は現代の陽子(若尾文子さん)が、ご近所さんの主婦房子に昔語りをする形式で進んでいくんですけど、この房子さんを演じているのが斉藤由貴さん。朝ドラは「はね駒」以来の登場でしょうか?狂言回しとしてとっても良い味を出してくれております。

で、斉藤さんの音楽が聞きたくなった…といういつもの薄い動機。
まぁでも色々種は蒔かれていたんですよ。数年前からはまってる谷山浩子さん。谷山さんと言えば、斉藤さんのメイン作家と言ってもいい立ち位置で、けっこう斉藤さんに提供した作品をセルフカバーしてたりもしますし。
よく覗かせていただく歌謡曲系のサイトでも、谷山さんのコンサートにゲスト出演する不適な斉藤さんの面白おかしい話とか、アルバムや彼女自身のコンサートについての大絶賛ぶりとか、次第に私の中で彼女に対する興味が膨らんできたところでの今回の「おひさま」出演。何だか運命だった気がしますね(大げさ)。

もちろん私もいい歳なので、斉藤さんの事はデビュー時点から知ってますが、正直あまり注力したことがなかった。歌手「斉藤由貴」よりも女優「斉藤由貴」のほうが何となく好きでしたし、ヒット曲もどんどん私の中を通過していっただけでひっかかった事がありませんでした。一番好きなのがスケバン刑事の主題歌「白い炎」だった、と言えば程度がわかってもらえるかもしれませんね。

そんな訳で今回ほぼ初めてなくらい彼女の歌を一生懸命聞いてみたわけですが、これが今まで何だったのかと思うぐらい、いい。彼女の声がダイレクトに胸に響いてくる感じ。持っていたベスト盤でもこの曲いいあの曲いい状態でしたが、お友達のタローさんからオリジナル・アルバムの「ガラスの鼓動」をご推薦いただいたので、今はこればっかり聞いております。

アルバムは吃驚のクラシック系インスト曲でスタート。だって一応これバリバリの現役アイドルのアルバムでしょ?基本買うのはアイドルの由貴ちゃんの歌声を聴きたいボーイズが主体だったでしょうし、それにこんなお預け食らわせるなんて、斉藤さんのスタッフ、素敵にいじわるだよなぁ(smile)。同系列のクラッシク風唱歌「月野原」を挟んで、じらしてゴメンねとばかりにここからシングル曲の3連打で本作のハイライトに突入。正確には「土曜日のタマネギ」はアルバムからの12インチ・シングル・カットなのであてはまらないっちゃーあてはまらないんですけど、この曲から「初戀」「情熱」と続くこのパートは間違いなく本作の表向きなハイライトに違いありません。「初戀」の瑞々しさ、「情熱」の叙情性もさすがの松本隆/筒美京平コンビですが、聞き返すにつけのめり込んでいくのは谷山浩子/亀井登志夫コンビの「土曜日のタマネギ」。詞を味あわないとアカペラ・コーラス(谷山、亀井、武部聡志、久保田利伸と豪華メンバー)の素敵なほんわかモードの1曲なんですけど、そこはさすがの谷山先生、実に情念深い世界を展開させていて、特に2番の歌詞にはやられました。

さよならニンジン・ポテト 宇宙の果てにお帰り
胸の残り火ごと 全部捨てたと思ったのに
おなべの底にタマネギ ひとりでしがみついてる
イヤヨ、アキラメナイ! たぶんこれがわたしね


WHY、WHY、WHY?今夜わたし
いらないオンナになりました
ころがる床の上


野菜に向かって宇宙の果てにお帰りって壮大すぎだよ(でも気持ちわかるぅ)、なべ底のタマネギに自分を重ねるなよ、いらないオンナって生々しいよ、ころがる床の上って絶対包丁握りしめてるだろ…みたいな。
斉藤さんも実にうまくこの、あ〜ぁ、やんなっちゃうなぁ〜って世界を表現してるし、これはマジ、傑作だと思います、

後半(B面)は前半(A面)ほどの濃密感はないにせよ、松本先生の詩情溢れる歌詞に心洗われる「コスモス通信」や「海の絵葉書」、斉藤さん自身のペンによるちょっとコミカルな「お引越し・忘れもの」、優しくてドリーミーな「パジャマのシンデレラ」、他の楽曲に比べても一層凛とした歌声で聞かせる「今だけの真実」と、後々効いてきそうな好曲ばかり。

自分が80年代の人間だから余計にそう思うのかもしれないですけど、80年代アイドルのアルバムって、本当に質の高いものが多いですよね。松田聖子さんの登場によってアイドルにもより高い音楽性が求められるようになり、職人たちが素材を輝かせるために一丸となって腕を揮っていた時代。秋元康によって拡散させられていくアイドル歌謡の最後の輝きが彼女たちだったのかななんて、思ったりもいたしました。
ま、小難しい話は抜きにして、このアルバム最高。斉藤さん、はまりました。

