2015年01月25日

高見知佳『ペーパー・ムーンに腰かけて/高見知佳U』(79年)

Chika Takami:Paper Moon Ni Koshi Kakete(79年)

ご無沙汰のしすぎですね。

忙しさもあって、というのはどちらかというと言い訳で、短時間である程度の発信が出来るtwitterのほうが色々便利なものですから、ついついそちらに流れてしまってました。今回はもうちょっと書きたい事があるかなぁという感じなので、重すぎる腰を上げてみた次第です(…なんて、大げさですね)。

バラエティーアイドル(バラドル)という言葉がまだ生まれる前の時代にそういうポジションで活躍されていた高見知佳さん。ご多分に漏れず、と言うのは失礼な言い方ですが、歌手としてはその実力はある程度認められていながら、あまり大きなヒットには恵まれずにバラエティー番組で活躍されていらっしゃいました。「アイアイ・ゲーム」とか懐かしいですね。

78年11月に歌手デビューされた高見さん。歌手としての代表曲は84年に資生堂の化粧品のキャンペーンソングとしてヒットしたEPO作詞作曲の「くちびるヌード」。歌謡曲ファンの間ではデビュー時の筒美京平先生の作品群や、ニューウェーブ歌謡として特有筋で人気の高い加藤和彦作品「ジャングル・ラブ」や「ボーイフレンド」等も後付け評価が高かったりするようです。

長らくその作品は手に入らなかったのですが、2003年にアイドル・ミラクル・バイブル コロンビア・アイドル・アーカイブスの1枚として全シングルAB面を含む41曲が2枚組のCDとしてリイシューが実現。私も喜び勇んで購入させていただいて、今もipodに入れてたまに聴いたりするお気に入りになっています。

そのCDの中で特に気に入っていたのが、4枚目、5枚目のシングルでもある「少しはわたしを好きでしたか」「セザンヌの絵」「しのび逢い」等の、いあゆるドメスティック歌謡な作品群。もう後数ヶ月で80年代がやってくる事等どこ吹く風の70年代的な四畳半歌謡の世界がわたしの琴線に触れまくりで、これらが収録されていたセカンド・アルバムもいつか聞いてみたいなぁと当時思っておりました。

そんな記憶も片隅に追いやられていたつい先週。何気なくAmazonサーフィンしてたら高見さんのファースト・アルバムのジャケットが出てきて、リイシューされてたんだぁとクリックしたら関連商品で全アルバムがここ2〜3年で発売されていた事が判明。いわゆるオンデマンド商品というやつで、若干抵抗感は拭えないものの背に腹は変えられないと速攻注文したのが本作、『ペーパー・ムーンに腰かけて/高見知佳U』でございます。

(…相変わらずダラダラと長くてすみません…)

A面6曲は全て門谷憲二作詞、西島三重子作曲の作品群。西島三重子さんという方は歌手としても「池上線」のヒット曲を持ち、マイナー調で時にドラマティックに展開する(わたし好みの)メロディーを書かれるシンガーソングライターで、B面曲ですがわたしが大好きな研ナオコさんの「Bravo Bravo」や、石川ひとみさんの「冬のかもめ」等も彼女の作品。アルバム・タイトル曲にもなっている愛らしい「ペーパー・ムーンに腰かけて」や前述の70年代エッセンス溢れる「セザンヌの絵」「少しはわたしを好きでしたか」、しっとりとポップな「ミスター・レイン」、カクテル・ドレスの衣装合わせの間に去っていった恋人を想う「仮縫い」等、門谷さんの作詞も少女期特有の澄んだ悲しみやちょっと背伸びして見せる視線等を巧く表していて、素敵なコンビネーション振りを見せてくれています。


前半知佳さん、後半西島さんの歌声。


B面は後に柏原芳恵さんがシングル化した事で認知度の高いアルフィーの高見沢俊彦さん作「しのび逢い(Don't Leave Me Alone)」、筒美/橋本らしいキャッチーさの「プラスティック・ドール」、コロンビア繋がりで招聘されたのかな?佐藤奈々子さん作でお得意のモンロー風な「チープ・ショット」、三浦徳子/川口真コンビのアナクロ的な「あなた船を出して」、伸びやかで澄んだ歌声が美しいスロー・ナンバーの「午前0時のジェラシー」、そしてタイトル曲のリプライズでコンセプト・アルバム的に洒落た幕引きとなります。

ジャケットのポートレートがよく内容を表していると言える、シックな佇まいの繊細で美しいヴォーカル・アルバム。アイドル歌謡の奥深さ、この年代でないと表現しえないであろうクリアな情感が堪能出来る期待通りの作品でございました。

しかしこのアルバムの発売が79年の11月。後半年後には松田聖子さんがデビューする事を考えると、本当に最後の昭和アイドル歌謡が高見さんたち(他に井上望さん、倉田まり子さんetc)だったのだなぁと改めてこのアルバムを聞いて実感。そこに横たわる川は果てしなく深く広いですねぇ。まぁ個人的にはどちらも大好きなわけですけど(smile)。

高見さんやっぱりいいなー。他のも買っちゃうかな…。


posted by Suzu at 10:56| Comment(6) | TrackBack(0) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
高見知佳さんの「怒涛の恋愛」「上海エトランゼ」など好きですね。これまでの作品は結構CD化されてるようなので、機会があったら聴いてみます。
Posted by 晴れ男 at 2015年01月25日 16:00
晴れ男さん、こんにちはです。

聴かれるならやっぱりミラクル・バイブル・シリーズのベスト盤がいいですかね。オンデマンドって、手間を考えると仕方ない気もしるんですけど、お値段もそれなりですし所詮はコピー?って思ってしまって抵抗あるんですよね。届いた商品はまぁまぁしっかりしてましたけど。

後期の知佳さんもいいですよね。「怒涛の恋愛」は当時もけっこうインパクトありましたね。
Posted by Suzu at 2015年01月25日 16:52
高見さんは歌うまかったですよねぇ。
西島さんの池上線も好きでしたし、四畳半的歌謡曲というのもいいですね!
ちょっとこれ、聴いてみたくなりました。
まあSuzuさんは近いうちに別のアルバムもお買いになる予感がしますけど(笑)
Posted by 詩子♂カンタービレ at 2015年01月26日 06:40
詩子カンタービレさん、こんにちわです。

これがオンデマンドじゃなかったら間違いなく注文しちゃってるところなんですけど、ちょっと迷いどころなんですよね。

高見さんも西島さんも、いかにも歌謡曲!ってところが、ツボにはまるんですよねぇ。どちらも素晴らしいです。
Posted by Suzu at 2015年01月26日 18:17
Suzuさんお久し振りです!!こんにちは!!お元気ですか?カーメン ランディの最新作ソウルトゥソウル聴きましたか?傑作です!!!良い曲ばかりなので過去の名曲をカバーしてるのかと思ったらほとんどの曲がカーメンの自作!僕が今まで聴いた全ジャズアルバムの中でも上位クラス!カサンドラ ウィルソンやダイアン リーヴスあたりの名作をも凌駕するアルバムだと思います。グラミー確実かも。
Posted by ライト at 2016年07月09日 15:07
Suzuさんこんにちは!よく調べるとこのアルバム2014発売になってました。・・・(笑い)。本日中古で購入してあまりにも素晴らしいアルバムなので、Suzuさんが聴きのがしてるともったいないと思い、おもわずコメントしてしまいました。記事とぜんぜん関係のないコメントですいません。最近またCDコレクト熱が再開してしまってるライトでした。またSuzuさんの記事楽しみにしてます。!!
Posted by ライト at 2016年07月09日 16:56
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