2012年05月19日

ドナ・サマー逝く…

思い出話をさせて下さい。


朝電車の中でツイッターを見るのが習慣的になっちゃてるのですけど、今朝いつものようにツイートを見始めたら「追悼ドナ・サマー」の文字。何それ?と思ってどんどん画面をスクロールさせれば次々と出てくるドナへの追悼コメント。ホイットニーを失って3ヵ月、またしてもこんな予想外で悲しすぎる訃報に接するなんて思いもしませんでした。

私がドナを最初に聴いたのは80年代の初めごろ、バーブラ・ストライサンドのアルバム『ウェット』に収録されたデュエット曲「ノー・モア・ティアーズ(イナフ・イズ・イナフ)」によってでした。
当時はまだバーブラ以外の洋楽アーティストは門外漢で、ドナが何者かというのもよく知らなかったように思いますが、その緊迫感に溢れ、お互いのプライドをかけた火花飛び散るデュエットには非常に興奮させられました。仲間内的なデュエットでも、商業性が優先されたようなただの異色の組み合わせというのでもない、慣れ合い皆無の真剣勝負。未だに、これ以上のガチンコ勝負が聴けるデュエット作品というのを私は聞いたことがありませんです。

こうして一応ドナとの邂逅はなされたのですが、アナログ時代にドナのオリジナル作品に手を出すことはありませんでした。本格的に聞き始めたのはCD時代以降、その長時間収録という特性を活かしてカサブランカ時代の2枚組アルバムが続々と1枚のディスクに収める形でCD化されてから。今見るとわざわざブックレットの前面に「Over 70Minuts Music」と謳われているのも時代を感じさせますね。
ここで初めて聴いたのがドナの(元は)2枚組LPのベスト盤『愛の軌跡:オン・ザ・レイディオ〜グレイテスト・ヒッツ』。発売当時新曲だった「オン・ザ・レイディオ」と先のバーブラとのデュエット「ノー・モア・ティアーズ」に挟まれたヒット曲はすべてディスコ仕様らしくノン・ストップのメドレーになっていて、一聴してその楽しさの虜に。購入当時はしばらくこればっかり聴いていたように思います。

リアル・タイムでの最初の作品と言えるのは87年にリリースされた『オール・システムズ・ゴー』。ブレンダ・ラッセル作のファンタジックなリード曲「ディナー・ウィズ・ガーシュイン」を始め、お得意のポップ・ロック系からムーディーなバラードまでバラエティ豊かな内容でしたがチャート・アクション的にはいまひとつ。本格的に再びシーンを沸かせたのは89年、当時世界的にブレイク中だったプロデュース・チーム、ストック・エイトキン・ウォーターマンのPWLと組んだアルバム『アナザー・プレイス・アンド・タイム』とシングルで大ヒットした「ディス・タイム・アイ・ノウ・イッツ・フォー・リアル」でした。このヒット以降は若干マイ・ペースな活動になっていきましたけど、それでもその歌声の輝きは衰える事がなく、昨年開催されたデビッド・フォスターのヒットマン・リターンズのコンサートでも堂々のトリを飾っての熱唱を披露。
新作のレコーディングなんて話もちらほら聞こえてきた矢先の訃報でございました。

グラミー賞5回(しかもR&B、ロック、ダンス、ゴスペルというジャンルレスぶり)、ポップで4曲、R&Bで2曲、クラブ・プレイ・チャートでは何と13曲のNo.1ヒットを放ち、普通に考えても破格の成功を収めたアーティストの一人でありますが、「ディスコの女王」という称号が何故かレッテルのように付きまとい、例えばR&B/ソウルの名盤ガイド等では完全に蚊帳の外にされるか、取り上げられても揶揄まじりの記述ばかりでおよそまともに彼女を論じているものには出会ったことがありません。…というのが一昔前の状況でしたが、ここ最近は以前のようなブラック系アーティストに対する極端なディープ・ソウル偏重主義というのもだいぶ意識改革されつつあるので、クラブ系ディーヴァの元祖として多大なリスペクトを受け始めていたのが現状。今回の訃報に際しても、多くのアーティストから彼女の死を惜しむ声が寄せられていたのが印象的でした。

吐息まじりのセクシー・シンガーとして頭角を現したドナでしたが、やはり彼女の魅力はそのレンジの広い野性的でダイナミックな歌声。
「マッカーサー・パーク」「ホット・スタッフ」「バッド・ガールズ」「オン・ザ・レイディオ」「情熱物語」「イッツ・フォー・リアル」等のシングル群は、そんなドナの魅力を端的に表した楽曲でした。
今さら彼女の作品を聴いたことがないなんて方はいらっしゃらないでしょうけど、私なりのお薦め作品をいくつかあげさせていただこうと思います。

初期カサブランカ時代の作品ではバラエティに富んだ内容が楽しい『アイ・リメンバー・イエスタデイ』、エンターテイナーとしての魅力と実力が存分に味わえる『ライブ・アンド・モア』、大ヒット曲を連発したゴージャスな『華麗なる誘惑』。レーベルを移籍した80年代以降では、クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えた高品質なブラック・コンテンポラリー作品『恋の魔法使い』、PWLとのタッグで軽やかに時代を飛び越えて見せた『アナザー・プレイス・アンド・タイム』、ヴォーカリストとしての実力を遺憾なく発揮した『クリスマス・スピリット』等々。
またシングル・ヒットの多いドナですのでベスト盤も必需品な訳ですが、オリジナル・テイストで楽しむなら前述のノン・ストップ・メドレーが楽しめる『愛の軌跡:オン・ザ・レイディオ〜グレイテスト・ヒッツ』。大容量のベストならそれぞれ2枚組の『アンソロジー』か『ゴールド』がお薦めでございます。

敬虔なクリスチャンとしても知られるドナでしたので、今は神様の身許に招かれ、安らかな眠りについていることでしょう。素敵な作品をたくさん残してくれた事にただただ感謝です。有難う、ドナ。
ご冥福を深くお祈り申し上げます。



「Macarthur Park」→ http://youtu.be/gcC3VT67HfI
「This Time I Know It's For Real」→ http://youtu.be/DCtDAAPO-j4



「ノー・モア・ティアーズ」にはシングル・バージョンやダンス・ミックス等いくつかのバージョンがありますが、『ウェット』に収録されているバージョンが一番二人のヴォーカル対決に焦点を当てた作りでお気に入りです。

その昔HP時代に最初にドナについて書いた記事です。
記事というより、シングル・ジャケット等多数載せてますのでそちらをお楽しみ下さい→http://www1.ocn.ne.jp/~suzuenta/donna.htm
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2012年05月13日