追っかけるぞー。

チャートデータ(オリコン)
アルバム 1位
シングル
「初戀」:4位
「情熱」:3位
「土曜日のタマネギ」:6位


「情熱」も、本当にいい曲。


BOX買うのが手っ取り早いけど…許されないな。
posted by Suzu at 07:30| Comment(6) | TrackBack(0) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月18日

稲垣潤一『男と女2』(09年)〜平井堅『Ken'sBarU』(09年)

今でも基本現物主義というか音楽も固形物で保持したい私ですけど、大容量のipodに鞍替えしてからは以前のようにポータブルCDプレイヤーを持ち歩くこともなく、全てipodに取り込んで音楽を聴いております。こういう形で聴きなれるとCDもないならないで不便じゃないか?と配信購入などにも手を出してみている私。
聴く物=買う物でしたのでCDはレンタル等もしたことないんですが、今後ちょっと興味があるぐらいなものはそっち方面で手を打っていってもいいのかな、等と思っている今日この頃です。
で、家の近所にある中央図書館にCDも置いてあるのですが、これが意外に新しいものやちょっと聞いてみたかった物などが置いてあって、最近日曜になると出かけては物色しております。今日はそんな中からカバー系のアルバムを2つご紹介させていただこうかと。

Jyunichi Inagaki:Men & Women 2(09年)

レコード大賞の企画賞受賞とかデュエットの最多記録でのギネス申請とか色々話題のある作品ですが、何となく即席感漂いまくりでクオリティ的にどうなのよ?という先入観から中古屋で手にとっては離しを繰り返しておりました。
10人の女性歌手とのデュエット。確かに即席感があったり、いまひとつ息の合ってないものもあったりするのですけど、基本皆さん歌い手としてのしっかりしたベースのある方ばかりなので、大きく外すということはなく。
特に中盤の中堅シンガー(岡本真夜、沢田千佳子、小林明子、遊佐未森)たちとの作品はどれもその歌い手の方の個性がほどよく出ていて稲垣さんとのケミストリーも感じられる出来です。
小林明子さんとの「元気を出して」のアレンジにはカーペンターズの「クロース・トゥ・ユー」が用いられているのですが、小林さんと言えばリチャード・カーペンターとアルバムを作ったこともある大のカーペンターズ好き。そんなところまで考慮して?なんて考えると、なかなかに奥行きのある企画だなぁと思いますね。
FNS歌謡祭ではぶっとんだ共演になっていた広瀬香美さんとの「クリスマスキャロルの頃には」もレコーディング・バージョンはけっこう調和のとれたものになっていました。
名曲をちょっと変わった趣向で楽しみたい方にはお薦めできる作品集です。

チャートデータ
アルバム:9位(オリコン)

Ken Hirai:Ken'sBarU(09年)

平井堅さんのカバー曲主体のライブ、Ken'sBarのスタジオ録音版第二集。
平井さん自体好きな歌手なのでもちろん購買リストには入っていたのですけど、前作もそんなには聴かなかったしオリジナルに比べるとそれほど大きく食指も動かない…という理由で後回しにしてきた1枚です。
通常のカバー・アルバムだとどうしてもマーケティングへの考慮があるため、似たり寄ったりの選曲になる場合が多いのですが、平井さんのこのシリーズは割と本人の好みが反映されているようで、マニアックな選曲を楽しめるのがポイント。「どんなに僕が君を好きか君は知らない」とか「LOVE〜デスティニー」等原曲よりも切なさ成分高めで平井さんらしい仕上がり。
中島みゆきさんの「わかれうた」とか取り上げていて、選曲自体は普通だなーと思っていたらこれがスピッツの草野マサムネさんとのデュエット。普通この二人でこういう曲歌わないよね?という意外性だけでも十二分にお得感のあるナンバーでした。外国曲では往年のスタンダード系以外にニーヨの「ビコーズ・オブ・ユー」とかにチャレンジしてるのも好感がもてました。「ニューヨークへの想い」はちょっと思い入れたっぷり過ぎ?スティーヴィーの「レイトリー」はさらっとしてて好カバーですけど。
前回故坂本九さんと繰り広げたデジタル合成による「見上げてごらん夜の星を」のデュエットは感動的でしたよね。でもって今回はナット・コールの「スターダスト」を何とあの美空ひばりさんとジョイント。ひばりさん可愛らしいし、二人のハーモニーももちろん悪いはずはないんですけど、まぁ、これは、さっすがにちょっと平井さんにしても畏れ多いんでは?聞いてるこっちが何だか緊張しちゃいました…。
全体としてはアーティストの趣味と個性がきちんと出た好カバー集としてお薦めの1枚です。

チャートデータ
アルバム:2位(オリコン)

