2011年12月31日

今年もお世話になりました。

そんな訳で皆様、お正月を迎える準備は万端でしょうか?

今年は3月の震災に始まり、世界的に見ても色々歴史に残っていきそうな様々な事件が起きた年でしたね。

新聞などで今年あった出来事などを読んでいると、スーちゃん事田中好子さんが亡くなられた記事が必ず出てきます。今でも、彼女の最後のメッセージは耳から離れることはありません。きっと、生涯忘れないかなと思います。震災で亡くなった方の分、スーちゃんの分も、私たちはしっかり生きて行かなきゃいけないなと思いますね。

そして生きてこんなお話が出来る幸せ。今年の重大ニュースとしては、相変わらずのグリー三昧、テイクザットの5人でのツアー決行、研ナオコさん祭り(smile)、由紀さおりさんのコンサートを見れた事と海外でのブレイク、なんてところかなと思います。バーブラも素敵な新作をリリースしてくれましたしね。

そんなこんなで、今年1年本当に拙い我がブログにお付き合い下さいまして、本当に有難うございました。
来年もゆるゆるとやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

皆様にとって来年は良い年になりますように。
良いお年をお迎え下さい。

Suzu


※地デジ化しなかった我が家を楽しませてくれた海外ドラマ♪
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研ナオコ『ビター』(89年)

Naoko Ken:Bitter(89年)

研ナオコさん、89年にリリースした15枚目のオリジナル・アルバムです。

前回も触れましたが、ナオコさんは87年7月に結婚、当時も言葉としてはあったのかな?いわゆる出来ちゃった結婚で同年の10月にご長男を出産されます。その関係もあって歌手としての活動もペースダウン、2年のインターバルをとってこの89年の1月にシングル「冬のカトレア海岸」を、翌月に本作『Bitter』をリリースして活動を再開します…が、実は本作のリリース時点には既に第二子であるご長女をご懐妊中。ここから次作までまた3年のインターバルをとることになります。

ま、そんな中でしたが久しぶりにリリースされたシングル「冬のカトレア海岸」。ナオコさんのシングルでは初めて短冊形のCDシングルが発売となった作品でした。ひっさしぶり〜と行きつけのレコード屋さんに買いに行ったのを覚えていますが、当時の印象は決して良いものではありませんでした。ロックバンド、ピカソのヴォーカルでもある辻畑鉄也さんと作詞家の麻生圭子さんの作品ですが、歌謡曲としてはインパクトに欠けるというか、どこか平板な曲という印象が強くて、あまり好きになれませんでした。こうして今になって聞き返してみると、そんなに悪い曲でもないんですけど(smile)。そして今更この曲が不倫の歌だったということもようやく理解したりして。いかに当時耳を素通りしていたかというのがわかっちゃいますね。

そしてこの『Bitter』。
当時はそんなこともあってアルバムに手を伸ばさなかったので、今回がお初。冒頭に「冬のカトレア海岸」が配置されていることもありましたが、どうにも最初の印象はこのシングルの延長線上にある感じで耳に馴染まないというか、耳に残っていかない作品でした。この違和感みたいのは何?と聴き続けてみる事数10回、ようやく思い当ったのが、この作品、作りが歌謡曲ではなくてJ−POPなんだなぁという事でした。
歌謡曲とJ−POPの違いって何?って思われるかもしれませんけど、申し訳ありませんがその辺は完全なる感覚で(smile)。でもたとえば「見かけませんでしたか」や「馬鹿だね、雨」等は打ち込み主体の音で作られていますし、「銀の針」や「悲しみのDance」等も、音色が当時のどこかバブリーな空気感を漂わせてる感じがするんです。92年にリリースされた次作『Re NAOKO』にはそういったイケイケ感というのはないので、やはりこれはバブル景気の絶頂にある89年という時代のなせる技なのかな?等と思ったりいたしますね。

そんな訳で、今上げた4曲は全てアルバム前半に固まっているので、LP風に言うならばJ−POPサイドといった感じでしょうか。ロックバンド、ザ・シャムロックのメンバーが作曲、ベテラン作詞家三浦徳子さんが作詞を手掛けた「見かけませんでしたか」、ゴダイゴのタケカワユキヒデさんが作曲、松本一起が作詞を担当した「馬鹿だね、雨」は、アタックが強めのシングル向きの楽曲。実際Wikipediaによれば「馬鹿だね、雨」はドラマの主題歌(ちょっと記憶にないんですが、いつものようにテレビ朝日さんの刑事ドラマでしょうか?)でシングル候補にもなった曲だそうです。シンガーソングライターの遠藤京子さんが作った「銀の針」、ユーミンのブレーンとして知られる武部聡志さん作曲、三浦徳子さん作詞の「悲しみのDance」も、どこか華やかさのあるミディアム・スロー・ナンバーで、聴き慣れればこちらもなかなかに味わいのある佳曲になっています。

でまぁ当初そのアルバム前半の印象に引きずられて意識が飛んでいたのですが、後半に並んでいる4曲が凄ぶる良くて。
ますは所ジョージさんが「迷惑」と「ひとりごと」という2曲を提供しているんですが、これが本当に滅茶苦茶良いんです。所さんの音楽家としての評判というのは多少漏れ聞こえていましたけど、詞も曲も実に味わい深くて最高。いつもテレビ等で少しだけ聞く所節丸出しと言えば丸出しなんですが、真面目に詞とかを書いたりしてもこの人とってもセンスがあるんだなぁと改めて思わされました。きっと照れくさくてスタンスとしてはあまりこういう楽曲提供のような事はしないんでしょうけど、何だかもったいないですね。
そして「冬のカトレア海岸」と同じ辻畑&麻生コンビが作った「最後の会話」は、「冬の〜」とは打って変わった歌謡曲マインドの溢れるミディアム・ナンバーでこちらも良作。お馴染みの石黒ケイさんが手がけた「今日子」も女性同士の友情がテーマ(ある種ビアン的…)で、ナオコさんらしいバラード・ナンバーになっています。

そしてアルバムの最後に収録されているのが、ナオコさんとは古い付き合いであるアルフィーの高見沢俊彦さんが作詞作曲した「BOYのララバイ」。これ、ぼーっと聞いていると全然そんな風に聞こえないんですが、タイトル通り当時生まれて間もないご長男のために作られた子守歌風のバラード。私にはナオコさんの洒落た感覚のほうが強すぎてあまり母性というものを曲から感じないんですけど、皆様にはどう聞こえているのでしょうか?