ゴールデンウィークは映画を…。

お天気の悪かったゴールデン・ウィーク、何だかんだと映画ばかり見て過ごしてしまいました。せっかくなのでおまとめ〜。

『ソーシャル・ネットワーク/The Social Network(10年)』

ジェシー・アイゼンバーグ主演、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク共演、フェイスブック創立者のマーク・ザッカーバーグがフェイスブックを立ち上げた経緯とその後の過程を描く実話ベースのドラマ。ハーバード大学在籍中のマークは彼女に振られた腹いせに女子学生を評価するサイトを作成するがこれが大問題に。その技術力に目を付けた上級生から学内の出会い系サイトの製作を依頼されるが、マークはこれに想を得て学生の交流サイトを立ち上げる…というお話。
フェイスブックという時代のイコンがどのように生まれたかという過程を興味深くスリリングに見る事が出来ました。実際の成り行きはこれほどセンチメンタルな物語ではないようですけど、映画としてはこのほうが登場人物に感情移入しやすいんですよね。ジャスティンを初めて「俳優」として見れたのもの収穫(smile)。面白かったので後でDVDを買ったのですけど、双子のウィンクルボス兄弟が一人の俳優の顔を別の俳優の顔に合成して作られている事に吃驚!こういう映画でそんな技術が使われているとは。




『シャッター・アイランド/Shutter Island(10年)』

レオナルド・ディカプリオ主演、ベン・キングズレー、マーク・ラファロ共演のミステリー大作。精神異常の犯罪者ばかりを収容するシャッター・アイランドのアッシュクリフ病院(刑務所)で受刑者の女性が密室から忽然と消える事件が発生、家族の間で起こった悲劇のトラウマを抱えるテディ連邦保安官は島の異常な状況に翻弄されながら真相にたどり着こうとするが…というお話。
こういうの意外と冴えてる私なんですけど(smile)、最近こっち方面から遠のいていたのですっかり頭がサビつき謎解き出来ず。真相が明かされてあぁそっち系の話だったのかぁという白旗状態でした。常時ミステリーに接してる方なら、もう冒頭からおかしいと思うはずです…ってこれもヒントになっちゃうのかな。日本が誇る幻想小説の古典のプロットにツイストが利かせてある展開。二度見てあちこちに散りばめられた伏線を探すのも楽しい作業かもしれません。レオ様も額にしわを寄せての大熱演です。




『ザ・ファイター/The Fighter(10年)』

マーク・ウォールバーグ主演、クリスチャン・ベール、メリッサ・レオ共演、プロボクサーであるミッキー・ウォードが世界タイトルに挑戦することになる顛末を兄ディッキーや家族との関係を軸に描く実話ベースのボクシング・ドラマ。プロボクサーのミッキーはトレーナーを務める自堕落な兄ディッキーと母の組んだ無理な試合で負傷。ボクシングを止める決意をするが、兄を麻薬中毒者として扱った屈辱的なドキュメンタリーTVを見たことで一念発起、再びグローブをはめる決意をする…というお話。
ミッキー・ウォードの大ファンであるというマークが製作も務めて完成させた渾身の一作。マークの役作りも相当なものだと思うんですけど、もう全てを持っていっちゃたのが自堕落な兄を演じたクリスチャン・ベール。実在のディッキーも見ましたけどもう乗り移ったかのようななりきり演技。とてもバットマンと同じ人とは思えません。この人もカメレオン俳優の一人ですよね。メリッサ・レオ、エイミー・アダムスも好演するなかで、賞レースではマークだけ蚊帳の外に…無念。




『マイ・ブラザー/Brothers(09年)』

トビー・マクガイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマン出演、戦争の起こした悲劇に翻弄される家族の絆を描く人間ドラマ。海兵隊員のサムは妻グレースと娘2人を残してアフガニスタンへ出兵するが、そこで囚われの身に。家族には戦死と伝えられ、残された家族を献身的に支えたのがやっかいものだった弟トミー。トミーとグレースらに家族としての絆が生まれた頃、戦地から心に大きな傷を抱え別人のようになったサムが戻ってきて…というお話。
…つらい話です。亡くなったと思えば尽くしてくれるトミーに心が揺らぐグレースの気持ちもわかるし、兄の代わりに家族を守らなきゃと思うトミーの気持ちもそりゃそうだし。家族のために辛すぎる選択をして生きる道を選んだサム、帰ってきてみたら妻と弟に不貞の匂い…それは心も壊れますよね。そのあたりの心情をトビー、ジェイク、ナタリーが上手く演じています。結局家族が再び絆を取り戻すことが暗示されるラストですが、それでも待っているのはいばらの道…つらい話です。




『世界侵略:ロサンゼルス決戦/World Invasion: Battle LA(11年)』

アーロン・エッカート、ラモン・ロドリゲスら出演のSFアクション映画。宇宙より隕石状の飛来物が次々と地球上へ落下。これは地球の資源を求めた異星人の侵略で、その強大な戦闘能力で各都市を壊滅状態へ追い込んでいく。海兵隊の小隊がサンタモニカの警察署に孤立した民間人を救出する作成を命じられて現地へ。そこからの脱出する道程で、敵の中枢となる母船を発見する…というお話。
感動のSFアクション超大作!なんて決まり文句の宣伝がされたようですが、ようは相手が異星人というだけの戦争映画。空爆に地上戦と確かに破壊力は凄いけどこちらの想像を超えるような未知の能力と言うわけではなく、イラクやアフガニスタンで繰り広げたであろう米軍の戦いの姿を延々と描いています。確かに国(世界)のために戦う姿には共感出来るし休む間もなく次の戦いの準備を始める兵士の姿に感じるものはあるけど、これって何かの宣伝映画?って思っちゃう。何だか、後味よろしくないんです。兵士役で歌手のニーヨが出演してました。




『ゴースト もう一度抱きしめたい/Ghost(10年)』

松嶋菜々子主演、ソン・スンホン、樹木希林共演、言わずと知れた80年代の大ヒット映画『ゴースト〜ニューヨークの幻』のリメイク作品。会社社長の星野七海は韓国人の陶芸家キム・ジュノと恋に落ちる。幸せな生活も束の間、七海は事件に巻き込まれて帰らぬ人となるがゴーストとなって地上に留まり、危険が迫るジュノを助けながら、事件の真相にせまっていく…という男女逆転ながらお馴染みのお話。
もうね、これはある意味凄い映画です。ここまでヒドいと逆に一見の価値はあるかも。誰一人、あの希林さんでさえこの作品の大いなるマイナスの力に飲み込まれちゃってる感じ。原作をなぞるだけのうすい脚本に学芸会レベルにも達してない演技…みんなどうしちゃったんでしょう?ろくろを回す松嶋さんの後から抱きしめるように手をそえるソン・スンホン、バックに流れるのは平井堅さんの歌う「アンチェインド・メロディー」…もうそのヤスさ大爆笑です。最後まさかまさかの!?って展開を匂わせるんですが、どうせだったらそのまま突き抜けてほしかったかな。稀代の迷画に花を添えられたのに…。




『借りぐらしのアリエッティ/The Borrower Arrietty(10年)』

ジブリのアニメ、でございます。小人族の少女アリエッティは父親と母親の3人で人家の軒下に住み、その家から食料や生活必需品を「借りて」て暮らす生活。人間に見られてはいけない掟のアリエッティでしたが、ある日その家に静養にやってきた病弱な少年翔に姿を見られてしまい、住みなれた家を出ていかねばならないことに…というお話。
ストーリー展開も緩やかで、いつものような環境破壊への警鐘等声高なところもなく、あぁもう終わりなの?ってぐらいあっさりと幕引きする印象。もうちょっと面白く出来たのかもなぁとは思いつつ、それでもそのゆったりとした世界感は嫌いじゃないです。これは声優陣の好演に起因するものが大きいのかも。アリエッティの志田未来を始め、大竹しのぶ、三浦友和、神木隆之介、竹下景子、樹木希林、藤原竜也等、当然の如くな声の名演をそれぞれが披露。っていうか、これアニメじゃなくてCGでも駆使してこのメンバーでの実写版を作ってよ、って感じです。役者陣の好演にアニメ本体が喰われてしまった感拭えず。希林ちゃん面白すぎだし。