PS.でまぁ、平井さんのKen'sBarは結局後で購入しちゃいました。あはは。



それでも暴走気味な広瀬香美「クリスマスキャロスの頃には」→ http://youtu.be/nMnrKFgh62Q





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2011年04月01日

H2O『想い出がいっぱい〜ザ・ベスト・コレクション』(03年)

H2O:H2O The Best Collection(03年)

最近何故だかH2Oをヘビーローテーション中なのです。

何故だかって…実はたまたまYou-Tubeサーフィンしていた時に、来生たかおさんが「僕らのダイアリー」(来生姉弟の作品)をコンサートでセルフカバーしてるのを聞いたからだったように思うんですけど。
H2Oの一般的な代表曲がアニメ「みゆき」の主題歌でもあった「想い出がいっぱい」であることに異論はありませんが、個人的に想い出深くて大好きなのが「僕らのダイアリー」と彼らのデビュー曲でもある「ローレライ」の2曲。
ご存じの方はご存じでしょうけど実はどちらも柳沢きみおさんの漫画「翔んだカップル」の映像化作品に使われていて、「ローレライ」のほうは鶴見辰吾さんと薬師丸ひろ子さんが主演された映画版に、「僕らのダイアリー」は桂木文さんや柳沢慎吾さんが出演していたテレビドラマ版に、それぞれ挿入歌、主題歌として起用されていたんです。小学生だったんですけど漫画版が(たぶんに兄の影響で)大好きだったので映像化させると知った時はそれは楽しみで、映画版には青春期のままならない心の揺れ動きに共感し、テレビ版ではその当時は斬新だったバラエティ的手法(NGシーンを並べたエンディングに大爆笑!)のドラマを大いに楽しませてもらったのでした。そしてそこには必ずH2Oの歌が流れていたわけで、繊細で透明感たっぷりの美しいバラード「ローレライ」、ちょっとコミカルに恋のもやもやを歌う「僕らのダイアリー」は、どちらも胸の痛みがともなう甘酸っぱい思いでの歌として、私の中で殿堂入りしちゃっているのです。

Oh、感傷的。

まぁそんなこんなで、その名も『POOL』というコンパクトなベスト盤を持っていたのですが、もう少し大容量タイプのが欲しくて買い直したのが今回表題の『想い出がいっぱい〜ベスト・コレクション』でございます。
H2Oは中学校の同級生だった赤塩正樹さんと中沢堅司さんによるユニットで、高校時代のバンド活動を経て大学でデュオとなり、在学中に事務所と契約してメジャー・デビューした早熟系の実力派。ですからもちろん自分たちでも曲が書けるわけですけど、シングルはより購買力の面で安全策(?)を取られたのか職業作家の皆様の作品をヴォーカリストに徹して歌ったものが多いです。歌声だけでも充分勝負出来る魅力を持っていた、とも言えますけどね。

あだち充作品って世代的に少しズレるのであまりそれ自体への思い入れは薄いんですけど、「10%の雨模様」や「Good-bye シーズン」等は純粋に曲として好き。「ゴー・アヘッド」や「レビュー1999」では本来のポップ・デュオぶりが垣間見えますが、「ジョバンニ」や「ブルーベリーの頃」等瑞々しさを湛えたバラードにはやはり心洗われるよさがありますね。ボーナス・トラックとして21世紀バージョンと題された新録音の「想い出がいっぱい」が収録されていますが、正直これは旧バージョンとの差別化を図らねばならないこともあって、縮小再生産になっているのは否めない…かな。

聞けばきっとあの頃の何かを思い出すんじゃないでしょうか?思い出さないのも幸せだったりしますけど…後ろを振り返ってみるのもたまには悪くないですよね。

チャートデータ
「想い出がいっぱい」:6位
他はわかりませんでした。


どちらも映像と共にお楽しみ下さい。「ローレライ」はけっこう後で流れます。沁みるなぁ…。




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2011年03月21日

由紀さおり『いきる』(09年)

Saori Yuki:Ikiru(09年)

皆様、こんにちはです。
いかがお過ごしでしょうか?
多くの方が同じかと思いますが、40数年生きてきましたけど、ここ10数日間で思いもよらなかったような事ばかり経験しております。
この世の終わり?と思うような地震にあい、まさにこの世の終わりのような映像を毎日テレビで見ることになり、スーパーやコンビニから物が消え、ガソリンも灯油も消え、放射能を心配し、電気がいつ来なくなるか常に心配し、最寄駅の電車は動かずに毎日どう通勤しようかと悩みetc。

いかに便利に生きてきたかを痛感してます。
そして、(被災した方たちには大変申し訳ないですけど)愛する人たちも寝るところも食べることも働く場所も失わなかった事の幸運も、正直感じています。あぁして何もかも失ってしまったら、自分は前を向けるだろうか?そんな事も考えてしまいますよね。がんばって、何て、簡単には言えないような辛すぎる現実ばかり。
強くいることって、大変なことですもの…。