という訳で、ナオコさんとJ−POPという取り合わせに当初戸惑いを覚えた作品でしたが、種がわかってしまえば(?)といった感じで、聴きこむほどに好きになっているアルバムです。こちらも現在は廃盤ですが、中古市場では比較的手に入りやすい作品ですので、お手に取ってみていただきたいと思いますです。

チャートデータ
アルバム
わかりませんでした。
シングル
「冬のカトレア海岸」
わかりませんでした。

これで今のところリリースされているナオコさんのオリジナル・アルバムのレビューは全作終了でございます。長年のファンとしては一度取り掛かりたい仕事だったので、何とかコンプリート出来てちょっとほっとしている次第。ただしやはり予想していたとおりの展開になってしまったので、どうしても思いが強すぎると独りよがりに突っ走ってしまって、皆様にご共感いただける部分が少なくなってしまったかと反省もしております。アルバムの次は出来ればシングルもと思っておりましたが、これはまたの機会に。お付き合い下さっていた方がいらっしゃいましたら、本当に、どうも有難うございました。



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posted by Suzu at 03:00| Comment(8) | TrackBack(0) | 研ナオコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月30日

研ナオコ『スタンダードに悲しくて』(83年)

Naoko Ken:Standard Ni Kanashikute(83年)

研ナオコさんが83年にリリースした11枚目のオリジナル・アルバムです。

前年の82年に桑田圭祐さんの作品でサザンオールスターズのカバーでもある「夏をあきらめて」が久しぶりの大ヒットになったナオコさん。
プロデューサーである奥野秀樹さんの目利きで早くから桑田作品との関わりがあったナオコさんですが、「私はピアノ」のヒットは後輩の高田みづえさんに譲った形になってしまったので、「夏をあきらめて」のヒットはまさに念願の、という感じじゃなかったかと思います。
この流れで『研ナオコ 桑田圭祐を唄う NAOKO VS KEISUKE』というアルバムが編まれてもよかったように思いますが、残念ながらそういう企画には至らなかったようで、「夏をあきらめて」は同年11月発売のベスト盤『めぐりあい』に収録。本作はLP時代のナオコさんのベストで唯一CD化されている作品でもあり、ポピュラリティーは最も高いベストなのかなと思います。

本作はその翌年9月にリリースされた作品で、この3ヵ月前の6月にはジャズ・スタンダードと歌謡曲の融合にチャレンジした名盤『ナオコ・ミストーン』をリリースしており、何ともアイドル歌手なみのリリース・タームを決行。やはり売れるというのは、素晴らしいことなんだなと思いますです。
「ボサノバ」で都会的な大人の恋愛を唄い、「夏をあきらめて」で従来のドメスティックな歌謡曲からの脱却にも成功したナオコさん。
本アルバムは、そういった意味でも従来にない都会的なムードというか、おしゃれ感(恥)が漂ったライト・テイストな作品に仕上がっています。

そのライトなポップ感覚を牽引しているのが、和製ポップス界の大御所にしてイノベイターである筒美京平さん。
アルバムのタイトルにも採用された「スタンダードに悲しくて」という一節が入っているのが、ナオコさん32枚目のシングルで、ご本人も登場する化粧品のCMソングとして大量オンエアされた「愛どうじゃ恋どうじゃ」。森雪之丞さん作詞/筒美京平さん作曲というこちらもアイドル歌手なみの強力布陣で、当時化粧品のCMソングと言えば半分ヒットが約束されたようなものでしたし、ナオコさんが(主に企画内美人が出演するのが通常である)化粧品のCMに出演したということでかなり話題にはなったのですが、残念ながらヒットには至りませんでした。楽曲自体はCMソングらしいカラフルなポップスなんですが、言葉遊びのような歌詞が曲調に合わせすぎてちょっと軽すぎたのかもしれませんね。
シングルB面に収められていた「Lonely Star」はどこかティナ・ターナーの「ソウル・サヴァイヴァー」を思わせるようなリズムのある作品、アルバム用に書き下ろされた「Shall We Dance」は女性コーラスが華やかなスタンダード風の洒落た楽曲になっています。「Shall We Dance」と「愛どうじゃ恋どうじゃ」はアルバムのA面に、「Lonley Star」はB面に収録。

アルバムのオープニングを飾っているのは来生えつこ/たかお姉弟によるダイナミックなメロディのアップ・ナンバー「夜に蒼ざめて」。(何度か書いてるかもしれませんが)後にリミックスを施してシングル・カットされた作品です。秋元康さん作詞で「ペガサスの朝」で有名な五十嵐浩晃さん作曲の「言いだせない恋」は過去の苦い初恋に想いを馳せるノスタルジックな1曲。
そしてA面のラストを飾っているのは岡田冨美子さん作詞で、あのジュリーこと沢田研二さんが作曲を手掛けた「レインな別れ」。ナオコさんの芸能界入りのきっかけを作ったのがタイガースでしたし、あまり公式には聴いた事がない気がしますが、ジュリーの大ファンであるナオコさんにとっては嬉しい作品だったんじゃないかと思います。実はこの前年、ジュリーのラジオ番組の企画でジュリーの書いた曲に女性アーティストが詞をつけて番組内で披露するという企画があり、ナオコさんもこれに参加して自作詞を提供しているので、ひょっとするとそのお返しの意味もあったのではと想像しています。ジュリーらしいかは別にしてかっちりと出来あがった佳曲になっています。
※ナオコさん作詞の「一人ぼっちのパーティー」は、同ラジオ企画の曲を集めたジュリーのアルバム『JULIE SONG CALENDER』に収録。

B面は「Lonley Star」を真ん中に、お馴染み組と新規組が2曲ずつ。
お馴染み組は石黒ケイさんと福島邦子さんで、石黒さんは懐の大きなバラード「旅立つ男」を、福島さんはビッチー系の「不良娼女」を提供、新規組は三浦徳子さんとキャンディーズ曲等で有名な網倉一也さんによる「谷間の百合」と、芹沢類さんと鈴木キサブローさんによる「夜の錨」で、前者は逢う魔が時系の妖しさが漂うマイナー調の作品で、後者はクロージングに相応しいナイト・ミュージック風のスロウ・ナンバーになっています。

発売当時に購入して聴いていたアルバムですが、(従来作品と比較すると)やはり軽めに感じた部分もあって、それほど私的にはピンとくる作品ではありませんでした。
当時特別好きだったのは「谷間の百合」ぐらいでしたけど、こうして今になって改めて聴きなおすと、「旅立つ男」や「夜の錨」、「Shall We Dance」なんて曲も味わいがあっていいですよね。
イージーリスニングというほど軽いノリではありませんが、ナオコさんのアルバムでは比較的さらっと聴けるタイプの作品だと思いますです。

チャートデータ
アルバム
わかりませんでした。
シングル
「愛どうじゃ 恋どうじゃ」:71位



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※画像お借りしました。
posted by Suzu at 19:00| Comment(12) | TrackBack(0) | 研ナオコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月29日

研ナオコ『Re NAOKO−悲しい女−』(92年)

Naoko Ken:Re Naoko -Kanashii Onna-(92年)

研ナオコさん、92年にリリースされた16枚目のオリジナル・アルバムです。

ナオコさんは現在のご主人と87年に結婚され、同年にご長男を、89年にはご長女をご出産されています。きっと子育てを優先されていた状況があったのだと思いますが、前作『Bitter』から3年のインターバルをとってのリリースとなったアルバムです。

初のセルフ・プロデュースとなった本作ですが、お馴染みのといえるのは編曲で参加している若草恵さんぐらいで、後の方は初めて組む面々ばかり。
ナオコさんのアルバムはその人脈の広さもあって豪華な作家陣が並ぶことが多いのですけど、本作では谷村新司さん、渡辺真知子さん、オルケスタ・デ・ラ・ルスのNoraさん、シャ乱QのMAKOTOさん、専業作家では都会的な作風で知られる都志見隆さん、テレサ・テンさんの作品等でお馴染みのベテラン荒木とよひささん等が名を連ね、大人の女性のちょっと悲しい恋物語をそれぞれのタッチで綴っています。

