2011年02月13日

ロスリン・カインド『カム・ホワット・メイ』(90年)

Roslyn Kind:Come What May(90年)

ロスリン・カインド、と聞いて彼女が何者かご存知の方は、よほどの外国芸能通か、よほどの女性ヴォーカリスト好きか、もしくはバーブラ・ストライサンドの大ファンか、といった方なのではないかと思います。
名前を出しちゃいましたからさっさと書いちゃいますけど、現代女性ヴォーカリストの最高峰、バーブラ・ストライサンドの実妹さんなんですね。バーブラとは種違いの姉妹で、お母さんの再婚相手の子供。そのため姓はカインドを名乗っています。

姉様があれだけの大スターですし、バーブラ・ストライサンド・ファンクラブの会長まで務めたロスリンですから、姉と同じ世界に興味が湧かない訳もなく、ほとんど知られていませんが彼女も同じ道を歩き始めます。クラブ歌手からスタートして、69年には大手のRCAと契約してデビュー・アルバム「ギブ・ミー・ユー」をリリース。同年すぐにセカンドの「ディス・イズ・ロスリン・カインド」も出してますので、当然期待も高かったのだと思います。しかし、というかやっぱりというか、残念ながら成功を収めることは出来ませんでした。その後は映画や舞台で女優としての仕事をするかたわら歌手としての活動も続け、超細々ですが現在にいたっています。
プロフィールを見ると、バーブラの映画「スター誕生」や「メーン・イベント」にも出演してるんです。今度確認してみようと思いますが、「スター誕生」ではグラミー賞授賞式のテーブルについた客として、「メーン・イベント」では冒頭のエアロビクス・シーンの生徒としてバーブラと一緒に踊っているらしい…ほとんどエキストラに近い扱いですね。

バーブラの伝記にも書いてありましたが、やはり父親が違うということもあり、ロスリンとバーブラの間に普通の姉妹のような強い絆感はなかった模様。バーブラは義理の父に対して良い感情を持っていなかったようなので、どうしてもその辺りのわだかまりが引き継がれてしまったんではと思います。バーブラぐらいの権力があればいくらでも妹の芸能活動を引き上げてあげることは出来たんでしょうけど、せいぜいエキストラとして使うことしかしなかった訳ですから、推して知るべしという感じでしょうか。

…何か、前置きが長くなりましたけど、今回ご紹介する作品はそのロスリンが90年にリリースした「カム・ホワット・メイ」、セカンドから数えて実に21年ぶりに発表したサード・アルバムでございます。

これ、実はだいぶ前に友人から音源だけを頂いたんですが、1曲目の「パーフェクト」というスタンダード・バラードを聞いてぶっとんだんですよ。なにこれ、バーブラにそっくりじゃん!!って。
バーブラのあの歌の上手さは母方から受け継いだものなんだなーという証明というか、とにかく声もブレスの置き方もフレージングも曲の盛り上げ方も、バーブラにそっくりなんです。もちろんバーブラの歌をロスリンは死ぬほど聞いて育ったでしょうから、色んな面で影響を受けたんでしょうけど、それにしてもって感じ。聞きすすむにつれ細やかな表現力の差や声質の違いなどがわかってきますけど、決してバーブラの劣化コピーにはなっていないんですね。バーブラも歌っている「ザ・マン・ザット・ガット・アウェイ」や「ハウ・ドゥ・ユー・キープ・ザ・ミュージック・プレイン」等を取り上げているので、比べてみるのも一興かと思います。ショー・チューンの小品「サンバディ・ラブズ・ミー」でのおどけ具合や、ラストの表題曲の美しさなども姉譲り(母譲り?)の素晴らしさです。

バーブラがロスリンに力を貸さなかったのも、何だかわかりますね。
バーブラは、この世に二人いりませんもの。
いつか安田姉妹や岩崎姉妹のような姉妹デュエットを聞いてみたいものですが(きっと最高のハーモニーを奏でることでしょう)…死んでも無理かな。

チャートデータ
チャート入りなし




08年の再プレスにはボーナス・トラックが1曲追加に。 似てますよね。

posted by Suzu at 06:00| Comment(5) | TrackBack(0) | ジャズ/ポピュラー系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやぁ、ホントに笑っちゃいますよね。
初めて彼女の歌を聴いた時の衝撃は、忘れられません、私も。

"How Do You Keep..."はバーブラ版よりバーブラだし。
"Can You Read My Mind"は『スーパーマン』の主題歌だから…スーパーマン繋がりだし、とか。

この調子でヴァーチャラ・ストライサンドとして、今後も頑張って欲しいですね。
「こんな曲、頼んでも(本家は)歌ってくれないだろうな…」ってな曲をリクエストしたら、何でも歌ってくれそうな気がする。
取り敢えず『レミゼラブル』でも歌わせちゃいましょうよ?…って、何様だよ?あたしゃ。
Posted by ぶらん丼 at 2011年02月13日 08:31
初めて聞きましたが、本当にそっくりですね!
「スター誕生」のグラミー賞授賞式のエキストラにはもちろん気付きませんでしたが、
先日VHSを久びさに見た時、高校生当時には顔と名前を知らなかったTony Orlandoが
プレゼンテーターとして出ていたのにびっくりしました。
Posted by Ange at 2011年02月13日 10:42
ぶらん丼さん、こんばんわです。

本当にねぇ、遠くから聞こえてきたら、ほとんどの人がバーブラだ!と思うほどのそっくりぶりですよね。
彼女なら、日本に呼ぼうと思えば呼べるんじゃないでしょうか?来日公演とかあったら行っちゃうんですけどね、マジで。
何、歌ってもらいましょう(smile)。

Angeさん、こんばんわです。

ね、吃驚しますよね。もう少しロスリンなりの個性があれば、また違った展開もあったかもしれない…のかも。
トニー・オーランドとリタ・クーリッジでしたよね。リタはクリスの奥さんだったからの出演でしたっけ?いかにも70年代っていう人選ですよね。
Posted by Suzu at 2011年02月14日 23:12
わあ。本当ですねぇ。父親違いでも、ここまで
似るもんなんですねぇ。びっくりしました。
顔はあまり似て無いですが、声、歌い方、聴いている
だけだど、バーブラ?って思っちゃいますね。
バーブラファンって言ってたのに、彼女の事は
全く知りませんでした。まだまだファンとして
勉強が足りません(笑)
Posted by 小さな足 at 2011年02月19日 19:20
小さな足さん、こんにちはです。

隣の部屋から聞こえてきたら、ほとんどの人がバーブラが歌ってるって思いますよね。
彼女の知名度がないのは、これはもう姉の大きな影に完全に飲み込まれてしまっているからなのでしょう。きっと影から出ることを許さないんじゃないでしょうか、姉様が。
Posted by Suzu at 2011年02月21日 12:31
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