ようやくうちの駅まで本数は少ないながらも電車が動くようになりましたが、何日かは3つ先の駅まで1時間のウォーキングをしておりました。たいして苦にならなかったのは、お気に入りの音楽を聴きながらだったから。怒号が飛び交う駅でも、とりあえずちょっと大きめの音量でまわりをシャットアウト。なかなか乗った電車が動かなくたって、音楽さえあればへっちゃらなわたくしでございました。

そして、音楽をこうして聞いていられることの有り難味等も、実感しているわたくしなのです。

今日はそんな風に元気をもらっているウォーキング・ミュージックの中から、お気に入りをひとつご紹介させていただこうと思います。
由紀さおりさんが歌謡曲歌手としてデビューした「夜明けのスキャット」からの40周年を記念して09年にリリースしたアルバム『いきる』でございます。

由紀さんと甲斐バンド等のプロデューサーとして有名な佐藤剛さんが目指したのは「21世紀の歌謡曲」を作ること。「曲」の多くは多彩なジャンルの外国曲が選ばれていて、ナイジェリア在住のシンガーソングライターとして注目を集め、先ごろニュー・アルバムをリリースしたばかりのアシャの作品や、ダイアナ・ロスの「恋のプレリュード」、ロッド・スチュワートの「もう話したくない」、スタンダードになっているジョニー・マンデルの「いそしぎ」、シャンソンやインストルメンタルの曲として有名な「ソレアード」等。これらのマテリアルに「人のセックスを笑うな」等で有名な作家山崎ナオコーラさんや、直木賞作家の井上荒野さん、時代劇作家の早瀬詠一郎さん等が日本語詞をつけるというトライアルになっています。ここに長らく自主規制による放送禁止曲となっていた岡林信康さんの「チューリップのアップリケ」や、中村中さんのカバーや描き下ろしの新曲、エディット・ピアフの生涯に感銘を受け、それに自分の人生を重ねて作られた新曲「真綿のように」等を加えた構成。
歌謡曲というのは基本和物と洋物のミックスから生まれた音楽ですから、なるほどなぁのアプローチ。アシャや中村中さんの起用など新しい人と組んでいくところも、音楽面では常にアグレッシブな姿勢を取ってきた由紀さんらしいチャレンジですよね。

書き下ろされた詞はビターな大人のラブ・ソングが中心。そしてその主人公の人生をかみしめる様に、哀感を込めて歌う由紀さんがこれまた実に素晴らしいんです。かなりバラエティに富んだ内容なんですけど、由紀さんが歌うことでそれがすべて違和感なくひとつに同居。変に重たくならず、あくまでモダンに洒落たテイストで聞かせるところも由紀さんならではだなと思います。

アルバムのテーマはそのものズバリ「生きること」。今となっては何とも象徴的はタイトルになってしまいましたけど、人は悲しみを抱えながらも、それでも生きていかねばならないというメッセージが、声高でなく全編で語られた秀作です。
是非とも、お手に取っていただきたいと思います。

そして今回の地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、被災された地域の一日も早い復興を、願いたいと思います。

チャートデータ
チャート入りなし


アシャの曲のカバーと、由紀さんバージョンがないのでオリジナルの「チューリップのアップリケ」を。


ファーストから「Bi' ban k」と「360°」をカバー。
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2011年03月09日

クラッシュ・ギャルズ『ゴールデン・ベスト』(10年)

Crush Gals:Golden Best Square Jungle(84)/Forever Crush Gals(87)

今週のアメトークは女子プロレス芸人らしいんですけど…。

幼稚園ぐらいの時にテレビでちらっと見た女子プロレスは、水着の女の人たちが嬌声を上げながら戦ってる姿が何かものすごくいけないものを見ているような印象で、チャンネルを合わせるのも恥ずかしいかったように記憶しています。
時は流れ小学校の高学年。時代はマッハもビューティーペアも過ぎた後のジャガー横田、デビル雅美、ミミ萩原等が活躍していた人気としては谷間の頃。何気なく見た今度の女子プロレスは、以前に感じた気恥ずかしさ等を凌駕するかっこよさと興奮に満ちていました。1ヵ月に1回土曜日の夕方にあるかないかのテレビ放送。毎週土曜日のテレビ欄を見ては一喜一憂してましたっけ。
ジャガーがモンスター・リッパーをバックドロップ固めでマットに沈めたWWWAの世界戦や、デビルが初めてトップ・ロープからの雪崩式ブレン・バスターを決めた時の驚きは昨日のことのように覚えています。タッグ・マッチでせっかく攻勢に出ていたジャガーからバトンタッチされたとたんやられてしまうミミ萩原に、だったら交替するなーと毒づきながら、それでもセクシーパンサーの本領を発揮する歌コーナーでの彼女は大好きだった私。この頃の女子プロが一番好きだったなー。