先行シングルとしてリリースされたのは谷村新司さんらしいペーソス溢れるミディアム・ナンバーの「悲しい女」と、そのカップリングで。(歌詞では逆に歌っているけど)恋人のために綺麗でいたいと願う純粋な女心を歌った「綺麗になりたい」の2曲。綺麗になりたぁい〜♪とエステのCMソングとして大量オン・エアされたカップリングのほうが曲としては有名かもしれませんね。
書き下ろしは初めてですが、カバー曲としては過去に「秋止符」を唄っていますし、この後の『Ago』でも「帰らざる日々」を取り上げているので、ナオコさんアリスはお気に入りなんじゃないでしょうか。

また本場でも評価されているジャパニーズ・サルサ・バンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスのNoraさんとShiroさんが書いた「P.S.話がちがうじゃない」は、みゆきさんの「みにくいあひるの子」以来となるラテン・ナンバーで、詞の内容はともかく賑やかなタッチがナオコさんのシングルとしてはニュー・タイプな感じでございました。本アルバムではナオコさんのソロで収録されていますが、3ヶ月後に敏いとうとハッピー&ブルーに在籍していた古関正美さんと和泉順也さんにより結成されたデュオ、ライラックスとのデュエット・ナンバーとして歌い直され、「ナオコwithライラックス」名義でシングル・リリースもされています。

若干異色でもあるそのナンバーを除くと、少々枯れ始めた歌声も良い具合に曲の味わいとして昇華されたような、心に沁みるナオコさんのバラードの世界がたっぷりと楽しめる本作。

MAKOTOさんの「Hold On Me」、高橋睦子さん作詞、渡辺真知子さん作曲の「材木座あたり」、荒木とよひささん作詞、都志見隆さん作曲の「悲しみよ声をかけないで」、中川麻衣さん作詞、都志見隆さん作曲の「OFF」あたりが本作の基調となる楽曲。
ここに森川ゆうさん作詞、若草恵さん作曲のボサ・ノヴァ「Half Moon」、荒木/都志見コンビによるスウィング・ジャス・テイストの「ひとり遊び」、同コンビによる本アルバムの中では比較的歌謡感の強い「涙が海になるくらい」等が緩やかな起伏をアルバムに提供しています。

本作のキーワードはやはり「綺麗になりたい」という言葉でしょうか。アルバムの随所に散りばめられたその言葉には、心身ともに愛させるべき美しい人間でありたいと願う女性の心情がにじみ出ており、ナオコさんが世の女性の思いを代弁するかのように歌い語るとても味わい深い作品です。
商品としては既に廃盤ですが、CD時代になってから発売されたアルバムのため、中古品ではよく見かけますので、機会があればお手に取ってみていただきたいと思います。

※08年8月にレビューしたものを改稿しました。
…実は3年前に一度このアルバムのレビューを書いていたらしいのですが、全く覚えていず。今回本作をレビューしようと思って曲について調べていたら、何と自分のブログがヒットしたというとんちんかんぶりでした。CD今回改めて購入して聴きこんでたんですけどね。と言うことはもう1枚家に本CDがある訳です。露ほども思い出さなかったなんて、我ながら吃驚。『恋愛論』も『中島みゆきを唄う』も同時期にレビューしてたみたいです。…二度吃驚。

チャートデータ
アルバム
わかりませんでした。
シングル
「悲しい女」
わかりませんでした。



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posted by Suzu at 20:45| Comment(8) | TrackBack(0) | 研ナオコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月25日

『グリー:ザ・ミュージック、ヴォリューム7』(11年)

Glee:The Music, Volume 7(11年)

思いっきりネタばれで書きますから、ほとんどの方がそうだと思いますけどこれからシーズン3を見る予定の方はご注意ください。

そんな訳で有料チャンネルのFOXのほうで日本でも放映が始まったようですが、あちらでは9月からの放映を受けてシーズン3のサントラ第1弾が発売となりました。

シーズン3にはいろんなトピックがありますが、キーとなる事柄をズラズラッと羅列すると
@ブレインがカートを追ってマッキンリー高校に転校
Aレイチェル・ママでクインとパックの子供の里親でもあるシェルビー(イディナ・メンゼル)が音楽の教師(顧問?)としてマッキンリー高校に赴任
B校内の発表会の演目として「ウェストサイド物語」を上演
C校内の何かの委員(…)にカートやブリタニーが立候補
Dグリー・プロジェクトの合格者が登場
なんてところだと思います。

シーズン2はどちらかと言うと最新のヒット曲を取り上げる率が高かったですが、3の前半は「ウェストサイド物語」の上演という設定等もあり、ミュージカル色が濃厚。また60年代から80年代のクラシック・ソングが披露される機会も多く、原点回帰的なかじ取りがここに来てされたようです。
「ウェストサイド物語」からは都合6〜7曲が披露され、今までの流れで言えばミニ・アルバムくらいリリースしてもおかしくなかったのですが、ドラマでも通しで舞台を見せることはなかったので、単独でのリリースはされませんでした(…一番大きな理由は、さすがにウェストサイドじゃグリー人気でも購買が見込めないからって事だと思いますけど…)。本サントラにはその中からシェルビーとレイチェルによる「サムウェア」と、レイチェルとブレインによる「トゥナイト」が収録されています。

第2話の「アイ・アム・ユニコーン」の回は、ウェストサイド物語のグリー部内オーデションを中心とした話でしたが、シェルビーとレイチェルの「サムウェア」に続き、オーディションでカートが歌うのがミュージカル『ファニーガール』の「私は大スターよ」、そしてブレインが歌うのが「サムシングス・カミング」。この回は曲披露が少なくて3曲しか歌わないのですが、密かにバーブラ・ストライサンド・トリビュートになっていたので個人的にはにんまりでした。第1話ではレイチェルとカートが「ディンドン、魔女が死んだ」も歌ってましたし、グリーのバーブラ贔屓は本当に嬉しいかぎりです。

そしてもって、ブレインがマッキンリー高校にやってきた事によって、ニューディレクションズの男性リードの勢力図が大きく変わりましたね。
今まではフィンとパックがロック&カントリーの曲を、アーティーがR&B、カートがスタンダード&ミュージカル、雑駁でいうとこんな担当分けがされていた感じでしたが、ブレインというオールラウンド・プレイヤーがやってきた事で、ほとんどの曲に彼が絡むようになって、男性ヴォーカルの「顔」と言った活躍ぶり。本盤でもトム・ジョーンズの「イッツ・ノット・アンユージュアル」に始まり、ケイティ・ペリー担当としての「ラスト・フライデイ・ナイト」、前述の「トゥナイト」、ジャネット・ジャクソンの「コントロール」等にフューチャー。ブレインが抜けた新生ウォブラーズも1曲ビリー・ジョエルの「アップタウンガール」を披露していますが、正直見る分にはその楽しさに衰えはないにしろ、耳だけで聴くと若干インパクト不足というのは否めない感じで、ブレイン(ダレン・クリス)の魅きの強さというのがよりあぶり出された格好になっています。