予告→http://youtu.be/BZqVL8ryhJQ


『嘘つきは恋の始まり/The Last Word(08年)』

ウェス・ベントリー主演、ウィノナ・ライダー、レイ・ロマノ共演のヒューマン・コメディ。エヴァンは自殺願望のある人から要望を聴いて代わりに遺書を執筆する「遺書代筆業」を生業とする青年。亡くなった顧客の葬儀に立ち会った際、ひょんな事からその妹のシャーロットと知り合いになり惹かれ合う二人。兄の遺書を代筆したことを言い出せないエヴァンはシャーロットに嘘を重ねることになるが、いつしかその嘘がほころび始め…というお話。
邦題にしても宣伝文句にしてもラブ・コメディ扱いですが、どちらかと言えば死に向き合わねばならない人々の苦しみや懊悩を描いたヒューマン・コメディといった感じです。困惑しながら彼女の魅力に惹かれ、また彼女や新たな顧客アベルとの関係から自身の仕事の是非を問うことになる主人公をウェス・ベントリーが飄々とした雰囲気で好演。安易なハッピー・エンドに収めず、あぁそこに落とすのね、といったラストもなかなか味わいが合っていいかも。お久しぶりウィノナも一筋縄ではいかなそうなヒロイン(?)にぴったりです。




『サンクタム/Sanctum(11年)』

リチャード・ロクスバーグ、ヨアン・グリフィズら出演の洞窟サバイバル・アドベンチャー。パプアニューギニアの密林地帯の奥にあるエサ・アラ洞窟を調査している探検家のフランクとそのグループ。スポンサーである富豪のカールが合流した後、巨大サイクロンに見舞われた影響で洞窟入り口が塞がれて通行不能に、一行は別の出口を求めて洞窟内と地下水路を探索することに…というお話。
洞窟物っていうと思い浮かぶのはホラーですけど『ディセント』と『地獄の変異』でしょうか。3作品に共通するのは天変地異や事故で出口が塞がれて帰り道を断たれた一行を襲う悪夢ってことですけど、前2者で襲ってくるのはモンスターに対し、こちらは自然の脅威。といっても最終的には3つ並べても違和感のないお馴染みの展開になだれ込んでしまうのですが…。結局この映画、ジャームズ・キャメロンが改良したというフュージョン・カメラ・システムというのを使って水中3D映像を撮りたかっただけなのかも。アトラクション気分で映画館で見たらもっと楽しめたのかなと。若干閉所恐怖症気味の私としては嫌な映画でした。



予告→http://youtu.be/YrM443OhCho


『シャーロック・ホームズ/Sherlock Holmes(09年)』

ロバート・ダウニーJr主演、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス共演のアクション冒険談。19世紀のロンドン、黒魔術の儀式のために次々と若い娘を犠牲にするブラックウッド卿がホームズの活躍により逮捕され絞首刑に。しかし死亡が確認され墓に葬られたはずの卿が蘇り、再び殺人を犯しある計画を遂行し始める。ホームズとワトソンはその計画を阻止出来るか…というお話。
直接の原作がドイルの小説ではなくコミックスであるため、ここでのホームズは賭けボクシングに出場してしまうような粗野で武術に長けた奇人として登場。ワトソンもジュード・ロウがやってるくらいですから切れ者医師にコンバートされています。アクション・シーン満載でアメコミ・ヒーロー物なみの単純な冒険活劇にも出来たところを、ホームズの看板を掲げているだけにきちっと謎を謎のままにせず、すべてが科学的な裏付けに基づいたトリックであることを示して見せる展開が好きかも。あまりにも鮮やかに解いて見せるのでミステリーとしての印象が薄くなってるのが難かな?



予告→http://youtu.be/eIyr3EoLhaY
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2012年05月12日

オリー・マーズ『イン・ケース・ユー・ディドント・ノウ』(11年)

Olly Murs:In Case You Didn't Know(11年)

私、ポップスが好きなんです。

何て書き出しにしてみましたけど、なかなか純粋な「ポップス」というジャンルで良質なものを聴きたいと思っても難しい世の中で。
アメリカの音楽は今やたいていHIP-HOPかR&Bの影響を受けてますし、じゃなければカントリー。
ポップスって日本の歌謡曲みたいなもので色んなジャンルを吸収して成り立っていますから、例えばカーペンターズだってアバだって単なるポップスの括りでは収まらない訳ですけど、「イエスタデイ・ワンス・モア」や「ママ・ミア」みたいな王道ポップスをたまには聴きたいなぁなんて思ったりするわけです。
そんな時によりどころとするのが英国。今までも色々取り上げてますけど、この国には独自のポップス文化というのが根付いていて、いつの世にも「ポップ」であることを至上とするスターが生まれてるんですよね。

でまぁ、オリー・マーズ。

2010年の英国版「Xファクター」に出場して準優勝に輝いた男性ソロ歌手でございます。
(同じマーズですけどブルーノ・マーズとは一切関係ありません、念為。)
日本だと正直Xファクター自体が放映されていませんので、そこから生まれたスターたちも馴染みが薄ければ知名度も低いのは当然のこと。レオナ・ルイスやワン・ダイレクションのように米国でブレイクしたりすれば話は違ってきますが、人気が欧州に留まっているとどんな音楽をやっているのかさえわからなかったりしますよね。
このオリーさんもちらちら見かけていましたがなかなか音を聴く機会がなく、お取り寄せしてみようかなーと思ってた矢先に折よく中古を見つけたのでゲット。

これがなかなかいいんですよー。

冒頭を飾るNo.1ヒットの「ハート・スッキプス・ア・ビート」。
レゲエっぽいリズムのポップ・ソングですけど、サビ前のスクラッチからテイストを変えてそこにそんなマイナーな良いメロディー持ってきちゃうんだ〜っていう意外性のある構成。
あちらで人気があるというラップ・デュオのリズル・キックスをフューチャーしてHIP-HOP色もプラスされており、そのゴタ混ぜ感がカラフルな印象を与える楽しい1曲になっています。
セカンド・カットでこちらもNo.1になった「ダンス・ウィズ・ミー・トゥナイト」は、変則的なモータウン風ビートにショウビズ調を加えたこちらも楽しい作品。落ちのあるPVも面白いですけど、Xファクターのステージでミス・ピギーと共演したテイストのほうがこの曲の持ち味に近いような気がしますね。
メランコリックなバラード「ディス・ソング・イズ・アバウト・ユー」、マイナー&シリアス系の「オン・マイ・クラウド」等もありますけど、全体的にはどこかのどかで無邪気な空気感のあるハッピー・ソングが並んでいて、オリーの近所の気のいいお兄ちゃん的なキャラクターも併せ、癖になる楽しさのある1枚になっています。