そんな女子プロレス界にビューティー・ペア以来の人気を呼びこむことになったのが、ライオネス飛鳥と長与千種によるクラッシュ・ギャルズ。ストロング・スタイル…というんでしょうか、とにかく闘魂をむき出しにした男子プロレス的な試合スタイルで、敵役にダンプ松本率いる極悪同盟という好敵手をも得て人気爆発。フジテレビの月曜7時というゴールデンタイムのレギュラー枠まで獲得し、一時代を築きました。
宝塚的なティーン向けの人気は長く続かなかったんですけど、その後全女以外の女子プロレス団体乱立に伴う団体間の抗争などで男性のプロレス・ファンを巻き込む躍進の端緒となったのは、間違いなくクラッシュにあると思います。その後拡散から衰退への道を辿ってしまったのは残念ですが、そんな思いでをひっくるめてアメトークではどんな熱いトークが繰り広げられるのか、楽しみなんですよね。

まぁそこからつなげて昨年リリースされたクラッシュ・ギャルズのゴールデン・ベスト。ベストと銘打ってはいますけど、実態はデビュー・アルバムの『スクウェア・ジャングル』とラスト・アルバムの『フォーエヴァー・クラッシュ・ギャルズ』の2in1という構成。せっかくのゴールデン・ベストですからシングル曲網羅に+アルバム人気曲とかのほうがよかった気もしますけど、過去にも数種類ベストがリリースされた経緯があるので、今回はこういう趣向になったのかなと思います。
「俺たち」という言葉が頻繁に出てくるように、性別不要の独特な夢をつかむぜ歌謡がてんこ盛り。曲調としてはシブがき隊なんかに近いですかね。シングル曲には後藤次利&森雪之丞(Oh!シブがき)、馬飼野康二&松井五郎等人気ライターが投入されております。クラッシュ解散後は一人で夜もヒッパレ等に出ていたように、歌唱力という点では長与のほうに軍配があがる感じで、ラスト・アルバムは二人の決別を示すようにAB面を飛鳥サイド、長与サイドと分けているんですが、長与サイドが1曲以外全てバラードというのも自信の現れかと思います。水越恵子さんと一緒に曲等書いたりもしてますし。飛鳥はちょっと似ているということもあって吉川晃司風だったりするのも面白いですね。

全女ではマッハ朱美の「花を咲かそう」以来脈々と続いた歌う女子レスラーの系譜。
ビューティー・ペアはベストなどもリリースされましたけど、その他は未CD化が続いている現状です。ジャガー横田の「愛のジャガー」はご愛敬でしたけど、歌唱力のあるミミやデビルは名曲だらけでしたし、その他にもナンシー久美の「アマゾネス女王」やクイーン・エンジェルスの「ローリング・ラブ」等好曲・珍曲が盛りだくさん。レーベルの枠を超えた「全日本女子プロレス歌謡大全集」とか出せないものでしょうか?
リイシューの波もどんどんレア化している昨今。そんな日が来るのを希望を込めて待ちたいと思います。

チャートデータ
アルバム
Square Jungle:28位
Forever Crush Gals:30位
シングル
「炎の聖書」等トップ40ぐらいには軽く入ったはずですが…見つけられませんでした。


「アマゾネス女王」…ツボだわぁ。


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2011年02月11日

桑江知子『ゴールデン☆ベスト』(09年)

Tomoko Kuwae:Golden Best(09年)

桑江知子さんのゴールデン・ベストでございます。

桑江さんと言ったら、何といっても79年のデビュー曲「私のハートはストップモーション」ですよね。ポーラ化粧品のCMソングとなって大量オンエアされた同曲はオリコン12位を獲得するスマッシュ・ヒットを記録して、結果的にレコード大賞の最優秀新人賞を彼女にもたらしました。
79年と言えばいわゆる歌謡界の大転換期であり、キャンディーズの解散や山口百恵さんが引退に向かう中、ニューミュージックが全盛を迎えていて、特にアイドル系歌手は大苦戦を強いられてた時代。井上望さんとか倉田まり子さん、高見知佳さんに能瀬慶子さん等の印象に残る歌手がたくさんデビューしましたけど、正直歌手として大成された方はいらっしゃいませんでした。というか、翌年デビューの松田聖子さんによって、軒並み一掃させられた…という印象もありますけど。

まぁ桑江さんはアイドルというよりはニューミュジックの香りがする実力派歌手、という売り出され方だったので、同期のアイドルの方とは一線を画する立ち位置だったと思います。チャート成績や売上的にも頭2つぐらい「私のハート」のおかげでリードしていたので、そこがレコ大最優秀新人の栄冠につながったんでしょうね。確かな実力を持った方だったので、後が続かなかったのが残念ですが。

