皆様、楽しいクリスマスをお過ごしでしょうか?
今年も色んな出来事がありましたけど、やはり個人的に衝撃的だったのはホイットニー・ヒューストンとドナ・サマー、私の音楽人生に素晴らしい彩を与えてくれていた2人の歌姫の逝去でした。
ただ、若干2人の死に対する思いというのは違っていて、ホイットニーの場合はどうしてもこれからの復活を期待していただけに悔しい気持ちというのが拭いきれないのですけど、ドナの場合は、もちろんまだまだ活躍出来た年齢でしたけど、ある程度アーティストとしてやり切ってくれた部分というのを感じるので、安らかに眠ってほしいと素直に思えたりもするのです。
生前度々候補に上がるも逃していた「ロックの殿堂」入りもようやく入殿が決まったりして、どうして生きてるうちに、と憤りを覚えたりもしますし、その兆候が見えていたドナの歌手としての本格的な再評価も生きているうちに味わってほしかったとは思うのですけどね…。
そんな二人の歌姫には素敵なクリスマス・アルバムがあるのですけど、ホイットニーの作品は以前ご紹介した事があるので、本日はドナ・サマーが94年にリリースした作品をご紹介したいと思います。
邦題は『ホワイト・クリスマス』と冒頭に収められたスタンダードをタイトルに冠してしまいましたが、原題は『クリスマス・スピリット』という敬虔なクリスチャンであったドナらしいタイトルがつけられています。
プロデュースはドナとは70年代からのつきあいであり、80年代に『情熱物語』の大ヒットを生んだマイケル・オマーティアンが担当。美しいストリングスを配した手堅い音作りで、3曲あるオリジナルのクリスマス・ソングもドナとドナの旦那様ブルース・スーダノらと共作しています。
収録されているのは「ホワイト・クリスマス」「ザ・クリスマス・ソング」「アイル・ビー・ホーム・フォー・クリスマス」等のよく知られたクリスマス・スタンダードの他、キャロル〜讃美歌系の「神の御子は今宵しも」「クリスマス・メドレー」「オー・ホーリー・ナイト」、コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックの大スターで、80年代後半からポップスへのクロスオーバーを果たし「ネクスト・タイム・アイ・フォール」や「ベイビー・ベイビー」等のNo.1ヒットをものにしたエイミー・グラントのカバー「ブリーズ・オブ・ヘブン」、そしてドナらしいチャイルドライクな表現が可愛らしい「クリスマス・イズ・ヒア」、新たなクリスマス・スタンダードの誕生を予感させるタイトル曲の「クリスマス・スピリット」、ドナの得意なスタイルである語りをフューチャーした芳醇な味わいで物語性豊かな「ラム・オブ・ゴッド」というオリジナル・ソング3曲を加えた全10曲。
本作で聴けるドナの温かみのある美しい歌声は実に素晴らしく、その歌声には自分が歌うべき歌を歌っているという喜びが満ち溢れているように思います。語りから入る「ブリース・オブ・ヘブン」や「ラム・オブ・ゴッド」等は、まるで暖炉の前に座るドナを囲んで、クリスマスの物語を聴かせてもらっているよう。「クリスマス・ソング」や「クリスマス・メドレー」等で聴かれるゴージャスさ=「押し」とセンチメント=「引き」の表現力というのもとても魅力的ですし、数あるドナ・サマーのアルバムの中でも、ヴォーカリストとしての滋味・旨味が一番味わえる作品ではないかと思います。
大スターの条件として挙げられる項目に『グレイテスト・ヒッツ』と『クリスマス・アルバム』のリリースというのがあるのですが、ドナの場合飛ぶ鳥を落とす勢いであった70年代のカサブランカ時代にリリースされていてもおかしくなかったクリスマス・アルバム。
ただもしその時期にレコーディングされていたなら、いわゆるダンス〜ディスコ的な要素というのは回避出来なかったでしょうし、ここまでヴォーカルに焦点を当てたアルバム作りも出来なかったはず。ですから、嵐も風も過ぎ去っていた94年という時期のリリースは、結果的にタイミングとしてベストだったように思います。
そしてこのアルバム・カバーに写るドナのポートレートの美しいこと!そのピュアな眼差しは天に向けられ、間違いなく彼女の信じた神の祝福を感じているのではないでしょうか。
そして今ドナはその神のみもとに。
今度はその同じ眼差しを、慈愛に満ちたその眼差しを下界の私たちにむけてくれていることでしょう。
今宵はそんなドナを偲んで、この素晴らしきアルバムを聴きたいと思います。
素敵な作品を有難う、ドナ。
皆様にも是非、クリスマス・アルバムのライン・ナップのひとつに加えていただければと思いますです。
Christmas Spirit
1. White Christmas
2. The Christmas Song
3. O Come All Ye Faithful
4. Christmas Is Here
5. Christmas Medley
6. I'll Be Home For Christmas
7. Christmas Spirit
8. Breath Of Heaven
9. O Holy Night
10. Lamb Of God
チャートデータ
チャート入りなし
アメリカで人気のコメディエンヌ、オージー・ロドネル企画の豪華アーティスト集結のクリスマス・アルバム。ドナも1曲参加しています。


これこそがドナの根底なんだろうなと思わされますね。
おっしゃるように、出すタイミングとしてはカサブランカ時代が普通なら旬だったんでしょうけど、こうして見ると出すべき時に出したんだなと思わされます。
ホイットニーとドナの死は、確かに今年の大きな出来事でした。
でも、個人的にはドナの方が衝撃は大きかったです。
ホイットニーは、正直ああいう事も有りうるかなというのは、どこかで感じていたのかもしれません。
それに対してドナのニュースは急に飛び込んできた印象でしたから。
最近の映像でのパフォーマンスも素敵でしたしね。
きっとドナはクリスマスに空から、「前を向いて。愛する事を忘れないで」
で売ってましたので、ちょっとラッキーなんて、
不埒な思いで買いましたが(笑)
今年は特に彼女のアルバムを引っ張り出して聴いて
ました。ホントにディスコクィーンではなく、
真のディーバだなぁ。と改めて思わせる歌声でしたね。
紹介くださった特に1枚目の動画は過去の彼女の
アルバムなどがあったり、彼女への想いが伝わる
演出になっていますね。
改めてご冥福祈ります。
確かにホイットニーは、その前兆というかそうなる予感みたいなものはありましたよね。ドナについては事前に全くそういうお話を聞いていなかったので、まさに寝耳に水。ツイッターの情報が、本当に最初何を言ってるのかわからなかったですもん。
ドナが亡くなってから、さらに彼女の残したアルバムをじっくり聞く機会が増えましたが、改めて本当に素晴らしいシンガーだったと実感しています。このクリスマス・アルバムも本当に本当に素晴らしいですよね。
大切に聞いていきたいなぁと思っていますです。
小さな足さん、こんにちはです。
1枚目の動画、ファンの方の制作なんですかね?クリスマスの雰囲気の中に懐かしいドナのジャケット等が織り込まれていて、ほっこりするとともに何だか切なくもなってしまいますね。
こういう作品を聞いていると、本当に彼女は過小評価されてきたなーと思ってしまいます。ちょっとずつそういう偏見的なものも改善されつつあったのに…その点は、やはり残念ですね。