米国ではまだブレイクに至っていないんですが、何とこの5月からワン・ダイレクションと一緒に全米ツアーを行ってしまうんですって。ぜひぜひ黄色い声援部隊の一部をもぎ取って、自身の糧にしてもらいたいなぁと思いますです。

チャートデータ(UK)
アルバム 1位
シングル
「Heart Skips a Beat」:1位
「Dance With Me Tonight」:1位
「Oh My Goodness」:13位



「Heart Skips a Beat」→http://youtu.be/PkGUHgdaRq4

サービス・ショット…にはならないかな?(smile)。デビュー時に自分の楽曲が1位になったら脱ぐ!とたいして有難くない宣言をしたオリー。で見事デビュー・シングルが1位獲得で披露した姿です。
olly naked.jpg
ま、お茶目さんですよね。
わかりにくいですけど引っかかってるのは帽子です(smile)。


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2012年05月06日

オリジナル・サウンドトラック『フットルース 夢に向かって』(11年)

Original Soundtrack:Footloose(11年)

11年に公開された映画『フットルース 夢に向かって』のサントラ盤でございます。

映画のほうはもちろん84年に公開されて大ヒットしたMTV系映画の最高峰『フットルース』のリメイク作。
けっこう前からリメイクの噂はされていて、07年の時点では『ハイスクール・ミュージカル』で人気急上昇中だったザック・エフロンを主役に撮影されるってニュースが流れたんですけど、これがいっこうに進まないうちにザックが降板。次は『ゴシップ・ガール』で大人気のチェイス・クロフォードを主演にって話も出たんですけど、こちらはスケジュールの都合で折り合わず。結局ジャスティン・ティンバーレイクのツアーやマドンナ、マライア、ネリー・ファータド等のPVにダンサーとして出演していた役者としては無名のケニー・ウォーモードを抜擢しての再映画化となりました。

まだ映画自体は未見なので何とも言えないのですけど、日本ではDVDスルーだったし、正直大きな話題になる事もなくひっそりと行き過ぎていってしまいましたよね。厳格な神父役でデニス・クウェイドがキャスティングされていましたけど、他に注目されるような俳優さんもいず、何よりザックからチェイスを経て三段落ち的に抜擢されてしまったケニーさんに華が足りなさすぎたような気配。オリジナルのケヴィン・ベーコンだって華があったかどうかは疑問ちゃ疑問ですけど、色んなことが今回は上手くかみ合わなかったのかな、といった結果に終わってしまった感がありました。
(…正直、ザックやチェイスで見たかったし…)

そしてサントラのほうなんですけど、映画公開直後は本サントラ盤はトップ100圏外なのに、84年のオリジナル盤がトップ40に返り咲くヒットを記録するという珍現象が起きたりしたのですけど、どうやらその後盛り返したようで本作も総合チャートで14位までいくそこそこのヒットを記録。カントリー・チャートでは4位まで上がるヒット作になっています。

そう、なんです。11年公開の本作で使われている音楽は、84年盤で使われていたポップ・ロックではなく、カントリー・ミュージックなんです。
前作の有名曲はそのまま使われていますが、歌っているのは全てカントリーのアーティスト。ケニー・ロギンスの「フットルース」は、現在あちらで大人気のオーディション系番組「ザ・ヴォイス」でアダム・レヴィーンやクリスティーナ・アギレラと共にメンターを務めているカントリー界の大スター、ブレイク・シェルトンが歌っています。

構成は過去のヒット曲の再演と新曲が半々ぐらい。
(正直誰が有名なのかイマイチわかりませんが)「レッツ・ヒア・ボーイ」はジェイナ・クラマーが、「オールモスト・パラダイス」はヴィクトリア・ジャスティスとハンター・ヘイズが歌っており、前の「フットルース」も含めたこの3曲はカントリーに衣替えしても大した違和感なく楽しく聴ける感じ。一番様変わりしてしまったのがエラ・マエ・ボウン(?)という方が歌う「ヒーロー」で、最初聞いた時はこれが「ヒーロー」だとは気付かなかったぐらいアコースティックなバラードに生まれ変わっています。まぁこういうバージョンも悪くないですけど、やっぱりこれは疾走感と迫力溢れるボニー・タイラー・バージョンのほうが圧倒的にいいですね。シャラマーが歌った「ダンシング・イン・ザ・シーツ」も、デビッド・バーナーが歌う「ダンス・ザ・ナイト・アウェイ」の中にサンプリング的にフレーズが使われてリサイクルされています。

オリジナル曲ではライン・ダンスのシーンで使われるビッグ&リッチ・フューチャリング・グウェッチェン・ウィルソンの「フェイクID」がかっこよくてお気に入り。ザック・ブラウン・バンドの渋かっこいい「ホエア・ザ・リバー・ゴーズ」や、巨体の人気R&B歌手シーロー・グリーンがこちらも渋〜くキメるカントリー・ブルース「ウォーキン・ブルース」なんかも良いですね。

今回のリメイク、元来の根強い人気に加えて最近ではキャリー・アンダーウッドやテイラー・スウィフト等のポップ・カントリーの台頭でさらに勢いを増しているカントリー・ミュージックに目を付けたのはいいと思うんですけど、『フットルース』って古い因習を若い力で打破するお話でしょ?その原動力となるのがカントリー・ミュージックっていうのも、何となく違和感があるんですよね。やっぱりここは、大人が眉をひそめるポップ・ロックであってこそかなと。妙に理解が得られちゃいそうなんですもん、カントリーだと。

音源自体には何の問題もないんですが、聴いているとそこはかとない違和感に襲われてしまう…そんなアルバムでございました。
とりあえず映画のほう、見て見なくちゃですね。

チャートデータ
アルバム
Pop 14位/Country 4位/Soundtrack 1位
シングル
「Footlose」:Pop 63位/Country 53位





posted by Suzu at 21:30| Comment(4) | TrackBack(0) | サントラ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月04日

ビリー・オーシャン『サドンリー』(85年)

Billy Ocean:Suddenly(85年)

何度かこちらでも触れてきましたけど、最近のリイシュー作品の充実ぶりとリリース量の多さはハンパがなくて。
私が追っているのはR&Bやポップス系が中心ですが、なかなか日の目を見なかったアーティストの作品の初CD化はもちろん、人気だったアルバムにボーナストラックを追加した物など、どうにもこうにもこちらの食指が動きたくなるような代物が月に数十枚単位でリリース。大概が限定生産という事もあって、この機会を逃すと次はいつ手に入れられるかわからないという焦りにも追われ、嬉しい悲鳴を上げ続ける事しきりなのです。

リイシューと言えば昔はRHINOが定番でしたけど、最近はUnidisc、Masterpiece、Wounded Bird、Funkytowngrooves、Cherry Red等専門レーベルも増え、なかでもしのぎを削ってリイシュー合戦を繰り広げてくれているのがFunkytowngroovesとCherry Redの2社。Funkytownのほうは80年代R&Bが中心ですけど、Cherry Redのほうは傘下に50近いカテゴリー分けされたレーベルを抱え、PWL系等80年代ポップスを中心とするCherry Pop、80年代R&B(ブラコン)のBig Break、もう少しソウルに特化したSOULMUSIC.com等、もうチェックするのだけで大変です(smile)。