そんな桑江さんのビクター時代の楽曲を18曲収めたベスト盤。
正直1曲目の「私のハートはストップモーション」以外シングルでも覚えている曲がなかったので楽しめるのか不安だったのですけど、これがどうして全然OK。
都倉俊一さんをメイン・ライターに、来生姉弟や尾崎亜美さん、PANTAさん等の有名どころが楽曲提供をしていて、正直シングル・ヒットを狙うようなキャッチーな曲というのは少ないんですが、そういった作品でも魅力的に聞かせるだけの歌唱力を桑江さんが持っていらっしゃる。やっぱり歌が上手いってのは基本ですよねー。ご自身で曲も書かれていて、これもなかなかに良い出来です。

一時期ロス・インディオスと一緒に活動していたんですが、この時出合ったラテンの音楽がきっかけでそちら方面に傾倒。沖縄出身という事もあり、三線の演者として、またラジオのDJなどとして現在も活躍を続けている桑江さんなのでした。

チャートデータ(オリコン)
シングル
「私のハートはストップモーション」:12位
「ブルーブルーアイランド」:93位
他はわかりませんでした。





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2011年02月09日

ギャル『薔薇とピストル〜コンプリート・コレクション』(10年)

Gal:Bara To Pistol Complete Collection(10年)

Hot Wax発行の歌謡曲名曲名盤ガイドは、ソウル本で言えばUSブラック・ディスク・ガイドに匹敵する歌謡曲ファン必携のレビュー本。聞いてみたいけどなかなか現物にはお目にかかれそうにない作品等も数多く掲載されております。
そういう読者の声を汲み取ってか、素晴らしい事にこちらの会社は紹介作品のCD復刻にも力を注いでくれており、今までにレア音源を数多く収録したディスクを世におくりだしていますが、昨年夏に個人的には一押しで聞いてみたかった作品がいつの間にかのリリースとなっておりました。

そう、ギャルでございます。

こちらのギャル、伝説のオーディション番組「スター誕生」からデビューした黒木真由美さん、石江理世さん、目黒ひとみさんがソロ歌手としての挫折を経てリ・スタートを切るためにアイドル・グループを結成して(させられて)再デビューした(させられた…)という、とんでもなく芸能的な成り立ちを持ったグループで、しかもシングル4枚にアルバム1枚を2年の活動期間の間に残し、またも大きな成果を得られずに解散の憂き目にあうという悲運(*)のガールズ・グループなのであります。
*結果的にソロとグループの2回も売り出してもらえたのですから、一概に不運とは言えないかもしれませんけど。

本CDはギャルの4枚のシングルAB面とアルバムを丸ごと収録したコンプリート・コレクション

77年10月デビュー、時代はキャンディーズとピンクレディーの全盛期、しかも作詞を手掛けているのが阿久悠氏ということもあり、デビュー曲の「薔薇とピストル」、セカンドの「マグネット・ジョーに気をつけろ」等は非常にアクの強いアクション・アイドル歌謡になっています。
しかもそれぞれが歌手としての技量を備えた上で猛特訓を積んだ成果もあり、どこか優等生的に響くハーモニーも和製スリー・ディグリーズの趣で、非常に聴きごたえがあります。
メンバーが石江理世さんから中世古明代さんに交代してリリースされたアーバン・ポップス調の「誘惑されて」、テレビドラマ「黄金仮面」の主題歌としてリリースされた同タイトルの作品も前2作に比べれば抑えめながらも名曲度高し。
またギャル唯一のアルバム『ギャルのスペース・オペラ』は当時ムーブメントを起こしていたスターウォーズにならって、宇宙に逃亡した恋泥棒のマグネット・ジョーを、ギャルの面々が宇宙船に乗って追いかける…という総大なストーリー(しかもオチ付)。
全編に台詞が配され、リリカルなバラードからキャンディーズ風の爽やか系ポップス、ダイレクトに低年齢層の取込みを狙ったと思われるアニメ・ソングのメドレーに、ピンクレディーの向こうを張ったギミック満載の「フライング・ソーサー」という楽曲まで、とにかく面白そうで受けそうな要素があれば何でもとりこんじゃいました、という感じ。

されども、きっとこれに関わった人たちは、ギャルの3人を含めて誰もが真剣勝負であったろうと思わせるのが、この時代のあなどれないところなのでございます。
何でもありの歌謡曲でしかありえないエグすぎる世界、しかし好きな人には堪えられない歌の数々が詰まった貴重盤です。
ぜひギャルの本気を聞いてみてください。
お試しを。

チャートデータ
わかりませんでした。


マグネット・ジョーはきっとスター誕生の日テレ系の番組で披露されている模様。わかりずらいですが百恵ちゃんも踊ってます!