本年最後の放映となったクリスマス・エピソードの前がグリーの予選会のお話でしたが、グリー部に理由あって反旗を翻したメルセデス&サンタナ&ブリタニーは別チームトラブルトーンズを率いて予選会に参加、レイチェルも自主謹慎中という設定の中で、ニューディレクションズはジャクソン・ファミリー・メドレーを披露します。久しぶりにリードを任されたティナが生き生きと可愛らしく歌う「ABC」、グリー初登場となるジャネット・ジャクソンの「コントロール」はアーティとブレインが、最後はラブコールに応えて復帰したサム(コード・オーバーストリート)も加わって男性陣が感動的に歌い上げるマイケルの「マン・イン・ザ・ミラー」で締めるという鉄板ネタ。ここはまんまサントラに収録されたのでよかったです。

今回最近のサントラでは一番曲数の少ない15曲収録で、オープニングを飾っているミュージカル『ヘアスプレー』の代表曲で楽しさ満点の「ユー・キャント・ストップ・ザ・ビート」、本家のダウンロード率も引き上げるほど話題になったシュー先生が歌うコールドプレイの「フィックス・ユー」、ブリタニーが大活躍するビヨンセの「ラン・ザ・ワールド」、シングル・チャートで11位とシーズン3で今のところ最大のヒットになったサンタナ&メルセデスによるアデルの「ルーモア・ハズ・イット/サムワン・ライク・ユー」のマッシュアップ、サンタナとシェルビーによる感動的なKD・ラングの「コンスタント・クレビング」、ドラマ内で聴いた時はなんの曲かわからなかったフィンが歌うグレッグ・ラズエル・アレンジ・バージョンの「ガール・ジャスト・ワナ・ハブ・ファン」等、さすがに厳選されただけあって高濃度なラインナップ。

前述の密かなバーブラ・トリビュート曲や、トラブルトーンズが歌うクリスティーナ・アギレラの「キャンディマン」や「サバイバー/恋のサバイバル」のマッシュアップ、今季からようやくレギュラー入りとなったマイク役のハリー・シャムJrが初の単独リードをとったウェストサイド物語の「クール」、グリー・プロジェクト出身のダミアン・マクギンティーやリンジー・ピアースが歌うナンバー等も出来れば収録してほしかったところですが、線に漏れてしまったのはいつもの事ですが何とも残念でした。一部は配信で購入する事が出来たので、私はそちらを利用させてもらいましたけど。

そんな訳で、あちらの本年中の放映も年末年始休暇に入ってしまったので今年は終了。来年は1月第3週からの開始みたいですね。後半には後二人のグリー・プロジェクトの優勝、準優勝者も登場するでしょうし、リッキー・マーティンが参加するかも?なんて未確認情報もあり、お話もどんな展開を見せていくのかとっても楽しみです。今年もグリーには本当に楽しませてもらいました。聴けば(見れば)必ず元気をもらえるし、音楽の楽しさがこれほど詰まっている番組は、やっぱり他にはないかなと思います。有難う、グリー!来年もよろしく!!

チャートデータ
アルバム
Pop 9位
シングル
書ききれないのでこちらを参考下さい
http://en.wikipedia.org/wiki/Glee_Cast_discography




posted by Suzu at 08:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画・ミュージカル系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月18日

恋人たちのクリスマス/All I Want for Christmas Is You

恋人たちのクリスマス/All I Want for Christmas Is You

個人的に、って世間一般の方もそうかもしれないですけど、12月は年間で一番の繁忙期になるため超忙しいんです。最近は自分の仕事に加えて営業やら生産部門やらの応援にもかり出されるので、さらにワサワサ感が増加。街は華やかにクリスマスやお正月に向けて加速していく訳ですが、残念ながらそんな気分を味わっている暇のない現状だったりいたします。
だからあんまりクリスマスって実感しないんですけど、この時期はどうしても海外アーティストの皆さんがこぞってクリスマス・アルバムをリリースするため、何だかんだ言って手元にクリスマス・アルバムが続々と到着し、音楽面だけはクリスマス華盛りとなってしまう悲しい実態。否が応でもとは、このことですね(smile)。

そんな訳で今年もお気に入りのアーティストのクリスマス作品を何作か購入することになった訳ですが、購入した4作品のうち、3作品に入っていたのがマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」のカバー。94年リリースのこの曲、日本でもドラマ主題歌に使われて大ヒットしてから冬の定番曲として完全に定着していますが、海外でもどうやら似たような状況のようで、90年代に生まれたクリスマス・ソングとしては唯一スタンダード化しそうというか、もうしている感じの勢いでございます。クリスマス・ソングにもしっとり系とウキウキ系がありますが、どうしてもウキウキ系だと「ジングル・ベル」や「ママがサンタにキッスした」等お子様系になったりするので、ちょっと年齢層をあげて盛り上げたい時には丁度よかったりもするんですよね。
ま、そんな訳で「恋人たちのクリスマス」、今年出会った3バージョンをご紹介してみたいと思います。

Glee: the Music-Christmas Album Vol. 2

今週あちらでは放映となった、人気番組グリーのクリスマス・エピソード第二弾のサントラに収録。

番組のオープニングを飾って歌われるのがメルセデス役のアンバー・ライリーがメインで歌う「恋人たちのクリスマス」で、キャストみんなでクリスマスの飾りつけをするシーンで賑やかに披露されました。アレンジもオーソドックスだし、もちろんメルセデスの歌声も安定感抜群なので、正統派のカバーと言えそうです。あぁ、この教室にいたい(smile)。



Michael Buble:Christmas

現在アメリカでチャート1位独走中のマイケル・ブーブレのクリスマス作に収録。

今年放映されたブーブレさんのクリスマス特番は裏番組のグリーを超える視聴率を記録したそうで、とにかく今アメリカ(世界でか)で一番人気のある若手ポピュラー・シンガーのクリスマス・アルバム第二弾(前作はミニ・アルバムでしたけど)。
ここで披露される「恋人たちのクリスマス」は、ぐっとアダルティーな大人のポピュラー・アレンジ。こういうのって意外に難しかったりするのですが、実にさりげなく素敵に聞かせてくれます。さすがブーブレ。



Justin Bieber:Under the Mistletoe

ティーンに一番人気のジャスティン・ビーバーの初クリスマス・アルバムに収録。

そんな訳でこれ、何と本家マライアを招いてのデュエット・バージョン。産後のダイエットを経て超スリムな身体を取り戻したマライアが、どうよとばかりにその肢体を見せつけるPVも話題でございます。正直作品的にはうまくかみ合っていない印象を受けますけど、まぁお祭り気分で楽しむにはいい感じなのかなと。
とって食われちゃいそうなビーバー君とマライアの絡み、ご堪能下さい(smile)。



最後に一応、ちょっと懐かしい本家も載せておきましょうか。



まぁそんな感じで、クリスマスは楽しいですよね(涙)
みなさん楽しいクリスマスを!
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2011年12月17日

研ナオコ『あの頃へラブレター Ago』(93年)

Naoko Ken:Ago(93年)

研ナオコさん、93年にリリースされた17枚目のオリジナル・アルバムです。

ニューミュージック系の名曲を集めたカバー・アルバムとして企画されたもので、「あの頃へラブレター」という副題がついています。
この作品、先日ご紹介した81年の名盤『恋愛論』の続編という佇まいもあって、この企画の恩恵かその『恋愛論』自体も当時同時にCD化されてとっても有り難かった思い出があります。正直私にとっては『Ago』のほうが副次的な感じだったりして。