まぁ初CD化のものはそれだけで有難いのですけど、人気作品のリイシューとなると追加されているボーナス・トラックの量や内容、ブックレットの充実度等が非常に重要なキーになるわけで。そういう点でこの2社を比べると、ボーナス・トラックの内容では拮抗していると言っていい両者ですが、ブックレットの充実度はもう雲泥の差。巷でプート盤と揶揄されるぐらい参加ミュージシャンの表記と解説があれば御の字なFunkytownに対し、Cherry Redのほうは解説、写真、チャート成績等情報量が豊富。資料としての価値も高く、ブックレットのためにお買い上げしたとしても後悔はないぐらいです。

と、いう訳で、そんな長ーい前置きをしておいて本日のお題はビリー・オーシャンが85年にリリースして大ヒットしたアルバム『サドンリー』。言わずと知れた80年代を代表するポップ・ソウルの名盤でございます。

90年代以降のいなくなりっぷりが相当なので今の方からすれば誰?って感じかもしれませんけど、80年代後半のビリーさんの攻勢ぶりは凄まじくて、わかりやすくチャート成績で言えばポップ部門で7曲がトップ10ヒット(うち3曲がNo.1)、R&B部門でも10曲がトップ10ヒット(うち4曲がNo.1)と、ポップとR&Bをまたにかけての大活躍。カリブ海にあるトリニダード・トバゴ共和国出身という出自からか、彼の作る音楽にはどこか南国的な大らかさが漂っていて、温かみのある歌声、(これも出自の影響か)嫌味にならないポップ志向等、80年代のまろやかなR&B=ブラック・コンテンポラリーを象徴するような存在がビリーさんでございました。
本作はあまりのヒット盤なので改めての解説も必要ないんですけど、久しぶりに聞いてみてもその耳辺りの良い歌声、サウンド、楽曲等は相互に相乗しあってパーフェクトな出来。ポップとR&B双方で1位を獲得した「カリビアン・クイーン」はマイケル・ジャクソンあたりを研究して作られたようですし、80年代バラードの定番と言っていい「サドンリー」の源泉はライオネル・リッチーかな。下積み期間の長かったビリーさん、しっかりと今受ける音楽とは何かというのを研究しての世界攻略だったようです。

でまぁ本盤をわざわざ取り上げたのは昨年Cherry Popからリイシューされたスペシャル・エディション盤をご紹介したかったから。
ボーナストラックは「カリビアン・クイーン」「ラッキー・マン」「ミステリー・レイディ」「ラヴァーボーイ」4曲のエクステンディッド・バージョン収録とまぁ普通なのですけど、今盤はブックレットが充実していて、15ページのカラー刷り、前半のしっかりとした作品解説に加え、後半6ページを使ってUKでのシングルとアルバムのディスコグラフィーをジャケット写真つきで掲載。資料価値も高いですし、何より見て楽しい。全てのリイシュー盤がこうあってほしいという理想的なお仕事がなされている逸品です。

チャートデータ(US)
アルバム
Pop 9位/R&B 3位
シングル
「Caribbean Queen (No More Love On The Run)」: Pop 1位/R&B 1位/AC 7位
「Loverboy」: Pop 2位/R&B 20位
「Suddenly」: Pop 4位/R&B 5位/AC 1位
「Mystery Lady」: Pop 24位/R&B 10位/AC 5位
「The Long And Winding Road」: AC 24位

アダルト・コンテンポラリー・チャートでも大活躍のビリーさん。
「カリビアン・クイーン」ではグラミーのベストR&B男性部門も獲得しています。



ビリーさんの近影。歌声は変わりませんが、ご本人はだいぶ変わられましたね。



最近リイシューされた1st〜6thまでのアルバム群。ヒット曲だけを楽しみたいならお手頃なベストがお薦めです。


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2012年05月01日

『アベンジャーズ』のその前に…。

ゴールデンウィークの贅沢

GW前半が終了しましたけど、皆様いかがお過ごしでした?結局私はたまたま用事で実家に出かけた妻にあちらでの滞在を伸ばしてもらい、一人好き勝手に映画を観たり音楽を聴いたりブログを書いたりの2日間。つかの間の贅沢させていただきました。
そんな訳で、ここ最近見た映画のおまとめで〜す。

『君への誓い/The Vow(12年)』

チャニング・テイタムとレイチェル・マクアダムス主演のラブ・ストーリー。交通事故で自分を愛していた記憶をなくしてしまった妻、その愛をもう一度取り戻せるか…という実話ベースのお話。冒頭の事故以外大きな出来事も起こらず、どちらかというと淡々と主人公たちの心情が描かれていく感じは実話ベースだからなんですかね?肉体派の割にロマンチックな役が多いチャニングとチャーミングなレイチェルが見たい!という向きにはお薦めです。レイチェルの父親役でサム・ニール、母親はどっかで見た俳優さん…とエンド・クレジットで確認したら何とジェシカ・ラング!時の流れは思いの外ですね。

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『抱きたいカンケイ/No Strings Attached(11年)』

ナタリー・ポートマンとアシュトン・カッチャー主演のラブ・コメディ。人を愛する事が出来ないエマがひょんな事から関係を持ってしまった友達のアダムにセックス・フレンドになる事を提案。最初はうまくいっていた関係がお互いを意識しあうと共にこじれていって…というお話。下世話な邦題のおかげでちょっと斜めから見始めましたが、これが意外にあたり。きわどい描写も多いけど何気ないやりとりにユーモアのセンスがあって、駄作の多いラブ・コメの中ではかなりの秀作になってます。ナタリーが全然コメディやってるように見えないのが難点と言えば難点ですが、それが作品を軽くさせすぎない重しの機能になってるのかも。




『ステイ・フレンズ/Friends with Benefits(11年)』

ジャスティン・ティンバーレイクとミラ・キュニス主演のラブ・コメディ。それぞれ上手くいかない恋愛ごとに嫌気の差したディランとジェイミーはセックス・フレンドになることを提案。最初はうまくいっていた関係がお互いを意識しあうと共にこじれていって…って『抱きたいカンケイ』と一緒じゃん。コメディエンヌとしてはミラのほうが好感がもてる感じで、ジャスティンとの相性もばっちり。ディランの父親の痴呆の問題、親子の確執などさり気なく考えさせられるポイントを織り込んでたりもしますけど、全体的には気楽に楽しめるタイプの作品です。ジャスティン、すっかり映画づいてますよね。私は音楽家としての彼のほうが好きですけど。




『恋とニュースのつくり方/Morning Glory(10年)』

レイチェル・マクアダムス、ハリソン・フォード、ダイアン・キートン共演のテレビ業界を舞台にしたコメディー。低視聴率で打ち切り寸前のモーニング・ショウのプロデューサーに抜擢されたベッキーが、かつて硬派でならした大物キャスターマイクの力を借りて番組を立て直そうとするが…というお話。テレビ業界物と言えば「アンカー・ウーマン」、ハリソンのサクセス物と言えば「ワーキング・ガール」が思い出されますが、これらを足して2で割って縮小再生産した感じでしょうか。核となる大逆転劇がないので、サクセス物の肝であるスカッとする部分がないんですよねぇ。とってつけたような恋愛要素もいらないし。




