2012年03月17日

平井堅『ジャパニーズ・シンガー』(11年)

Ken Hirai:Japanese Singer(11年)

自由だな、平井さん

昨年リリースされていた平井堅さんの7枚目のオリジナル・アルバムを超遅ればせながらゲット。

タイトルは『ジャパニーズ・シンガー』。帯のキャッチは「生まれてこのかた、純国産」。
彫の深すぎる顔で外国人に間違えられることもあるという平井さんな訳ですが、ここであえて自分は純粋な国内産=根っから日本人な歌い手ですと宣言しております。
もうこれぐらいのおとぼけは平井さんのキャラクターが浸透してきた今となっては何でもないわけですけど、それにしても今回はけっこう遊んでるというか全体的に余裕の感じられる作り。
曲タイトルからして「いとしき日々」とか「さよならマイ・ラブ」とか「Missサマータイム」とかどこかで聴いたことあるようなものが並んでますし、楽曲も何だかなーとつっこみたくなるようなもの多し。

例えば「R&B」っていう曲。「瞳をとじて」などの大泣きバラード路線であまり言われなくなってきてますけど、それでも和製R&Bの代表選手ってイメージは根強くある平井さん。そんな風に言われてしまうのが気恥ずかしいのか、いやいやフェイクだって踊りだってそんなにうまくないんですよぉ(それでもR&Bは大好きですけど…)なんて謙遜してみせる歌。
「Girls3x」は、のっけから「百戦錬磨のオレ様は抱いたオンナの数知れず」なんて超肉食系の歌詞を巻き舌で歌ってみせる。エロ系は得意な平井さんですけど、本道はもっと淫靡な爬虫類タイプ。それをこんなガオーッって襲いかかる感じなのはもうわかった上で自分のイメージを逆手にとって遊んでるとしか思えません。
平井さん王道エロ系の「CANDY」は途中で唐突に宇多田ヒカルがインサートされるし、ちらっと郷ひろみしちゃってみたり、これはユーミン?これはサザン?これはドリカム?等やりたい放題。

しかしそれでも平井堅ミュージックとして成立してるのは、元ネタへのリスペクトが相当に感じられるからですかね。完全に確信犯的にやってますし、あくまで自分の形をもった上で遊んでるのがわかるから嫌味にならない。みなさんもこいうのお好きでしょ?なんてにっこりされちゃって、はいはい確かに好きです…って感じでしょうか(smile)。このあたり、今までの活動に裏打ちされた人徳(?)なのかもしれませんね。

形を持っていると言えば、今回もあります「瞳をとじて」系のバラード。「いとしき日々よ」「僕は君に恋をする」「アイシテル」「夢のむこうで」。よく言えば型を持ってるですけど、悪く言えばどれも同じの金太郎飴状態。どの曲のサビをどの曲とシャフルしても通じちゃう感じです。そんな中でも今回頭ひとつ抜けてるのは「僕は君に恋をする」かなぁ。「さよなら、また会おう、ごめんね、好きだよ」…丁度時期が311の待っただ中だった事もあって、もうシンクロしまくりで泣かされちゃいました。質の高い金太郎飴ですからね、何だかんだ言って、どれも美味しゅうございますです。

あっけらかんと浮気な恋を歌うポップな「お願いジュリー☆」、ちょっと懐かしい香りのする歌謡R&B系の「BLIND」、優しすぎて悲しい歌詞がメロウなメロディと相乗する「さよならマイ・ラブ」、ピアノ伴奏一本で語られる希求と救済のバラード「あなたと」等、キメ曲以外も好曲揃い。個人的には「Love Love Love」系列の高らかな人生応援歌である「Sing Forever」みたいな曲はストレートすぎてちょっと苦手なんですけど、こういうのを正面切って歌える平井さんは、素敵だなぁと思いますです。

プロデューサーに旧知の松尾潔さんが復帰してるのも今回のポイント。雑多なマテリアルがきちんと一本の作品にまとまっているのは彼の力に負うところが大きいと思います。
振り幅の大きさが平井さんならではの大エンターテイメント作。
あれこれいちゃもんつけられるのも楽しい良盤です。

チャートデータ
アルバム 3位
シングル
「CANDY」:7位
「僕は君に恋をする」:3位
「Sing Forever」:7位
「アイシテル」:9位
「いとしき日々よ」:7位





需要に応じてって事なんでしょうけど、やはりこういうのはファン泣かせ。
posted by Suzu at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌謡曲/J-POP系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。