今回はバンバンの「いちご白書をもう一度」、丸山圭子さんの「どうぞこのまま」、吉田拓郎さんの「旅の宿」、井上陽水さんの「ジェラシー」、りりぃさんの「私は泣いています」、安全地帯の「ワインレッドの心」、つのだ☆ひろさんの「メリー・ジェーン」、梓みちよさんの「メランコリー」、石川セリ(高樹澪)さんの「ダンスはうまく踊れない」、アリスの「帰らざる日々」、サザンオールスターズの「ポカンポカンと雨が降る」というラインナップ。
よくよく見ると陽水さん関連の曲が3曲、拓郎さんの関連の曲が2曲セレクトされていますね。

発売当時、『恋愛論』と比べてしまう気持ちもありましたし、正直言ってあまり良いアルバムとは思えませんでした。なんとなく一般的受けしそうな名曲をセレクトして、あぁナオコさんが歌ってるんだなぁという感じで。声も若干枯れ具合が進んでいるようでしたし、どこか単調で、『恋愛論』のようなカバーの粋を超えたオリジナル作品!とは到底思えなかったのです。だから、今回もそんな論調でこの記事を書こうかなーと思い、それでもせっかく書くんだからと繰り返し聴いていたら…これがけっこう味が出てきた(爆)。
「私は泣いています」や「どうぞここまま」、「ダンスはうまく踊れない」なんてやっぱりナオコさんにハマるし、「メランコリー」なんかもモダン・テイストなジャズっぽいアレンジがなかなか面白い味付けになっていたりします。「ポカンポカンと雨が降る」はもう少しツイストをきかせてもよかった気がしますが、やっぱりサザン歌謡との相性の良さは感じられる出来になっています。
全体的に枯れた感じが強いんですが、けっこうこういう冬の凍てついた寒さの中でBGM的に聴くと納まりがよかったりもするんですよね。

ファンって、ダメだなぁ(smile)。

されど、やはりファン向き、もしくは全然ファンじゃない方が古今の名曲を聴きたい、的なスタンスで聴かれる感じのアルバムかなと思います。アマゾン等ではまだ手に入りますが、何だか変な値段設定になってるのは何ででしょ?(5,000円近くもする…)
しかしまたしても『研ナオコ 魅力のすべて』には全曲収録されていますので、よろしければそちらをお求めくださいませです。
(…何もこのアルバムの曲を全曲収録しなくてもよかったんですけどね…)

チャートデータ
アルバム
わかりませんでした
シングル
「メリー・ジェーン」:わかりませんでした




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2011年12月12日

研ナオコ『恋愛論』(81年)

Naoko Ken:Ren-ai-ron(81年)

研ナオコさん81年にリリースされた9枚目のオリジナル・アルバムです。

私にとっては記念すべき最初に購入したナオコさんのオリジナル・アルバムであり、もっと言えば初めて買った歌手の方のLPがこの『恋愛論』でした。
私が歌手のナオコさんを好きになったきっかけは「みにくいあひるの子」なんですけど、その後に購入したカセットの『全曲集』を経て、次のアイテムを求めた時に丁度最新作としてリリースされていたのがこの作品でした。オリジナルと言っても、主にニューミュージック系の楽曲をセレクトしたカバー・アルバムな訳ですが、当時の私には知っている曲のほうが少なかったので、ほとんどオリジナル作品として聞いていたように記憶しています。
あれから30年が経ちますが、この作品の素晴らしさは少しも色褪せる事がありません。いつ聴いても新鮮な感動を私に与えてくれる稀有な作品なんです。

イルカさんの「雨の物語」に始まり、堀江淳さんの「メモリーグラス」、庄野真代さんの「アデュー」、福島邦子さんの「ボサノバ」、五輪真弓さんの「さよならだけは言わないで」、アリスの「秋止符」、山崎ハコさんの「白い花」、因幡晃さんの「別涙(わかれ)」、そして中島みゆきさんの「ひとり上手」と「根雪」というラインナップ。
選ばれているのが名曲ばかりというのももちろんあると思いますが、帯に書かれている「ニューミュージックの名曲に、ナオコの歌心を吹き込んだ別れの詩集を、今、あなたに」という謳い文句そのままに、ナオコさんの歌心がこれでもかと詰まった作品なんです。もちろん歌心が詰まってると言ったからって、しゃにむに歌いこんでいるわけではありません。いつものように曲に必要なエッセンスだけを抽出して、丁度良いころあいで聞かせてくれる。その丁度よいころあい加減が、このアルバムは本当に絶妙なんです。

とにかく1曲目の「雨の物語」からして、もうそこにはカバーを超えたオリジナルの世界が広がっています。イルカさんの歌う「雨の物語」も大好きですが、ナオコさんのこれも絶品。堀江淳さんの「メモリーグラス」、これは私の記憶に間違いがなければ、堀江さんが曲を書く時に想定されたのがナオコさんだったそうなんです。本家(smile)の自家薬籠ぶりが堪能出来る素晴らしいバージョンになっています。そして「アデュー」、個人的にはこの曲が本盤のハイライトでしょうか。かつての恋人たちの一瞬の再会と別れを描いたバラードですが、この曲で魅せるナオコさんの表現力の素晴らしさというのは筆舌に尽くし難いです。
夕闇が刻一刻と濃くなっていくオフィス街での怖いような静寂の中、目と目を見交わし、それでも何も言わずにすれ違って行く男女の心の機微が、余すところなく伝わってまいります。この曲、庄野真代さんバージョンだと歌詞の違うサビの繰り返しが3回あるのですが、その3番目の部分をカットしたことによって、より大人の恋愛歌としての完成度が上がったように思うんですよね。この選択に出た方、値千金だと思います。そしてこのオフィス街の静けさから徐々に俯瞰していって、夜の繁華街へとシーンをがらりと移していく「ボサノバ」への流れがまた秀逸。

「ボサノバ」は、密かにナオコさんのターニング・ポイントになった曲だと思ってるんですよね。それまではどこか「わかれうた」=「ふられうた」みたいな、一方的に置いて行かれてしまう女の人たちの歌が多かったのですが、この曲あたりからぐっと両者の関係性が対等になってきたというか、主人公が地方から上京してきたさえない女の子から、都会で生きる自立した女性にシフト・チェンジしたように思うんです。いい女度がどんどん上がっていった感じと言うんでしょうか(smile)、30才を迎えようとしていたナオコさんの実像と、80年代の空気感というのも関係しているのかもしれません。
前にも触れましたが、この曲だけはシングル・カットしたこともあってナオコさんのために書かれたオリジナル曲だと思っており、何でカバー・アルバムの中に入ってるんだろう?なんて疑問に感じていましたが、実は作者の福島邦子さんのセカンド・アルバムに収録されていた曲で、こちらもれっきとしたカバー曲でした。マイ・フェイバリットな名曲です。

そしてこの後に続く各曲も実に絶妙なさじ加減の連続。ちょっと泣き節を入れて聞かせる「白い花」や、静と動の感情のコントラストが鮮やかな「別涙(わかれ)」、スケールの大きな「根雪」等も抜群です(「ひとり上手」だけは、ちょっとマイナーに歌いすぎかな?って、気はしてますけど…)。
そしてこのアルバムの素晴らしさの一因として上げておきたいのが、編曲/アレンジの良さ。「雨の物語」のピアノの音色、前述の「アデュー」から「ボサノバ」へのつなぎ部分、「別涙(わかれ)」冒頭の静寂感等、ナオコさんの歌声を最大限引き立てる絶妙のサポートがなされているように思います。若草恵さんという方が担当されているんですが、この方の手がけたラインナップを見たら、明菜ちゃんの「難破船」や郷ひろみさんの「哀愁のカサブランカ」、坂本冬美さんの「夜桜お七」等、良いお仕事をたくさん出がけているベテラン・アレンジャーでいらっしゃいました…納得です。