『ハングオーバー!/The Hangover(09年)』

ブラッドリー・クーパー、ザック・ガリフィアナキスら共演のナンセンス&ロード・ムービー系コメディーをようやく鑑賞。09年の大穴ヒット作で現在大人気のブラッドリー、ザックの出世作でもある本作は、バチェラー・パーティーにラスベガスへ出かけたものの酔いすぎて記憶がない上に花婿は行方不明。足跡をたどる間で色んな騒動に巻き込まれ…というお話。もうお腹がよじれるのを覚悟で見始めたんですけど…あらら、思ったほど笑えなかった。もっとものすごいギャグの応酬でドタバタが繰り広げられるのかと思いきや、意外に振り切れた笑いが少なく拍子抜けしてしまいました。ちょっとこちらの期待値が高すぎましたかね。2は据置。




『ブラックスワン/Black Swan(10年)』

ナタリー・ポートマン主演、ヴァンサン・カッセル、ミラ・キュニス共演のサイコ・サスペンス映画。「白鳥の湖」のホワイト・スワンとブラック・スワンの一人二役を演じることになったバレリーナのニナが、大きな重圧の中で次第にブラック・スワンに心を蝕まれて…というお話。現実と妄想が交錯する中で次第に精神崩壊に陥っていく主人公をナタリー・ポートマンが熱演。癖のあるヴァンサン、魔性の魅力で彼女の心を乱すミラ、偏執的な母親像が「キャリー」のパイパー・ローリーとダブって見えるお久しぶりのバーバラ・ハーシー等脇の役者さんたちも手堅くて、閉塞感のある一貫した画作りもあって最後まで息が抜けませんでした。(妻の感想は…これ、何の話?)




さてここからは今週あちらでは公開されるマーベル・コミックスのヒーローたちが大集合する映画『アベンジャーズ』に関連した映画をご紹介。以前にも書いた気がしますけど、その昔『アメリカン・コミックの世界』というマーベル・コミックのヒーローを紹介したB4版ぐらいの本を持ってたんですよね。スパイダーマンを始め、ファンタスティック4やハルク、シルヴァー・サーファー等、お馴染みなのから見たこともないものまで多数紹介されていて、どんな話なのか想像を掻き立てられたものでした。あれから30年近く経ってそこに載っていたヒーローたちが次々と実写で映画化。いやいやあの頃では想像も出来ない事でした。そこに『アベンジャーズ』も載ってたんですよね。映画の前評判はすごぶる高いようで、今からとっても楽しみにしております。




『アイアンマン2/Iron Man 2(10年)』

ロバート・ダウニーJr主演、グウィネス・パルトロウ、ミッキー・ローク共演のアイアンマン・シリーズの2作目。前作で自分がアイアンマンであることを世間に公表したトニーでしたが、生命維持装置である胸のマシーンの副作用で命の危機に。アイアンマンを兵器と見なした政府の技術提供要求がなされる中、スターク家に恨みを持つイワン(ローク)が別の装置を作って襲撃してきて…というお話。ストーリーのテンポもよくて派手な見せ場も随時織り込まれ、娯楽作品としては文句のつけどころがない一級品。復活仕立てのミッキー・ロークを素早くキャスティングしたのも功を奏し、ミッキーは不気味で魅力的な悪役を楽しそうに好演してくれてます。3は中国との合作になるようですが、お話はとりあえず『アベンジャーズ』へ!




『キャプテン・アメリカ/Captain America: The First Avenger(11年)』

クリス・エヴァンス主演、スタンリー・トゥッチ、ヒューゴ・ウィービングら共演の作品。第二次世界大戦中、ひ弱だけれども誰よりも心根の強い青年スティーブが国の「スーパーソルジャー計画」の被験者になり、強靭な肉体を手に入れた彼はキャプテン・アメリカとしてナチスに戦いを挑んでいく…というお話。昔「ミスターX」っていう手足がゴムのように伸びる人形があったの覚えてます?あんな身体のクリス・エヴァンスが大活躍。正直被験前と後、どっちがCGであってもおかしくないぐらいです(smile)。時代考証を合わせたのか見つめあうだけみたいなラブ・ストーリーもある意味新鮮。『アベンジャーズ』への展開が見えすぎるためか、単体としては妙にお話がこじんまりしてるのが欠点かな。単体での続編制作の企画もあるようです。お話は『アベンジャーズ』へ!




『マイティー・ソー/Thor(11年)』

クリス・ヘムズワース主演、ナタリー・ポートマン、アンソニー・ホプキンス共演の作品。北欧神話を元にした異色のヒーローがソーなんですけど、神話の国で行われたアズガルド軍(いいほう)とフロスト・ジャイアント軍(わるいほう)の戦いは大昔に終戦協定が結ばれていましたが、その息子たちソーとロキの時代になって再び権力抗争が勃発。地球を巻き込んだ戦いに発展していく…というお話。浅野忠信さんのハリウッド・デビュー作としても話題になりましたけど、見せ場は少ないかな?これもスケールが大きい割にどこか小さくまとまった感があるのが残念。しかしながら『アベンジャーズ』で重要な役となるロキが出てきますので、やっぱり見ておかないとかなと。出てくるロボットは『地球が静止する日』のゴートみたい。これも続編制作が決まってます。お話はとりあえず『アベンジャーズ』へ!




『グリーン・ランタン/Green Lantern(11年)』

ライアン・レイノルズ主演、ブレイク・ライブリー、アンジェラ・バセット共演のスーパーヒーロー物。宇宙の平和を守る組織の「グリーン・ランタン」。パイロットのハル・ジョーダンは戦士アビン・サーの死を看取った事から次期グリーン・ランタンに指名され、組織の一員として強大な敵に立ち向かっていく事になる…というお話。思わず組織の一員となってしまったハルが、自分の弱点である恐怖心を克服してヒーローとなっていく過程をライアン・レイノルズがいつものようにちょっとコミカルに演じています。自分のイマジネーションを駆使して出現する戦闘道具の数々がみどころ。アメリカではコケちゃったようなのでこれは続編はないのかな?ライアンはこれでブレイクとラブラブになったから本望でしょうけど…。続きは『アベンジャーズ』で!……というのは嘘。これはDCコミックのヒーローなので関係ございませんです。



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2012年04月30日

ジェロ『情熱』(12年)

Jero:Jyo-Netsu(12年)

演歌界の黒船なんてキャッチ、最初からありましたっけ?
黒人演歌歌手ジェロさんの3年ぶり2作目のオリジナル・アルバムです。

まだかまだかと石の上にも3年、ようやく出ましたねオリジナル・アルバム。演歌系なら尚の事CDが売りづらいのはわかるんですけど、カバー・アルバムの3連打はさすがにないなと。もちろんどのアルバムもジェロさんの歌心が詰まった素晴らしいものでしたが、ジェロさんにとってもこれは少々解せない展開の3年間だったのではないかと思います。

待望のアルバムはコンパクトに全10曲。前作の豪華幕の内弁当のような内容からは一歩引いた印象ながら、より噛みしめるほどに味わいが増すような楽曲が揃った好作品集になっています。