他のも欲しいです。
posted by Suzu at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月31日

中森明菜『不思議』(86年)

Akina Nakamori:Fushigi(86年)

最近テレビ等への露出はほとんどありませんけど、着実に作品等はリリースしてくれている明菜様。07年の演歌のカバー・アルバム『艶歌』に続いて昨年はフォーク・ソングをカバーした『フォーク・ソング歌姫抒情歌』をリリース。今年は6月から3ヶ月連続でアルバムを出すんだそうで、6月がムード歌謡のカバー、7月がまたしてもフォーク・ソングのカバー、そして8月が待望のオリジナル・アルバムになる予定だそうです。
明菜様は大好きですけど、最近の活動はどうも素直にうなづけないようなものが多くて困るんですよね。明菜様にヤスいカバー作品なんて似合わないですもん。8月リリースというオリジナル作が今のブレーンの方でもってどの程度のものに仕上がるのか正直不安いっぱいですが、期待して待ってみたいと思っておりますです。

そしてもって今回は明菜様超全盛期に出された超問題作『不思議』。
06年にワーナー時代のアルバム17作品がデジタル・リマスターされて紙ジャケット化されたのですが、その中からこの1枚!ということでゲットしてみました。
何故にこれか?というと、あのバック・トラックと明菜様の声が一体化してほとんどヴォーカルが聞き取れない摩訶不思議で怪奇なこの世界を、改めて良い音で探ってみたくなったからでございます。そして再び向き合ってみたこの作品、相変らず明菜様のパワー全開な歌声が遠くのほうからわぉんわぉんと響いてきてわけわからないったらありゃしない(smile)。この冒険心にははぁーと傅くしかないんですけど、エンターテイメントとして楽しむにはやはり斬新に過ぎたのかもしれないですよね。一部の曲は後にリリースされた『WONDER』にて判読可能な状態に。「マリオネット」や「燠火」等実は良い曲揃ってます。

洋楽邦楽問わず、ポップス・ファンには一度トライしてみていだだきたい世界ではありますが。何年経ってもこの衝撃は衰え知らずです。

チャートデータ(オリコン)
アルバム 1位

「バック・ドア・ナイト〜マリオネット」:You-Tube→http://www.youtube.com/watch?v=WZFjoh5Us1o

夜ヒットでのパフォーマンス、圧倒的です。





posted by Suzu at 00:00| Comment(4) | TrackBack(1) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月11日

石黒ケイ『アドリブ』(80年)

Kei Ishiguro:Adlib(80年)

研ナオコさんが80年にリリースした『あきれた男たち』というアルバム。当時ミュージックテープを買って死ぬほど聴いたお気に入りの作品なのですが、その中の1曲として収められていたのが「憎いあんちくしょうのブルース」。そのジャジーなフィーリングがナオコさんの個性とベスト・マッチでとりわけ好きな1曲だったんですが、先日中古ショップを覗いて何気なく手に取った石黒ケイさんのアルバムに同タイトルの曲を発見。このタイトルで同名異曲ってことはないでしょう…と思いつつ家に帰ってYou-Tube検索してみると、出てまいりました石黒さんバージョンの「憎いあんちくしょうのブルース」。作者も石黒さんご本人だったりして、あらーこっちがオリジナルだったのかーと30年弱ぶりでの新発見でございました。

石黒さんは神奈川県出身の歌手/女優で、77年にデビュー後80年代を通じて活躍、その後引退するも2000年代に入って復帰。現在はマイ・ペースに音楽活動をされているそうです。
彼女の代表作と言われているのがこの「憎いあんちくしょうのブルース」を収録した80年リリースの4thアルバム『アドリブ』。アルトサックス奏者として有名なアート・ペッパー等内外の腕利きジャズ・ミュージシャンが参加したアルバムで、小粋な演奏に乗って石黒さん自作の楽曲や山崎ハコさん、鈴木キサブローさんの作品等が取り上げられています。アンニュイというよりはもう少し輪郭のはっきりした石黒さんの歌声と、歌謡曲的な性格を持つマテリアル群、ジャジーな演奏が三位一体となった独特な世界が楽しめる逸品です。

94年に一度Q盤としてリリースされましたがそちらは既に廃盤。昨年紙ジャケットとして限定リリースされておりますので、ご興味のある方はお早めに。
(私は運良くブックオフでQ盤の中古を見つけることが出来ました。ラッキー。)

チャートデータ
わかりませんでした。

「憎いあんちくしょうのブルース」:You-Tube→http://www.youtube.com/watch?v=puMpOxAQTME




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2009年07月09日

岩崎良美『セゾン』(80年)

Yoshimi Iwasaki:Saisons(80年)