そんな訳で、(ナオコさんには多いんですけど)単なるカバー・アルバムの粋を大きく超えたオリジナル・アルバムとして、ナオコさんの歌い手としての魅力を堪能出来る逸品でございます。
ナオコさんのアルバムには珍しく、93年にニュー・カバー・アルバム『Ago』のリリースに併せて、副題に「あの頃へラブレター」と付けられた上でCD化されています。現在では手に入りづらい作品になってしまいましたが、またしても(smile)CDBOX『研ナオコ 魅力のすべて』には全曲収録されておりますのでよろしければそちらを。…ただし曲間のつなぎまで含めて名盤となっている本作、出来ればオリジナルを手に入れてお聞きいただきたいですけどね。

チャートデータ
アルバム
わかりませんでした。
シングル
「ボサノバ」:69位




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2011年12月09日

研ナオコ『ラブ・ライフ・ライブ 弥生』(08年)

Naoko Ken:Love Life Live Yayoi(08年)

研ナオコさん、08年にリリースした18枚目のオリジナル・アルバムです。

前回ご紹介した『Love Life Live Vol.1』は取りあえずベストないしコンピレーション扱いという事で、本作は『Ago』以来15年振りのオリジナル・アルバムとしてアナウンスされたアルバムです。
しかもナオコさんにとって初の大ヒットとなった「愚図」の作者である、宇崎竜童&阿木耀子夫妻の書き下ろし&カバー曲が9曲中8曲を締めるという宇崎&阿木ソングブックの様相。アルバム発売当時はナオコさんに対する想いというのが自分の中でかなり下火だった事もあり、聞いてみようという気にならなかったのですけど、今回のナオコさん再探訪であらためてお取り寄せをした次第です。

そして、またこれが本当に驚くぐらいに素晴らしい作品で。
ナオコさん、この辺りからすっかり往年の輝きを取り戻していたんですね。いやいや往年のというのとはちょっと違うのかも。また新たな魅力を私たちに見せはじめてくれていたのです。

何はともあれタイトル曲の「弥生」。これが…凄い。

若い頃理由あって子供を堕ろさなくてはならなかった女性が主人公。愛した人とも別れ、その後出会った他の男性と結婚、子供を儲けて幸せに暮らしているんですが、事あるごとに堕ろしてしまった子供の事を思い出し、贖罪の中で日々を暮らしている…というような内容。
ナオコさんにとって初めてと言ってもいい社会的内容を含んだメッセージ・ソングとも言え、内容が内容だけに、この曲を中絶反対のプロパガンダに上げているサイトもありましたが、そういう声高な主張よりも、親の子に対する愛情の深さが痛いくらいに胸に沁み込んでくるような、やるせなくも物悲しい歌曲になっています。これは宇崎さんの美しくも抑制のきいたメロディと、阿木さんの詞の巧みさ、ナオコさんの持ち味である歌の語り部としての力が相乗してそう聞かせてるんだと思います。

9分という大曲。曲と曲の間には、会えなかった幼子に聴かせる「かごめかごめ」「竹田の子守唄」「さくら」という3曲の童歌が挿入されます。
昔の童歌にはその曲が生まれることになった隠された背景があったりしますが、「かごめはかごめ」はその由来のひとつに、家の跡目騒動に巻き込まれて子供を流産させられた女性の話だとされるものがあります。また「竹田の子守唄」は、もともと大阪や京都の部落差別地方に伝わる子守歌だったという説も。そして最後に歌われる「さくら」は、亡くしてしまった子への鎮魂歌としてつぶやくように歌われます。3月に生まれたはずだから弥生と名づけた我が子を、毎年その時期に無数の花びらとなって舞落ちる桜に重ね合わせて祈りを捧げる主人公。美しく咲き誇り、またあっという間にその命を終えてしまう桜。その桜の花が散るのをただ見つめるしかない主人公の姿には、人として色々と考えさせられるものがあります。
聞き手に判断を委ねるかたちになっているから、余計にそうなのかもしれません。良いとか、悪いとかだけでは決着がつけられないことって、世の中にはたくさんありますものね。



おっと、また意識が飛んでしまった。
この曲を聴くと、自分も一瞬物思いに耽ってしまうんですよね。是非多くの方に、聴いていただきたい作品です。

そしてこのアルバム、この『弥生』1曲だけでもお釣りがくるほどなんですけど、その他の楽曲もまたとても素晴らしいんです。
その昔『笑い上戸』というシャイな男性とあけすけな女性のすれ違い恋愛の曲をナオコさんに提供した夫妻ですが、今回は同じシャイな男女同志のもどかしい関係を曲にした軽いタッチのロック・ナンバー「シャイだった」、ダウンタウンブギウギバンドのヒット曲「身も心も」の返歌として書かれたらしい、いぶし銀なメロディが光る「マイ・ボディ・アンド・ソウル」、山口百恵さんのヒット曲のカバーで、そこはかと艶めかしい軽いタッチの歌い口が新鮮な「絶対絶命」、台詞部分に年月の流れを込めたセルフ・カバーの「一年草」、内藤やす子さんとはまた違ったブルース表現が魅力の「想い出ぼろぼろ」、こちらも渋く歌い込む前述の「身も心も」、由紀さおりさんのオリジナルをぐっと枯れたナオコ・ワールドに引き寄せて聞かせる「TOKYOワルツ」、そしてブロンディの「コール・ミー」を髣髴とさせるような滅茶苦茶かっこいいロックンロールの「煌めく河」(これだけ別作者)と、まぁどれもこれもの粒ぞろい状態。

このアルバム、曲が良いということももちろんあるんですが、何よりナオコさんが歌手として新たな境地を切り開いたのが感じられるのが嬉しいんです。90年代後半以降、枯れた魅力、というには少々キツい歌声での歌唱が常態的な感じになっていたのですが、ここではそのスカスカした部分に血肉骨が詰まり、ドスが効いたというか重心が低くなったというか腰が据わったというか、低音部分の響きに厚みが増して、枯れていながらも芯のある歌声が聴けるんですよね。
もう、待ってました!という感じ。
テレビ等への露出が減った分、地道にされど精力的にコンサート活動を続けてきた成果なのかもしれません。
本年リリースの次作『一途』でも好調は堅持されてますものね。

残念ながらこのアルバムも一般流通はネット販売のみ。
「弥生」も、こんな素晴らしい楽曲がほとんどテレビ等では聞く機会がなかったというのが、まぁわかりますけど残念でなりません。以前You-TubeにBSの番組で歌われた映像がUPされていたそうですが、今は削除されてしまっています。ただし、中国の画像サイトに映像がありましたので、短いバージョンですが是非お聞きいただきたいと思います。
出来ればフルで、この曲は聴いていただきたいのですけど。

傑作と、言っちゃおうと思います。

※「弥生」の童謡部分の解釈については著名な歌謡曲サイトの記述を参考にさせていただきました。その方の見識あっての読み解きですが、この曲の「核」となる部分ゆえ引用させていただいた次第です。

チャートデータ
アルバム
チャート入りなし

「弥生」→http://v.youku.com/v_show/id_XMTkwMTU1MTk2.html

posted by Suzu at 23:00| Comment(7) | TrackBack(0) | 研ナオコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月08日

研ナオコ『ラブ・ライフ・ライブVol.1 35周年アニバーサリー』(06年)

Naoko Ken:Love Life Live Vol.1 35th Anniversary(06年)

研ナオコさんの2006年にリリースされた作品です。

93年にカバー・アルバム『Ago』をリリースしたのち、ベスト盤の発売等はあったものの、新たなレコーディングによる作品というのはなかなか制作されませんでした。
長らく所属していたポニーキャニオンとの契約も2001年に終了してしまった中で、本作は自主製作=インディーズ作品としてではありますが、13年振りに新録音曲のみで構成され、コンサート会場や通信販売のみで購入することが出来た作品です。(しかも35周年記念作品!)

アルバムはセルフ・カバー曲が7つと、新たなカバーが2つ、完全オリジナルの新曲が1曲の全10曲入り。セルフカバーが多いとはいえ全部が新録音曲なので、本当はオリジナル・アルバムにカウントしてもいい気がしますけど、分類としてはベスト盤扱いになってるみたいです。
セルフカバーは当然のように代表曲が並んでいて、「愚図」「あばよ」「窓ガラス」「TOKYO見返り美人」「六本木レイン」、そしてかつてレコーディングしたみゆき作品の中から「りばいばる」と「時代」が再登場しています。このセルフカバーたち、「六本木レイン」のみ大きくロック・タッチに変更されている以外は、カバー曲も含めてほぼ原曲どおりのアレンジで再演されています。

だから…というわけではないんでしょうけど、個人的には声の劣化のほうがどうしても気になってしまって、正直歌を楽しむというところまで私は行けませんでした。ここ最近の作品はだいぶ持ち直しているというか、もしくはナオコさん自身が今の声の使い方を会得されたのかあまり衰えが気にならない仕上がりになっているんですけど、まだこの06年時点ではそこまでたどり着いていなかったようで、もう何だか聴いているとこちらの喉が締め上がってくるというか、苦しくなってきちゃう感じ。ナオコさんの歌って難しいんだなーなんて、改めて思ったりもいたしましたけど。

…でもね♪(長山洋子風)

悪いことは先に書いたので、後は褒めるだけ(smile)。
今回このアルバムのために用意された新曲がね、実に素晴らしいんです!
オリジナル曲の「あした…」と、中島みゆきさんの『心守歌』のリードトラックだった「囁く雨」、セルフタイトルだった『中島みゆき』収録の「土用波」のカバーなんですが、これが本当にいい。
歌い飛ばし系のアップ・ナンバーで、アン・ルイスさんなんかを髣髴とさせる歌謡ロックの「あした…」、久しぶりにナオコ節とみゆき曲の化学反応を満喫する事が出来る「囁く雨」と、軽いこぶし回し(フェイクと言うべきかな?)が新鮮な「土用波」。聞いてるのが辛くなるその他のセルフカバーの中にあって、まるで砂漠の中でオアシスにたどり着いたかのような感覚に陥っちゃいます。本当にね、この差は何?って首をかしげたくなるぐらいの違いなんですよ。もしかしたら録音時期とかが大幅に違うのかもしれません。そんな風に思えちゃうほどこの3曲は別格。これを聴くためだけでも、このアルバムを手に入れる価値はあると思いますです。

ただし、残念ながら現在このCDはナオコさんのHPでも通販の取扱いが終了してしまっており、正規では(今のところ)手に入れることが出来なくなってしまっています。
本来はDVDとのセットで、そちらには「この空を飛べたら」「ルージュ」「あした…」「かもめはかもめ」「LA-LA-LA」等(のたぶんライブ映像)が収録されている模様。私も実は手に入れられてなくて、先日オークションに手ごろな値段で出ていたので落とす気満々だったのですけど、つい気を抜いた隙に最後の最後でさらわれてしまって涙を飲みました(馬鹿馬鹿…)。
幸運な事(?)に、ituneでCD音源のほうは発売されていたので、とりあえず今回はそちらからゲットした次第です。なので、ipodをお持ちの方はお薦めの3曲だけDLするのもありかもしれませんね。

この2年後にはほとんど復調した名作『弥生』をリリース。『弥生』にいたる序章、そう捉えてもいい作品かもしれませんです。

チャートデータ
わかりませんでした…って、入ってませんよね、当然。

70501.jpg
アルバムの曲がないので、40周年記念として銘打たれた動画(?)を。10曲聞けます。
posted by Suzu at 22:00| Comment(9) | TrackBack(0) | 研ナオコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月04日

研ナオコ『中島みゆきを唄う』(78年)

Naoko Ken:NAOKO VS MIYUKI(78年)

78年にリリースされたナオコさん6枚目のオリジナル・アルバムです。

前年にちょっと色々あったナオコさん。その影響で半年ほど休業を余儀なくされたんですが、起訴猶予となって芸能界にもカムバック。当時の映像等を見ると、まるで病気明けとか誰かが亡くなったショックで休業していたような雰囲気(曲前の紹介とかが、そうなんです)で、かなり温かく芸能界に再度迎え入れられたような印象があります…詳しい経緯は私も知らないですけど、そんなものなんですかね。

復帰第一弾として77年10月にリリースしたアルバム『かもめのように』から、翌年3月になってシングル・カットした「かもめはかもめ」が大ヒット。78年はみゆきイヤーと言ってもいいみゆき作品一色のリリースで、3月の「かもめはかもめ」に続き、シングルは7月の「窓ガラス」、10月の「みにくいあひるの子」と3連続。アルバムも7月にみゆきさんの曲だけで固めた『NAOKO VS MIYUKI』を発売しております。

で、その『NAOKO VS MIYUKI』。
この前の2つのアルバムは片面をみゆきさんの書き下ろした曲で、もう片面を他の作家さんの曲で固めるといった構成でしたが、本作は名前が示すように全曲をみゆき作品で構成。その代わりに新たに書き下ろした作品は収録されず、アルバムはA面を新録音ながらみゆきさん自身や他の歌手へ提供した楽曲のカバーで固め、B面は今までリリースしたみゆきさんによるナオコさんへの提供楽曲を収録するという形式になっています。

色んな苦渋を経験したという事も、もしかしたら影響しているのかもしれませんが、本当にこのアルバムのナオコさんは凄いんです。

A面は「時代」「しあわせ芝居」「わかれうた」「追いかけてヨコハマ」「アザミ嬢のララバイ」「この空を飛べたら」というラインナップ。
とにかく1曲目、「時代」の素晴らしさにまずはノックアウトされます。何という圧倒的なスケール感でしょう!この曲の持っている大きなテーマやメッセージ性を、これ以上ないぐらいに表現して歌いきっています。独断と偏見で言わせていただければ、みゆきさんのオリジナルよりも私はこのナオコさんのバージョンのほうが好き。多少へこんだ事があっても、この希望に満ちた歌声を聴けば気分が上向きになること請け合いです。こちらも原曲越えしてる(気がする)「アザミ嬢のララバイ」や、自家薬篭中という感じの「しあわせ芝居」に「追いかけてヨコハマ」、その後のコンサートのレパートリーにもなっているお登紀さんの「この空を飛べたら」等、その他の曲も本当に吃驚するぐらいクオリティが高〜い。普通大抵のカバーというのはオリジナルに比べるとどうしたって劣るものが多いんですけど、ここには肩を並べるか、もしくは上をいっちゃってる?というようなバージョンばかりが収められています。
神がかっていると言うは、こういうことを言うんだろうなぁと思いますね。

B面はナオコさん'Sヒットということで、「かもめはかもめ」「窓ガラス」「LA-LA-LA」「あばよ」「雨が空を捨てる日は」「強がりはよせョ」というこちらも強力ラインナップ。
新曲扱いだった「窓ガラス」はまだ売れる前のアルフィーの皆さんをバックに従えてテレビに出ていたことでもプチ有名ですよね。アルフィーとは東宝レコード→田辺エージュンシー→キャニオンレコードと全く同じ軌跡を辿った縁のある仲なんだそうです。その「窓ガラス」にしても「あばよ」や「強がりはよせョ」にしても、どこの街でも繰り広げられていそうな悲しくて、俯瞰するとどこか滑稽でもあるストーリーを紡がせたらみゆきさんはやっぱり日本一ですし、またそれを歌ってナオコさんもやっぱり日本一だなぁと思います。もうね、本当に詞、曲、歌がこれ以上ないほど一体化しちゃってるんですよ。つけ入る隙がないとは、これまたこういうことを言うんだろうなぁと思いますです。

そんな訳で、私はこの作品を少なからずある中島みゆき作品集の最高峰であると思っております。みゆき作品というくくりが必要のないくらい、日本の歌謡界の宝というべき傑作・名作アルバム。これを聴かずして他に何を聴くって感じでしょうか(大きく出たね)。
長らくこれだけはCDでも比較的容易に手に入りやすい作品でしたが、どうやら今は店頭在庫のみみたいですね。もう、信じられない!
(ただし、『研ナオコ 魅力のすべて』には全曲収録される予定です。)

チャートデータ
アルバム
わかりませんでした。
シングル
「窓ガラス」:8位


「時代」がなくて残念。

naoko miyuki.jpgnaoko mado.jpg
posted by Suzu at 13:00| Comment(10) | TrackBack(0) | 研ナオコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月01日

研ナオコ『アゲイン』(84年)

Naoko Ken:Again(84年)

84年にリリースされたナオコさん12枚目のオリジナル・アルバムです。

82年にリリースしたサザンオールスターズのカバー「夏をあきらめて」が快心のヒットとなったナオコさん。
ナオコさん陣営がこのヒットの勢いを生かしたいと思うは当然の事で、勝負の次作に選んだのが旧知の中島みゆき作品でした。本当は新曲を書いてほしかったところでしょうけど、みゆきさんも「悪女」のヒットでセカンド・ブレイク真っ只中の時期。お願いしたけど新らたに曲を書き下ろすのは難しいということで、結局78年のアルバム『かもめのように』に収録されていた「ふられた気分で」を再レコーディングしてリリースすることになった…のじゃないかと思います。
良い曲ですけど、いくら中島みゆき作品といってもシングルにするには地味過ぎる本作。リリース時点で結果は見えていたような感じでしたが、やはり連続ヒットとはいきませんでした。
その時点で本作の構想があったのかどうかはわかりませんが、タイトルから「で」がなくなった「ふられた気分」のシングル・リリースから2年後の84年になって、この「再び企画」をアルバム単位に拡大させたのが、この『Again』ということになると思います。

中島みゆき作品で歌手としてのステイタスを確立したナオコさん。
当時私が聴いていたのはシングル曲と『NAOKO VS MIYUKI』ぐらいでしたが、やはりみゆきさんとのコラボには絶対の信頼をよせていたので、この作品のリリースがアナウンスされた時は、非常に嬉しく期待に胸を高鳴らせたのを覚えています。
アルバムのジャケットに映るのはすっぴんのナオコさん。当時このすっぴんジャケは話題になりましたけど、女の人、しかもあのナオコさん(smile)が化粧を落とした姿をさらすというのは、このアルバムに対して並々ならぬ思いを抱いているんだろうなぁと思わずにはいられませんでした。

そんなこんなで非常に期待をよせた作品だったのですが…どうもこれが私的には納得のいかない内容で。
選曲されているのは「りばいばる」に始まり、「誘惑」「ピエロ」「ふられた気分」「捨てるほどの愛でいいから」「雨…」「かなしみ笑い」「笑わせるじゃないか」「おもいで河」「ルージュ」という、まぁ至極順当というか魅力的な楽曲たち。
聴き始めの「りばいばる」とかはいいんですけど、曲が進むに連れてどんどん耳に入らなくなってきて、気がつけばアルバムが終わっちゃってるって感じなんですよね。84年リリース当時がそうで、実は今回このブログを書くにあたって20数年ぶりに聴きなおしたのですが、はやりその印象は変わっていませんでした。

思うに…
ナオコさんって、楽曲との距離の置き方が抜群に上手いシンガーだと思うんです。一歩引いているというか、曲に必要な情感だけを上手くすくい上げて、必要以上にベタベタしたところがない、語り部に徹するタイプのシンガーかなと。レコードでは泣き節的な歌い方をする事もありますけど、それでもどこかそういう自分を冷静に見つめているもう一人の自分がいて、きちんとコントロールを利かせているように思えるんですね。
このアルバム、久しぶりにがっつりとみゆき作品に取り組むということで、回りの期待に加えて自分自身へのプレッシャー、すっぴんをさらすぐらいに良い作品と作ろうという気負いがかなり入ってしまったんじゃないでしょうか。だから、感情が入りすぎて、いつものような曲とのうまい距離感が保てなくなってしまったのかなと。
「誘惑」はもっと洒落た感じが欲しいし、「笑わせるじゃないか」はもっと滑稽でいいし、「ルージュ」はもっとたおやかさがあっていいと思うんです。「捨てるほどの愛でいいから」や「雨…」も泣きすぎ。どれもこれも必要以上にウェットで、悪く言うと一本調子。みゆきさんの世界に入り込みすぎちゃって、ナオコさん本来の引きの魅力が生きていないように思えて仕方がないのです。

あくまで、これは私個人の印象。これらの曲は既にみゆきさん自身の歌で私が慣れ親しみすぎていたというのもありますし、異様に期待値が高かったというのも、そういう悪い印象を抱かせる原因になったのかもしれません。
幸いこのアルバムは、もうひとつの中島みゆき作品集である傑作『NAOKO VS MIYUKI』とセットになってCD化され、運が良ければ一部店頭在庫等でまだ手に入る可能性もないことはないので、興味のある方はぜひ聴き比べを兼ねてお聞きいただければと思います。曲順とかバラバラですけど、先日ご紹介した5枚組BOXセット『研ナオコ魅力のすべて』には全曲収録されている模様です。

否定的意見ばかり並べてすみません。この作品好き!なんて方がいらっしゃいましたら、是非とも私の心をほぐしていただきたくお願い申し上げます。

チャートデータ
アルバム
わかりませんでした。
シングル
「ふられた気分」:53位



naoko again.jpgimg6680508352402.jpg
posted by Suzu at 23:15| Comment(10) | TrackBack(0) | 研ナオコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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