オープニングを飾っているのは『CRパチンコ必殺仕事人W』のテーマ曲として平尾昌晃大先生が書き下ろした新曲「夜明けの風」。もうどっから切っても平尾節、どっから聞いても仕事人な1曲です。親切にもオリジナルの仕事人のテーマ曲である「荒野の果てに」のカバーも後半に収録してくれてますので、その双生児ぶりを一気に楽しむことが出来ます。ま、どっちの曲も血沸き肉躍るかっこよさなのは間違いないですね。

その他は散る運命にあることがわかっていても可憐な花を咲かせたいと願う恋心が切ない「愛の花」、ブラス歌謡ならぬブラス演歌の「黄昏メトロ」、ギターの音色を擬音化して取り入れた歌詞が斬新かつ叙情的な「北へ流れる」、WINKの諸作等でお馴染みの及川眠子さんが情念的な作詞を手掛けた「火焔樹」、宇崎竜童さんが歌えばそのままブルースになるところをジェロ流演歌として聞かせる「旅の途中」、泣けないほどの悲しみを嘘泣きでつくろって男を行かせよういう女心がこれまた切ない「嘘泣き」、演歌だから和的なのは当たり前なんですけど、ジェロさんがやると「オリエンタル」という表現を使いたくなる和モダンな世界の「恋心」、常連作家である中村中さんの独特な独り泣きの世界が展開される「ただ…涙」というラインナップ。

相変わらずジェロさんは上手くていい声だし、楽曲の完成度も高いんですけど…うーん、なんだろう、もう少し遊びが欲しいというか、もっと弾けた部分があってもいいように思うんですよね。

以前ジェロさんは氷川きよし君に対する最大のカウンターだと書きましたけど、王道ゆえに思いっきり遊んでも本筋がブレない氷川君に対し、既にカウンターの位置にあるジェロさんは常に王道に近づくことを意識し過ぎて面白い事にチャレンジし難くなっている感じがしちゃうんです。存在自体が独特ゆえに、あまり斬新なことをやってキワモノに思われることをご本人、スタッフともども恐れているのかなぁと。

真面目なんですよね、きっと。演歌が大好きだからこそ、その心を大切に歌っていきたいという気持ちもよくわかるのですが、絶対ジェロさんにしか歌えない新たな「演歌」の世界というのがあるはず。既成の演歌の世界の中だけで収まるには、どうにもこうにももったいない逸材なんですもの。
最近は役者に挑戦したりミュージカルでブルースを歌ったりと活動の幅を広げているジェロさんですので、様々な経験をして今後自分のスタイルを確立していってほしいなと思いますです。生意気書きましたが、本当に応援してますので。

真の演歌界の黒船になることを、願っております。

チャートデータ
アルバム 189位
シングル
「ただ…涙」:67位
「嘘泣き」:47位
「夜明けの風」:67位

「嘘泣き」→http://youtu.be/ba9rKhVAz80





ジェロさんのフェイバリット・シンガーはルーサー・ヴァンドロス。
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2012年04月29日

ジン・アカニシ『ジャポニカーナ』(12年)

Jin Akanishi:Japonicana(12年)

何だかこれって危険区域な気がするのでさらっといきたいと思います。

色んな意味のお騒がせで注目を集めているジン・アカニシさんの全米デビュー・アルバムでございます。
その名も『ジャポニカーナ』。何だか学習帳みたいな名前ですけど、こうつけないとK−POPと間違われるというアマゾンのカスタマー・レビューに妙な説得力がありました。

ジェイソン・デルーロをフューチャーしたファースト・シングル「テスト・ドライブ」はミニ・アルバム扱いでituneのダンス・アルバム・チャートで1位、セカンドの「サン・バーンズ・ダウン」も同じく1位と形に残る成績を収めたりしてる本作。
仕様は完全なる今米国で主流のサイバー系R&Bサウンドで、どれもなかなかにかっこいい仕上がり。ジンさんも思いっきり歌っちゃってる感じで悪くないです。前述の2曲や「カリフォルニア・ロック」「アフロディジアック」のようなイケイケ・モードの曲もあれば「ライク・ユー」や「セット・ラブ・フリー」等のメロウっぽく肩の力を抜いたものをあり、歌い手としてフレキシブルなところも見せてくれております。

出来としては本当に悪くないと思うんですが、ただこれ、向こうの人が聞いてくれるのかなぁと考えた時に、それはないんだろうなぁとも思っちゃうんですよね。別にこういう完全な米国仕様のサウンドなら自国のアーティストの作品を聴けば十分でしょうし、わざわざ突然やってきた日本の見知らぬ若者の少々怪しい英語を聴いて楽しいと感じでくれるほど甘くはないだろうなぁと。

東洋人なんですから(単純な発想で申し訳ないですが)その特性を生かしてオリエンタルR&Bとか打ち出してみたらどうなんでしょうかね?小手先ではなくもっと明確な差別化を図ったり、何かおやっと思わせる新しい(珍しい)ものがないと、厳しいと思うんですけど…。

夫にもパパにもなるんですし、どうせ我が道を行くなら貫いて頑張ってもらいたいものです。
成功さえすれば、外野は黙るしかないんですから。

チャートデータ
アルバム

シングル(iTunes Dance Album Chart)
「TEST DRIVE featuring JASON DERULO」:1位
「Sun Burns Down」:1位



正直本人出演のPVがYou-Tubeにアップされてるとは思いませんでした。JNSでは彼のだけ解禁状態なんだそうです。音はかっこいいので、聞いてみて下さい。

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posted by Suzu at 20:30| Comment(2) | TrackBack(0) | R&B系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月28日

グリー『サタデー・ナイト・グリーバー』(12年)

glee:Saturday Night Glee-ver(12年)

※未公開エピソードのネタばれですのでご注意を!

せっかくなので防備録も兼ねて書いておきたいと思います。『サタデー・ナイト・フィーバー』ならぬ『サタデー・ナイト・グリーバー』
グリーによる『サタデー・ナイト・フィーバー』トリビュートの回でございます。

ミラーボールの輝く教室から始まるのはマイクとブリタニーを従えたブレインによる華麗な「ユー・シュッド・ビーダンシング」のパフォーマンス。誰か歌わない日はあってもブレインが歌わない日はないというぐらい毎回フューチャーされるブレイン(ダレン・クリス)ですけど、彼から発散されているエナジーっていうのは本当に群を抜いてるんですよね。力強い歌声に加えダンスの名手二人に挟まれても目で追うのは自然とブレインの動きみたいな、本当にこの人「持ってる」なぁと思います。

そんなブレインのパフォーマンスに一番刺激されたのがディスコ世代のシュー先生とスー先生。教室にディスコ・フロアを設置してのサタデー・ナイト大会に展開していきます。

楽曲リストとパフォーマーは以下のとおり。

「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」:ブレイン、マイク、ブリタニー
「ナイト・フィーバー」:シュー、ジョー、ブレイン、スー&ニュー・ディレクションズ
「ディスコ・インフェルノ」:メルセデス、サンタナ、ブリタニー
「イフ・アイ・キャント・ハブ・ユー」:サンタナ
「愛はきらめきの中に」:レイチェル
「ブギー・シューズ」:ウェイド&ボーカル・アドレナリン
「モア・ザン・ア・ウーマン」:フィン
「ステイン・アライブ」:フィン、メルセデス、サンタナ&ニュー・ディレクションズ&シュー&スー