そんな訳で良美さんのセカンド・アルバムを。

小学校低学年からほぼ研ナオコさん1本で音楽生活を送っていたような私でしたが、80年に入ってやはり世間の変化を微妙に感じるようになったのかそういうお年頃になってきたのか、当時非常に珍しくアイドルのレコードを買っています。後にも先にもリアルタイムで買ったアイドルのレコードはその2枚だけ。1枚は河合奈保子さんのデビュー曲「大きな森の小さなお家」、もう1枚が岩崎良美さんの「あなた色のマノン」でした。はっきり言ってどちらも決して大好きだったという記憶はなく、(確かどっちか1枚は松村和子さんの「帰ってこいよ」を買いにいったらなかったので代わりに買ったような…)まさに何となく買ってしまったような感じでしたが、せっかく手に入れたので当時よく聴いておりました。なので良美さんの楽曲の中でも思い入れの強い1曲が「あなた色のマノン」だったりする訳です。

デビュー曲の「赤と黒」に続く欧州文芸路線の楽曲ですが、今聞いても良美さんのドラマティックな表現力(大人っぽいというかどこか艶かしいというか…)が遺憾なく発揮された非常に完成度の高い作品ですよね。

その「あなた色のマノン」を収録したセカンド・アルバムの『セゾン』は、デビュー・アルバム発売の5ヵ月後、80年12月にリリースされた作品。
オリビアの「ザナドゥ」を彷彿とさせるオープニングを持つポップ・ナンバー「クライマックス」や、フュージョン・テイストのギターが印象的な「春一番を待ちわびて」、明朗快活なポップスの「You Love Me,I Love You」等をアクセントにしながら、季節的なものを意識してか穏やかなAORテイストの「Waiting For You」「小雨模様」「ためらい」「揺れて純愛」等の作品が並んで全体を落ち着いたトーンに基調。良美さんの歌声もクリアな美しさに溢れており、じっくりと味わいながら楽しみたい1枚になっております。

チャートデータ
アルバム 27位
わかりませんでした。
シングル
「あなた色のマノン」:21位
(カサノバMさん、有難うございます。)

「あなた色のマノン」:You-Tube→http://www.youtube.com/watch?v=tyNdZCfn0AA




posted by Suzu at 00:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月03日

薬師丸ひろ子『シンシアリー・ユアーズ』(88年)

Hiroko Yakushimaru:Sincerely Yours(88年)

平井堅さんがカバー・アルバムの第二弾を出すので最近よくテレビに出ていましたけど、さすがに商品としてリリースした作品の選曲は無難な路線を守っていましたが、テレビやライブではかなりやりたい放題。Ken's Barでは国生さゆりさんの「バレンタイデー・キス」を、NHKソングスでは松田聖子さんの「瞳はダイアモンド」を、そしてフジの僕らの音楽では薬師丸ひろ子さんの「Woman〜Wの悲劇」をカバーともう趣味出しまくり。僕らの音楽では何とご本人薬師丸さんをトーク・ゲストに招いてお話しなんかしちゃったりなんかして、ちょっと職権乱用じゃありません?…もう、うらやましいんだから。

薬師丸ひろ子さんは私にとっても特別な存在。やはり角川映画世代でしたし、「翔んだカップル」から「ミセス・シンデレラ」「1リットルの涙」まで、彼女の放つ独特の存在感にはいつも魅せられてまいりました。歌手としてもその雪解け水のように清んだ歌声が大好きで、しかも彼女の歌ってきた歌は名曲が多い。「セーラー服と機関銃」にはじまり「探偵物語」「メイン・テーマ」「ステキな恋の忘れ方」「胸の振子」「語りつぐ愛に」etc…。ファースト・アルバムの『古今集』も長らくのフェイバリットでたまにどうしても聴きたくなる衝動にかられ、度々ターンテーブルに乗せている私でございます。

ブックオフから掘り出してきた本作は88年リリースのオリジナル・アルバム。シングル・ヒットした中島みゆきさんのカバー「時代」と竹内まりやさんの「終楽章」をメインに、その二人の新たな書き下ろしやカバー曲に加えて、吉田美奈子、大貫妙子、尾崎亜美、EPOという名立たる女性シンガーソングライターを集めて制作された何ともゴージャスな作品。
吉田美奈子のフューチャリスティクな世界がひろ子さんの個性と激しくミスマッチを起こしている「ハイテク・ラヴァーボーイ」、EPOのブラジル物「ル・パ・ラ」、中島みゆきの情念的世界を圧倒的なまでに浄化してしまった「時代」等が聴き物。大御所たちに混じってひろ子さん自身も「ディスタンス」という曲を作詞作曲して作り手としての豊かな才能も示してくれております。

チャートデータ
アルバム
わかりませんでした。
シングル
「終楽章」:10位
「時代」:9位

「終楽章」:You-Tube→http://www.youtube.com/watch?v=3uIBeDu7_TA
「時代」:You-Tube→http://www.youtube.com/watch?v=VAnKL3p2qlY




posted by Suzu at 00:00| Comment(6) | TrackBack(1) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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