冒頭のブレインたちによる「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」に始まり、シュー先生が当時のお手本方々披露する「ナイト・フィーバー」、サンタナがブリタニーへ、レイチェルがフィンへの思いを込めて歌う「イフ・アイ・キャント・ハブ・ユー」と「愛はきらめきの中に」。フィンの甘くジェントルな歌声がぴったりな「モア・ザン・ア・ウーマン」、そして全員がトニー(トラヴォルタ)ファッションでキメた「ステインアライブ」と、もうビージーズの流麗で甘美すぎるメロディーにノックアウト状態。キャスト陣のパフォーマンスも素晴らしいですけど、やっぱり楽曲のよさが飛びぬけてますよね。
ここにメルセデスのパワー爆発でノリノリな「ディスコ・インフェルノ」とヴォーカル・アドレナリンの「ブギー・シューズ」がセットされて、楽しさ二百点満点です。

特筆しておきたいのがヴォーカル・アドレナリンで今回新リードに抜擢されたウェイド。グリー・プロジェクトで出演権を獲得した最後の一人、アレックス・ニューウェルが満を持して番組に参戦いたしました。
役の上でもそのままゲイの設定となったアレックス=ウェイド。敵校であるヴォーカル・アドレナリンの所属ではありますが、自分の在り方に迷ってカートとメルセデスに相談にやってきます。
そして舞台当日、コーチであるジェシーの目を盗んで女装したウェイドは、パンチのある歌声で「ブギー・シューズ」を歌い切り大喝采を浴びるのです。
この辺りの展開ちょっとバーブラの「ファニーガール」を思い出させますけど、とにかくその歌声が素晴らしすぎ。目をつぶって聴けば間違いなく女性だと思う力強いハイトーン・ヴォイスには吃驚させられますね。アドレナリンのメンバーと組んだダンス・パフォーマンスも見ごたえありますし、第二のシルベスターといった感じでしょうか。今後の活躍に期待せざるをえない逸材の登場です。

私70年代は小学生でしたので決してディスコ世代ではないですけど、それでもこの楽しさはハンパありません。50の坂を迎える方々ぐらいはどんぴしゃじゃないでしょうか?楽曲の楽しさはグリー・エピソードでも屈指かもしれませんね。
(既に5回ほど見ちゃったし…。)
エピソード放映前にロビン・ギブが危篤状態なんて心配なニュースが流れましたけど、どうやら持ち直してくれたようで本当によかったです。
元気になったら是非、本作を見てさらなる元気をもらってほしいですね。





posted by Suzu at 23:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 映画・ミュージカル系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月27日

グリー『ダンス・ウィズ・サンバディ』(12年)

glee:Dance With Somebody(12年)

未公開エピソードの思いっきりネタバレですのでご注意を!

またもやgleeですけど。

先週のサタデー・ナイト・フィーバー=ビージーズ・トリビュートだった『サタデー・ナイト・グリーバー』も無茶苦茶楽しかったんですけど、今週は2月に突然この世を去ってしまったホイットニー・ヒューストンの楽曲だけで構成されたホイットニー・トリビュートの回。

グリーでは今まで「アイ・ルック・トゥユー」と、死の数日後に放映されるという劇的すぎるカバーとなった「オールウェイズ・ラブ・ユー」の2曲が取り上げられてきましたが、もちろん彼女の曲だけのエピソードは初めて。今回は卒業に揺れる部員たちの心模様を中心としたお話の中で、ホイットニーの楽曲が歌われていきました。

楽曲リストとパフォーマーは以下のとおり

「恋はてさぐり」:メルセデス、レイチェル、サンタナ、カート
「すてきなSomebody」:ブリトニー、サンタナ
「すべてをあなたに」:ジョー、クイン
「やさしくエモーション」:サンタナ、レイチェル
「イッツ・ノット・ライト・バット・イッツ・OK」:ブレイン
「アイ・ハブ・ナッシング」:カート
「マイ・ラブ・イズ・ユア・ラブ」:メルセデス、アーティー&ニュー・ディレクションズ

冒頭の「恋はてさぐり」。ロッカーに設えたホイットニーの祭壇の前で厳かに歌い出すメルセデス。これにサンタナ、レイチェル、カートが加わっての四重唱になっていきますが、原曲のはつらつとしたイメージとは異なり、ホイットニーへの愛と喪失感を伝える非常に真摯な歌声が胸を打つバージョンになっています。…泣ける。

そんな様子を見ていたシュー先生の提案で今週のお題はホイットニーと決まり、皆がそれぞれの思いを込めた楽曲を披露していきます。
まずはブリトニーとサンタナで歌うのが「すてきなSomebody」。ブリトニーの華麗なダンス・パフォーマンスが楽しめる原曲よりもさらに軽やかな1曲になりましたが、遊び心でしょうか何故かブリトニーとサンタナは途中から「恋はてさぐり」のPVでホイットニーが来ていた衣装とリボンの髪飾りヘアにチェンジしてのダンシングとなります。

そしてまたもや恋に!?と皆を驚かせながら歌われるのがクインとジョー(グリー・プロジェクト優勝者のサミュエル・ラーセン)の「すべてをあなたに」。もとは不倫の歌で歌詞も変えてませんけど、恋の始まりを告げるような爽やかな歌に衣替えした感じで聞かせてくれます。
またサンタナ&レイチェルという割と珍しいコンビによる「やさしくエモーション」は、対極にあったような二人の最終的な雪解けを告げる歌になっていて、パワフルな二人の歌声が気持ちよく弾ける好カバーになっています。

で今回のお話のサイド・ストーリーはカートに新たな男の友人が出来た事に嫉妬した(本当の理由は別ですが…)ブレインとの仲違いっていうのがあるんですけど、ブレインがそのいら立ちを率直にカートへぶつけるのが「イッツ・ノット・ライト・バット・イッツ・OK」。これはそのままホイットニーのPVの再現になっていて楽しめますし、もちろんいつもどおりブレインもしっかり楽曲を自分のものにして熱唱を聞かせてくれます。そしてそんなブレインのすれ違った思いに対して、これまた愚直なまでの愛の告白でカートが歌い返すのが「アイ・ハブ・ナッシング」。あなたがいなければ私にはなにもないという内容はまさにカートの気持ちそのままで、今回披露された楽曲の中でも特に強く印象を残すナンバーとなりました。

そして最後は再びメルセデスがアーティーを相手にリードをとり、皆も加わっての「マイ・ラブ・イズ・ユア・ラブ」。この絆は永遠、誰にも壊すことは出来ないという歌詞が皆の気持ちにぴったりすぎで、幸せな余韻を残すエンディングとなっています。

若干曲によっては急ごしらえと言うか演出が荒削りな部分もなくはないんですけど、まぁ、グリークとしては許してしまおうって感じです。『グリーバー』といい今回のホイットニー・エピソードといい、やはりお馴染みの楽曲で固められた回は楽しめる度が違いますね。

グリーから永遠の歌姫ホイットニー・ヒューストンへ送ったラブ・レター。
ホイットニーも、喜んでくれたのではないでしょうか。



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posted by Suzu at 23:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 映画・ミュージカル系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする